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文章の佇まい

内容に興味があって、たまたま本屋で注文して買った小説。

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家に帰って開いてみると、本文が Palatino nova でした。ヘルマン・ツァップさんと私とで2005年につくった書体です。

本を開いて1秒かからないうちに、細部を見る前にPalatino nova だとわかったことにもびっくりでした。たぶん、ひとつひとつの文字の形とかではなく、単語や文章の佇まいみたいなものを見ているからだと思います。





# by type_director | 2019-12-01 19:23 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
もじゃもじゃ頭のペーター博物館
久しぶりにフランクフルトの街に出て、中心部にある市場を一回りしてきました。チーズ屋さんで、味見しながら店の人と相談してじっくりチーズを選んできました。
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レーマー広場の裏手、新しくなった一画を歩いていたら、Struwwelpeter-Museum(もじゃもじゃ頭のペーター博物館)がありました。
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19世紀の絵本のお話に出てくる主人公ペーターが、こんなかっこうで立っています。
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このロゴが、いろいろ間違っている感じを出しています。
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W も E も S も R も M も、二回出てくる文字は同じ形を繰り返さない。T のセリフも、バランス的にちょうど気持ち悪い長さを狙っているようです。

三週間前、10月26日の青山ブックセンターでの TypeTalks では、グラフィックデザイナーの葛西薫さんと、ロゴデザインについてのお話をしました。虎屋の 欧文ロゴ で私が少しだけお手伝いしたときに、二回出てくる A のうち最初のAのセリフを短くして R との間の空間のバランスをとったことを葛西さんが「とても衝撃的だった」とおっしゃって、その話で盛り上がったなーと思い出しました。




# by type_director | 2019-11-17 09:15 | Comments(0)
メルカリのオリジナルフォント制作舞台裏
羽田空港から更新です。

つい数時間前まで、六本木ヒルズでメルカリのブランディング用オリジナルフォントの制作プロセスを語るトークショウに出演していました。

フォント制作の途中でどんなことを話し合ってこのデザインになったのか、などを制作チームの方たちと話した後、会場からの質疑応答になったら、良いご質問をたくさんいただきました。

制作途中のメモ。会場でも実物を展示しました。
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自分たちが届けたい「声」ってどんな形になるべきなのか。メルカリのブランディングのチームの細部へのこだわりと検証の繰り返しがこのフォントの a d g のかたちになったんです。イベントを終わってそう感じました。

これは、トークの後に撮りました。
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# by type_director | 2019-11-06 01:14 | Comments(0)
『英文サインのデザイン』出版記念トーク
このブログでも告知した通り、出版記念トークが11月4日、東京の青山ブックセンターで開かれました。共著者の田代眞理さんとともに登壇しました。

これはイベント用に用意していただいた本。私のこれまでの本も置かれていました。
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会の中では、共著であり翻訳者の田代さんのお仕事についてのトークに引き込まれたかたが多かったんじゃないでしょうか。そして、田代さんと私の、情報をちゃんと伝えたい気持ちが伝わったような気がしました。

これがいずれ大きなうねりになって、「この表記おかしいです」と堂々と言えるような空気をつくっていけたら、と思います。だって、「ブラック企業」や「ブラック校則」は、みんなが変だと感じていて、うねりを大きくしたところから見直しが始まったんですから。

これは青山ブックセンターの売り場に置かれている本です。店員さんに許可をいただいて撮りました。
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# by type_director | 2019-11-05 23:23 | Comments(0)
Neue Frutiger World が Good Design 賞のベスト100・ロングライフ賞を受賞しました

本日、東京の六本木で開かれた授賞式に行ってきました。賞状とトロフィーです。

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エントリーのときに提出した解説の文章から抜粋して、この書体ファミリーの解説とします。

* * *

Neue Frutiger (ノイエ・フルティガー)は、1970年代から30年以上の間、世界各地の空港や駅などで使用されてきた、読みやすさに特化した欧文書体Frutiger のアップデート版です。私とフルティガーさんが共同で開発した書体の1つで、2008年から2009年にかけて制作しました。

フルティガーさんは残念ながら2015年に亡くなられましたが、彼の残したこの書体のコンセプトを基盤にして、ラテンアルファベットの枠を超え、さらに発展してさまざまな言語で展開されているのが、今回受賞の対象になったNeue Frutiger World のシリーズです。もともとラテン・アルファベットの書体として開発されたNeue Frutiger ですが、自然な読みやすさを追求するというコンセプトのもと、東ヨーロッパの言語、日本語・韓国語・中国語にも対応が進みました。いずれも、現地でその言語に親しんでいるデザイナー達との共同作業の結果です。

アドリアン・フルティガーさんの思想、つまり、「文字は情報を伝えるための道具であり、その道具の形が不自然ではいけない、読む人の気持ちを最優先に」という考えを世界中のデザイナーが受け継いでいく。Neue Frutiger World は、そういう意味を持ったプロジェクトでもあるのです。

* * *

そして、いまから10年前に始めた当ブログでも、アドリアン・フルティガーさんとベルンでこの Neue Frutigerの制作をしている時期に書いた記事があります。私がその時に考えたこと、見た風景、Neue Frutiger Condensed の特徴についての解説が収められているので、リンクします。

世界的な書体デザイナーって(3回シリーズ・1)

世界的な書体デザイナーって(3回シリーズ・2)

世界的な書体デザイナーって(3回シリーズ・3)

フルティガーさんと共同作業

フルティガーさん 形を見る眼

Neue Frutiger Condensed 発売






# by type_director | 2019-10-31 21:42 | お知らせ | Comments(0)