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スクリプト体の小文字 t
読者の fukamidori さんから、 Hogarth Script (ホガース・スクリプト)の小文字 tについて質問がありました。
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質問の内容は「てっきり語末に使う形だと思ってました。活字書体で語末用に用意してあるのを見たことがあったので。(中略)そんなふうに断定することの方が間違ってたでしょうか?」というものです。

『The Universal Penman』にも、小文字tがいろいろな形で使われていて、fukamidori さんが疑問に思った形のtは主に手紙の本文に、単語の途中であっても使われることが多いような印象です。これを書いたのは Bickham。見出しの文章では普通のtが多い気がする。行末の the なんか分かりやすい。
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ちなみに、同じ『The Universal Penman』から、Champion の書いた字。ここでも小文字 tはこんな形。こういう書き方もあった、ということですね。

スクリプト体の小文字 t_e0175918_1341980.jpg
ちなみに、下から2行目、 Literature の r を見てください。私の知っているこれに近い形の rの使い方は、o などの右に来るときだけだと思ってましたが、こんなふうに使ってある。現代の人の感覚からすれば読みやすくはない。他のページには、このスクリプト体で文章全部を大文字で書いたのもあるから、どちらかというと実用面を少し犠牲にして「いろんな書き方でやってみますよ」みたいなショウケース的意味合いがあったんじゃないかとも思います。

ここで私用した図版のうち二番目と三番目は、George Bickham (Dover Publications Edition), 『The Universal Penman』から引用しました。
by type_director | 2009-09-23 06:26 | Comments(0)