MUSIC [THEME REVIEW]

Original Soundtrack/「マリー・アントワネット」オリジナル・サウンドトラック

今もっとも話題の“女”を彩るディープな面々
Original Soundtrack/「マリー・アントワネット」オリジナル・サウンドトラック【NEW RELEASE】


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2006.12.13
¥3,200(税込)
ヴァーヴ・フォーキャスト
UCCB-1024


この冬もっとも話題になっている映画のひとつ『マリー・アントワネット』。『ロスト・イン・フラストレーション』で、一躍注目の監督となったソフィア・コッポラが、ここ日本でも最も有名な海外の王女であるマリー・アントワネットの人生を、女性ならではの目で綴った本作。14歳でオーストリアからフランスに嫁ぎ、18歳で王女へ、そして38歳でフランス革命により、断頭台のつゆとなった彼女は、時折、国民の税金をむしり取り、贅の限りを費やしてフランスを破綻させた悪女……と描かれることが多ですが、その行動を女性の目で見た場合、彼女はとても淋しがりやで、甘ったれで、純粋だった気がする。ただ先代のルイ14世が晩年行った男、いや、恥知らずなオッサンによるベルサイユ宮殿の乱れた秩序(実際酷かったらしい)に振り回された、若い世間知らずな娘なだけではないかと?そんな疑問をこの映画は、晴らしてくれた。さて本作は、ベルサイユ宮殿でのロケによる本物のロココ世界と、それを彩るサウンドの監督のセンスがすごい!80年代のニュー・ウェイヴやポップスが中心で、ザ・キュアー、スージー&ザ・バンシーズ、ストロークス、ニュー・オーダー、ギャング・オブ・フォー、アダム&ジ・アンツ、エイフェックス・ツイン、エール、スクエアプッシャーらの楽曲に、オリジナル・スコアも取り混ぜ演出。マリーの孤独を映し出すディープなサウンド陣。それが、昔の世界の問題がとてもリアルに現代的に浮き彫りになって共感が持てる。それにしても名曲ばかりをうまく使いこなしたのもです!

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:39 | NEW RELEASE

Kate Bush/天使と小悪魔

美しく潔い感性と技術により奏でられる音楽
Kate Bush/天使と小悪魔【POP/ROCK】


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2005.11.2
¥2,600(税込)
EMI
TOCP-67815


女性アーティストとして、この人なしでは話が始まらない!1977年、ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアに見出されデビューした妖精、ケイト・ブッシュ。その姿も声も、そして生み出したサウンドもこの世のものとは思えないほど幻想的で、ただため息交じりでまるで魂を抜き取られたように彼女に魅入られたものだ。テレビ番組『恋のから騒ぎ』のオープニングとして長くOAされている人気曲「嵐が丘」でも分かるとおり、透き通っていて艶っぽい彼女のハイトーン・ヴォイスを聴いていると、魂が浄化されているよう……。クリスタルのようなパワー・ストーンの効果に近い気がする(本当に効果があるとして)。このアルバムは、その彼女の歌声をフルに使った多重録音作品としても誉れ高い。当時の録音技術を斬新に使った革命的な作品とも言える。現在人気を博すエンヤのサウンドもここから始まった(よね?)。デイヴ・ギルモアの手腕に拍手!デビュー当時は、そんな風にまったく現実を感じさせなかった彼女も、30年経った今や母となり、昨年は2枚組みアルバムをリリース。幻想的な雰囲気はそのままに、母としての強さも感じさせた、たおやかな女性アーティストぶりを披露してくれた。いつまでも、あの日の憧れはそのままに……。

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:36 | POP/ROCK

鈴木祥子/鈴木祥子

永遠の“小悪魔”あの日の憧れもそのままに……
鈴木祥子/鈴木祥子【J-POP】


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2006.1.25
¥3,000(税込)
ANGEL RECORDS/WONDERGROUND MUSIC
WRCD-33


1988年のデビュー作からしてこの人は何か他の女性アーティストとは違ったものを感じさせた。時はバンド・ブーム。女の子も元気にロック!を奏でていて時代に、ひっそり美しくデビューを飾る。そもそも、ドラマー志望だった彼女は、某コンテストに入賞して、高橋幸宏、鈴木慶一からなる伝説のユニット、ザ・ビートニクスのツアー・サポート・メンバーとして活躍する。プレイヤーを目指していて、特にシンガーソング・ライターになりたかった訳ではなかった。でも、こんな美しい曲を書く人を音楽界が、ほっておくわけが無い。デビュー当時は、いわゆる男性プロデューサーにバックアップされた作品をリリースしていたけど、それでも彼女から感じた独自の引っ掛かりが、その後発表された作品でだんだんと鮮明になっていく。多くの女性アーティストも作詞と歌だけを歌い自己表現を行い、なぜか男手に囲まれた状態だけど、彼女はほとんど作詞を行わず、作曲、アレンジ、そしてついにはすべての楽器を自分で演奏するというアルバムも完成させ、マルチプレイヤーなアーティストになった。それは、女性の感性のみで奏でられる音楽……こんな完璧な音楽世界を繰り広げられるアーティストはいない。男は作り上げた、男が好きな女を知らずに演じている女から感じる、嘘臭さがない。そしてデビューからもう19年。今も彼女が生み出す音楽は誰よりも、だれよりも清々しく美しく潔い女らしさを感じさせる。本当にそう思う。

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:36 | J-POP

Barefoot/ベアフット

高貴さと艶っぽい粋なUKサウンド
Barefoot/ベアフット【CLUB】


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2006.11.22
¥2,500(税込)
BEAT RECORDES/PUSSPUSS
BRC-163


USや日本では、赤裸々セクシーやエロカワばかりが猛威をふるってますが、ヨーロッパの男を惑わす女性は、粋でなくてはなりません。で、数々の粋な小悪魔を生み出してきたUKのミュージック界から昨今話題になっているのが、このberfoot。ティム・デラックスの超特大ヒット曲「It Just Won't Do」でヴォーカルを務め、ライターとしても数々のクラブ・ヒット曲を手掛けるサム・オーバニック、そして彼女をバックアップする、ビョーク、カイリー・ミノーグらのプロデュースやリミックスで知られるトミー・Dによるユニットです。昨年秋にリリースされたこのデビュー・アルバムは、聴いて驚くことにアンダーワールド大ブレイクのきっかけとなった「Born Slippy」やランDMCの「It's Like That」、そして先述したティムの曲などこの強力クラブ・アンセムを、ポップでジャジーに色鮮やかに蘇らせたカヴァー・アルバム。もう、オリジナルは原型しか留めてないほどのニュー・アレンジなんですが、さすがに名曲ばかり、曲そのものの良さもさらに浮き出たりして……。ハスキーで高貴さと艶を感じさせるサム・オーバニックのヴォーカルも合わさり極上のお洒落なジャズ・ソウル・ポップスになったのでした。

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:35 | SOUL/HIP HOP/CLUB

Norah Jones/Not Too Late

幅広い音楽性の底辺に横たわる女性的な感性
Norah Jones/Not Too Late【JAZZ】


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2007.1.24
¥2,500(税込)
東芝EMI
TOCP-70170


2003年第45回グラミー賞では主要4部門を含む8部門を受賞、受賞後発売された2ndアルバム「フィールズ・ライク・ホーム」は全世界で1,000万枚を超えるセールスを記録。今やジャズだけで無くポピュラー・ミュージック・シーン全般で知らぬ者はいないほどの知名度を誇るノラ・ジョーンズ。ジャズだけでなくカントリー、フォークなど牧歌的なアメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにした幅広い音楽性が彼女の魅力ではあるが、その音楽の底辺に横たわる女性的な感性、瑞々しく柔軟で、優しく軽やかなノラ・ジョーンズという女性そのものを全投影したサウンドこそその魅力の本質であることは誰もが認めることだろう。さて、そのノラ・ジョーンズ、デビューから約5年を経てまた大きな成長ぶりを窺わせる最高傑作が遂に完成。リチャード・ジュリアンらと結成したバンド=リトル・ウィリーズの活動で培われた新しい音楽的アプローチも取り入れ、また全曲レベルで彼女自身が作曲に関与し並々ならぬ気合が窺える。尚、プロデュースを担当するのはリトル・ウィリーズのメンバーでもあるベーシスト、リー・アレクサンダー。

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:34 | JAZZ/WORLD

Robert Schumann/Schumann: Kinderszenen...

女性としての幸せを感じさせる魅惑のソプラノ
Robert Schumann/Schumann: Kinderszenen/ Frauenliebe und Leben/ Lieder : Eiko Hiramatsu(S)/ Joerg Demus(hammerflugel)【CLASSICAL】


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2006.5.11
¥1,756(税込)
DEMUSICA
DEMUSIC152


いくどと無く登場するシューマンの楽曲。ドイツのロマン派を代表する彼の楽曲は、ソフトでロマンチック……男性らしい荒々しさとか無縁のメロディを生み出し続けました。彼の音楽人生は、妻であるクララの存在を抜きにして語ることはできません。なぜなら彼女へのラブレターならぬ、メッセージがある時期において彼の音楽制作の源になっているからです。今回紹介するのはその代表曲のひとつである歌曲『女の愛と生涯』。アーデルベルト・フォン・シャミッソーの書いた詞に、シューマンが曲をつけました。妻の立場による語りで、夫との出会いから結婚生活、そして死別するまでを8曲に渡り綴っています。この曲を作曲した年にシューマンは、妻クララと彼女の両親が反対したにも係わらず、法廷に訴えて結婚を勝ち取りました。そして、この年はシューマンの“歌曲の年”とも言われ、本作を始めとする数々の名曲を生み出したのです。この曲も彼なりに来るべき結婚生活を占うものだったのでは無いでしょうか?サウンド的には、歌唱とピアノのみで演奏され、その2つが対等に掛け合うことが特徴。それには、双方のソレ相応の実力が必要ですが、今作でソプラノを披露している平松英子さんの清らかでチャーミングなヴォーカルがとても魅力的。女性としての幸せを感じさせる魅力あふれる作品になっています。

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# by switch-theme | 2007-01-25 10:33 | CLASSIC




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