MUSIC [THEME REVIEW]

Electric Light Orchestra/Out Of The Blue: 30th Anniversary Edition

クラシカルでドミトリーでスペイシーな始まり
Electric Light Orchestra/Out Of The Blue: 30th Anniversary Edition【NEW RELEASE】


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2007.2.20
¥1,924(税込)
Legacy
88697053232


さて、プログレやヘヴィー・メタルのサウンドの多くは、クラシックから影響を受け作り上げられたことは有名だが、クラシックと思いっ切りぶつけ、1+1=2な融合させたのが、エレクトリック・ライト・オーケストラです。1971年にデビューしたこのイギリスのバンドは、ポップスのバンド部隊にストリング所帯を構えていた(後解雇、変わりにシンセサイザー部隊登場+本物のオーケストラが随時参加。エレクトロニカ・サウンドまで取り入れていった)。そんな彼らが1976年にリリースした本作は、ジェフ・リンのソング・ライティングがピークに達したといわれている作品。今年はリリース30周年記念なんです。というわけで、記念特別盤が登場しました。ともかくクラシカルを残しつつ、最新音源を使い、今では当たり前になった多重録音などの技術を、目を当てられないほどのポップでコーティング……と、そして生み出したドミトリー+スペイシーなサウンドは、クィーンなどへ系譜されていき、多くのアーティストのサウンドへ影響を及ぼしました。そして30年経った今でも“こんなバンドを再度やったら、楽しいだろうね。現代的にフル・オーケストラと最新シンセ各種取り揃えで”などと思わせる魅力たっぷりな作品なのです。

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# by switch-theme | 2007-02-23 14:09 | NEW RELEASE

ムーンライダーズ/NEW DIRECTION OF MOONRIDERS

日本の音楽軌跡を綴るコアでディープなベスト盤
ムーンライダーズ/NEW DIRECTION OF MOONRIDERS 百万人のムーンライダーズ -リスナーズ・ダイジェスト- 【J-POP】


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2006.10.4
¥3,500(税込)
PANAM
CRCP-20384


こんなバンドが、よく30年も続いたと思う。現存している日本最古のバンド……とやたら難しく言われているが、1976年より昔から解散をしないで、ずっと継続しているバンドは、いないってことだ。そう、この彼らが作った30年という年月は、“何々周年記念”という言葉で飾るのに相応しい。その間、当たり前だか数多くの作品をリリース。さらにメンバーの6人が、日本の音楽界に残している軌跡はとてもじゃないが、書き切れない。何より特筆すべきは、たったひとり(もしくは、ふたり)のフロントマンの圧倒的な存在によって成り立っていくバンドが多い中で、ムーンライダーズは、6人のメンバー全員が独立したアーティストであり、プロデューサーであるということだ。個々が強烈な個性を持ちながらも、深みにハマってしまったマニアなファン(音楽業界に多いのも特徴)を作り上げたのも、プロデューサーとしての高い手腕を兼ね備えておればこその音楽活動の結果といえる。さて、本作その30周年を記念したメンバー監修による選曲、最新リマスタリングされたベスト・アルバム。常に時代の最先端であり後にスタンダートとなるサウンドを生み出し、たびたびメジャー・レーベルと確執も伝えられながら築きをあげた彼らの足跡を、こんな30曲で理解でき様はずもないが、彼らの残してきた足跡は、日本の音楽の歴史を知るには大切な1枚になりえると思う。

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# by switch-theme | 2007-02-23 14:07 | J-POP

Paul Simon/ポール・サイモン

ひとりで生きると決めた……それが独立記念日
Paul Simon/ポール・サイモン【POP/ROCK】


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2006.9.20
¥2,500(税込)
ライノ
WPCR-12412


日本人でも必ず耳にしたことがあるであろうサイモン&ガーファンクル(以下S&G)。オリジナルを知らなくても小中学校の音楽の時間にリコーダーなどで彼らの代表曲「サウンド・オブ・サイレンス」を演奏した人も多いと思う。1960年代にフォーク・デュオとして時代を代表する存在になった彼らが、1970年に米チャートで10週間1位を記録したアルバム『明日に架ける橋』をリリースして頂点に君臨していたころに制作を開始して、72年にリリースされたポール・サイモンのソロ作がこれ。奇しくも前述のアルバムが、S&Gの最後の作品となった。特に解散宣言を行っていなかった中での今作のソロ作リリースは、当時のファンを相当困惑させていたという。そもそもポールは、S&Gの楽曲の8割以上の楽曲の作詞・作曲を手掛けているサウンド担当。そんな彼が、フロントマン的存在になっていたアーティとチャートを意識しないで、己のアーティスト性を思い切り表現したいと思っても不思議ではない。そうこの作品は、あのS&Gのお決まりであったコーラス・ワークも必要最低限に押さえ、より向上したレゲエ、ゴスベル・ブルースを取り入れたギター・テクニックとメロディがぴったり寄り添い、歌とサウンドがより一体化した、ポールのアーティスト性のゆるぎなさ感じさせる。自分の能力を表現しきれない(良い悪いではなく)相棒に任せるより、自分ひとりで頑張って、自分の中に眠っていたより多くの才能を引きずり出すことに成功した……とソロになるという本当の意味を見せ付けてくれた作品だと思う。これが本当の独立ということを教えてくれた1枚。

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# by switch-theme | 2007-02-23 14:05 | POP/ROCK

Stevie Wonder/ベスト・コレクション

押して知るべき想いがこもった“Happy Birthday”
Stevie Wonder/ベスト・コレクション【R&B】


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2007.2.10
¥3,400(税込)
ユニバーサル
UICZ-1070


現ソウル・シーン最高峰に君臨するアーティストは誰かとの問いに対し“それはスティーヴィー・ワンダーである”との答えこそ模範回答ではなかろうか。それに異存を唱える者はほぼ皆無だろう。20世紀におけるアメリカン・ポピュラー・ミュージック・シーンの牽引者ないしは、ワールド・ワイドな価値観で大衆音楽に新たなフレイヴァを注ぎ込んだ功績は表面的な音楽との関わりしか持たぬ者でも容易く理解できるに違いない。そんな偉大なるアーティストが3年ぶりに来日公演を行う、しかも現役バリバリにフル・ステージをこなすとなれば誰もが色めき立つのは当たり前。往年のヒット曲の数々をステージとあわせてCDで再び堪能するのも悪くない。ところで今回のセレクト・テーマは“アニバーサリー”。無論スティーヴィー・ワンダーの名曲の中にもそうしたニュアンスの曲は存在する。それが今や誕生日の定番と化したハッピー・ソング「ハッピー・バースデイ」だ。思わず踊りだしたくなる屈託のない明るさを秘めたこの曲、実は黒人の人権獲得活動に奔走したルーサー・キング牧師に捧げられたもの。ルーサー・キング牧師と言えばアメリカ社会であらゆる差別を受けてきた黒人の人権を獲得する為公民権運動なる社会運動を先陣して支えてきたパイオニア的偉人。彼の活躍なくして現在の世界的な黒人の活動はなかったとも言える。そのキング牧師へのリスペクト・ソングとして作られた本曲が意味するものは、実のところただ楽しいだけでなく少なからず政治的に硬派な意味合いも含まれているのである。それを理解して聴くことにより、この曲に新たな感動を与えられるのではあるまいか。

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# by switch-theme | 2007-02-23 14:03 | SOUL/HIP HOP/CLUB

Charlie Parker/ジャズ・アット・マッセイ・ホール

近代的ジャズの創世記を綴った記念碑
Charlie Parker/ジャズ・アット・マッセイ・ホール【JAZZ】


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2006.6.21
¥1,800(税込)
デビュー
VICJ-41561


今僕らが“ジャズって何?”って尋ねられた時に、真っ先に思い浮かべる音って多分“モダン・ジャズ”という分類の音なんじゃないかな、って思う。じゃ“モダン・ジャズって何?”ってことなんだけど、一言で“アドリブ・ミュージック”と表現することができる。すなわち“演奏するその場の雰囲気やアーティストのその時の心境によって、インプロヴィゼーション(即興)で作られる音楽”がそれ。もちろんジャズ誕生と同時にこのスタイルが生まれた訳では無く、完成まで色んな紆余曲折を繰り返した訳で。モダン・ジャズが生まれるまでのトラディショナルは所謂“ビッグバンド・サウンド”というもので、基本的には各楽器、各パート毎に楽譜があってその通りに演奏するものだったのだけれど、1950年代、ある黒人プレイヤーがそうした型にはまったバンド・スタイルに飽き飽きして演奏途中に突然楽譜を自分流にアレンジして演奏し始めた。バンド・マスターはカンカンに怒ってその男を即刻クビにしたんだけど、男はその方法がとても気に入ってそれ以来即興で演奏するスタイルを模索し始めた。それが“モダン・ジャズ”の創世であり、そのアーティストこそがここに紹介するチャーリー・パーカーなのです。もちろん新時代の音楽を創る作業をたった一人の人間で為し得る訳も無く、同時多発的に同じような感覚をもったアーティストが現れたからこそなんだけど、このアルバムはそのパイオニア達が一堂に介し歴史的価値のある演奏を録音したモダン・ジャズ史を語る上で決して忘れることは出来ないアルバムなんだ。ある意味モダン・ジャズ誕生を記したアニバーサリー・アルバムといっても過言ではない作品なのです。

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# by switch-theme | 2007-02-23 14:01 | JAZZ/WORLD

Ludwig van Beethoven/Beethoven: Symphony No.9 / Herbert von Karajan, BPO, etc

世界最高峰の三つ巴による新たなる章の記録
Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)/Beethoven: Symphony No.9 / Herbert von Karajan, BPO, etc【CLASSICAL】


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2006.9.29
¥1,653(税込)
Berlin PO/Im Takt Der Zeit
BPH0606


世界でもっとも有名なオーケストラのひとつ、ベルリン・フィル・ハーモニー交響楽団。1882年に設立された当初の楽団の平均年齢は、30歳未満だったというから“若手のミュージシャンによる新しい試み”といったニュアンスで始められた感は否めない。しかし、希望にあふれた若者たちの勢いはすごい!1884年にはブラームス、ドヴォルジャークも自作の指揮を行っている。そうしてドイツ一となり、世界に名だたるオーケストラへと大きく羽ばたいていったなか、ナチスの台等、そして第二次世界大戦により、演奏は制限され、さらには1944年1月に旧フィルハーモニーが爆撃で焼失してしまう(仮の会場にて演奏会は続けた)。そして終戦後、ドイツ復興へと1963年10月15日に開かれた記念すべきベルリン・フィルハーモニー新ホールの落成記念コンサート。この指揮を執ったのは、クラシック界の帝王であり、ベルリン・フィルの終身指揮者・芸術監督にもなったカラヤン、そして曲はベートベン「交響曲 第9番」。“カラヤン指揮のベルリン・フィルが第9”というのは、おそらく戦後のクラシック界で、もっともメモリアルなセレモニーではなかろうか? 今作は、自国の発展とクラシックを思うドイツ国民の歓びと興奮までもそのまま収録したライヴ盤。今作の実演ならではの臨場感は、クラシックに歴史が新たなるページ、いや新章の始まりを綴ったリアルな記録である。

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# by switch-theme | 2007-02-23 13:59 | CLASSIC




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