MUSIC [THEME REVIEW]

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Original Soundtrack/エコール

どこまでも純粋で、幻想的なこの世界にあなたは何を感じますか?
Original Soundtrack/エコール 【NEW RELEASE】


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2006.10.21
¥2,100(税込)
cinemania35
RCCM-008


この秋公開の映画「エコール」。数々の映画祭に出展され、話題をさらっているこの作品は、森の中にある下界から閉ざされた学校で暮らす、6歳から12歳の少女たちの物語だ。フランス映画のため、言語は無論フランス語だが、どこの国か分からないヨーロッパの森の中の幻想的な建物で、自然とバレエを習う少女たち。大人になると、この場所から出て行くのだ。男性の全くいない、少女と若い教師のみの閉ざされた世界の中で、育まれる少女たちの純粋な感性……それらをバレエという芸術で表現しているというか。そんな劇中に登場する少女たちのあどけない会話、映像を彩る木々のざわめき、鳥のさえずり、そしてバレエを踊るために選ばれたクラシックを中心とした音楽など、映画を見ながらふと耳に入る音をコンパイルしたサウンド・トラックが今作だ。さながら、映画の名シーンを切り取ったような幻惑的な音が、純粋なまでの想いを突き詰めたこの世界のこの上ない美しさを現してくれる。受けての感性により、にじみ出る感情が分かれるであろう難しさもあるが、レオシュ・ヤナーチェクやセルゲイ・プロコフィエフ、シューマンなどの音楽にもエロスを感じさせたセンスには、うっとりの一言。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:31 | NEW RELEASE

浅井健一/WAY

現代に生まれたカリスマの行方
浅井健一/WAY 【J-POP】


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2006.9.13
¥1,890(税込)
Sexy Stones Records
BVCR-19694


数多現存する日本のロック・アーティストの中でも、彼はある意味選ばれた特異な存在であるといっていいだろう。BLANKEY JET CITYとしても活動時から一貫して、痛々しいほどの言葉を発し続けた。それは、愛であったり孤独であったり。その音楽をいくら聴いても彼の心の内を推し量ることはできない。や、本当は、他人の心を理解するなんてことは、どうやったってできないんだけど。彼が表現した世界は、具体的で現実的な痛みを伴いながら、いつも奥の世界を現す。私には、そこに人としての優しさを感じずには、いられない。だから、彼は人を惹きつけて止まない。一度、彼の優しさに触れてしまったら最後、その優しさをずっと受け続けたくなるんだろう。そいえば、ソロになってから絵本も出版したりと、活動の幅を広げていった。より深く、そして広い心の表現を求めたのだろうな。そんな活動は、彼を現代に生まれたカリスマにした。人々が魅了して止まない人……それがカリスマになる。しかし、そんなものになったロックシンガーである彼は、今後それらを背負ってどこに向かうのだろうか?それは、このまま、答えが分かるまで彼の作品を聴き続けるしかないんだろうな。一生分からないかも知れないけど……。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:30 | J-POP

The Runaways/チェリー・ボンブ

パワフルに生きる尊敬すべき女たちへ
The Runaways/チェリー・ボンブ 【NEW RELEASE】


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1993.11.21
¥1,835(税込)
マーキュリー
PHCR-4174


日本ではギャル・バンなんて呼ばれる、ガールズ・バンド。1970年代のアメリカで生まれたこの文化の元祖なグループが、このランナウェイズだ。なんてったって、デビュー時の平均年齢が16歳。しかも、ヴォールのチェリー・カーリーなんて、黒レースの縁取りが付いた白コルセットにガーターベルトとブロンド・ヘアだもん。過激っていうか、憧れのロリータ・パンク!おまけに、その音はキャッチーとハードな荒々しさが混在した正統派ロックン・ロール。そんなだから、デビュー作『チェリー・ボンブ 』をリリースしたら瞬く間に話題になった。ツェッペリンのロバート・プラントやシルヴァーヘッドのマイケル・デ・バレスなども、そのステージを見に来るほどの。そりゃ、おっさんもマイルよね? しかし、このバンドは、結構早く解体。メンバーの音楽性の違いってことで、主にパンク派とヘヴィ・メタル派に別れた。リーダーのジョーン・ジェットは、後にピストルズらと交流を広めブラック・ハーツを結成して、トップ・アーティストになった。リタ・フォードは、オジー・オズボーンとのデュエット「Close My Eyes Forever」を大ヒットさせ、W.A.S.P.のギタリスト、クリス・ホルムスとご結婚。うーん、女の人生色々です。しかし、彼女たちの意を決したバンド結成が、後の女性の表現の自由を広げたことは、いうまでもない。尊敬すべき先人たちに、改めて敬礼です。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:28 | POP/ROCK

Miguel Migs/ヒア&ナウ

“官能”を知り尽くしたクラブ・サウンド
Miguel Migs/ヒア&ナウ 【CLUB】


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2006.10.25
¥2,690(税込)
K.S.R.
KCCD-237


クラブ・ミュージックって、お洒落ってイメージ。しかし、正直はっきりとした定義のない音楽ジャンルでもある。だが、ズバリそのもののサウンドを届けてくれているDJがこの西海岸ネイキッドミュージックの代表的アーティスト、ミゲル・ミグスなのではないでしょうか? 4つ打ちやアフリカンなど多様なリズム・トラックに、上モノにローズやホーン、アーティステックなギター、ここぞというときのシンセ音や色っぽい女性ヴォーカルをフィーチャーするなど、どんな音で人が“官能”を感じるか、良く分かっている人だと思う。徹底的に、音質にこだわった音の重ね方は、まったくブレがなく、高揚感の中に安心感がある。彼の音楽は女性に人気があるというが、なんとなく分かるな。筋が通ってるんだけど、ちょっと危なっかしい。今作は、彼の作品の中から、特にスウィート・ナンバーをコンパイルしたもの。アナログのみのミックス曲やコンピにしか収録されていなかった楽曲なども収録したベスト盤。甘いにヒトトキに溺れていきたいあなたに、どうぞ。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:27 | SOUL/HIP HOP/CLUB

Chet Baker/チェット・ベイカー・シングス

いつもまでも甘い夢を見させてくれるヴォーカル・アルバム
Chet Baker/チェット・ベイカー・シングス<初回生産限定盤> 【JAZZ】


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2006.6.14
¥1,500(税込)
パシフィック
TOCJ-6802


ウエストコースト・ジャズのトランペッターだった彼が始めてヴォーカリストとして名声を得たアルバムが今作。その歌声は、スモーキーな女性の声と勘違いしそうなほど中性的。しかし、ほっそりとした神経質そうな当時の面持ちを見れば、この歌声があまりにもぴったりとくる。いわゆるスタンダードなジャズ・ナンバーも、既存のジャズ・シンガーのような、ビブラートもブレスもフェイクもなく、吐息のような時折消え入りそうにささやきながら歌っている。歌のメロディを優しく忠実に歌い上げる様は、ジャズといより、シャンソンなんかに近いのか。チャーリー・パーカーのバンドでトランペッターとして活躍しながら、1950年代に入ってから歌い始めた彼が発表した作品の中で、多くの人が最高傑作に掲げる今作は、1954年~56年の録音ものだ。この奇妙な取り合わせからボサノヴァが派生したと言われているのは、多分本当だろう。それほど、斬新で完成されたヴォーカル・アルバムと言える。30代後半ごろからドラッグに溺れて音楽活動の休止を余儀なくされ、最後はホテルの窓から転落死という、数奇な運命の生涯ではあったが、彼の残した作品は、いつもまでも甘い夢を見させてくるソフト感がある。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:25 | JAZZ/WORLD

川井郁子/ラ・ジャポネーズ

長き歴史を経て日本の美しき音楽と融合が完成!
川井郁子/ラ・ジャポネーズ 【CLASSICAL】


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2006.9.27
¥3,045(税込)
ビクター
VICC-60535


近年の日本人の貪欲さは、世界一だろう。世界中の文化を日本の文化と融合させてしまったんだから。音楽もそうだ。そもそもヨーロッパの音楽であるクラシックが、正式に近い形で日本の歴史に登場してまだ100年程。長いこの音楽の歴史においては、ほんの最後の部分でしかリアルタイムで知らない。だから、最初は結構いい加減に伝わったらしい。なんせ、急速な西洋文化との交流で、落ち着いて勉強できる環境ではなかった。だから本格的に長い歴史を踏まえた上で学んだのは、有史以降と言える。それなのに、もう日本の音楽とクラシックを見事に融合させた作品が生まれた。「さくら」や「七つの子」「赤とんぼ」など全10曲の日本の唱歌を川井郁子のヴァイオリンをメインに、オーケストラ&ストリングス・アレンジ、ギター、ハープ、ピアノ、尺八などを組み合わせて、見事なクラシック音楽として生まれ変わらせたのだ。特に「通りゃんせ」で聴かれる斬新なパーカッション・アレンジや「この道」でのハープとのアンサンブルは、お見事。世界中のオーケストラとの共演を果たしてきた彼女が、世界を体感して再び日本の音楽に立ち返ったことを、非常に嬉しく思う。そして、これらの歌を聴いて育った人には、クラシックを知るための1枚に。そして何よりも、クラシックの本場の国々の方々に、日本の美しきこの音楽を聴いて欲しいと切に願う。

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by switch-theme | 2006-10-27 11:23 | CLASSIC

フューチャー・セックス~ラヴ・サウンズ

世界中の女性をハートを射抜いた“男の色気”はどうやっても匂い立つ
Justin Timberlake/フューチャー・セックス~ラヴ・サウンズ 【NEW RELEASE】


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2006.9.20
¥2,548(税込)
ジャイヴ
BVCQ-21082


1990年代の後半から全世界で沸き起こった“ボーイズ・バンド・ブーム”の中でのBSBと並ぶトップ・グールプ、イン・シンクのリード・ボーカルだったジャスティン。スーパーボールのショウで、ジャネット・ジャクソンの胸をはだけた男性だが、日本では彼の話はあまり話題にならなかったな。元々キッズ・アイドルだった彼は、本格的デビューをするために血が滲むようなダンス・レッスンをした。そもそもの甘い声が、体の表現を学んだことにより、さらに表現力豊かで艶を増したヴォーカルに進化。さらに鍛え上げられたセクシー・ダンスを加えてデビューしたのだ。その姿は、世界中の女性の目をハート型に変えた。そして、2003年にリリースした待望のソロ・デビュー作『ジャスティファイド』は世界中で1,000万枚に近いセールスを記録する。世界中でもっとも輝いているスーパースターのひとりだ。そんな彼が発表した待望の2ndアルバム。デビュー作でネプチューンズとティンバランドという2人のHIP HOP/R&B界を牽引するプロデューサー陣と共にR&Bアーティストとしての存在感を見せ付けたが、今作ではティンバランドに加えブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アム、さらにはあのリック・ルービンも起用。あの甘いヴォーカルをあえて徹底的に機械処理したり、高速ビートやプリンスばりのリズム・トラックに乗ったりと過激なまでのクリエイティブ・ポップ作品が生み出された。こんなトップ・アーティストとプロデューサーがガッツリ四つに組んで作り上げたのだから、ただのアルバムになるわけがない。おまけに、どうやっても彼の色気は、バンバンに感じさせる。本人もプロデューサー陣も、何が一番大事かよく分かって作り上げた、本当のクリエーターたちの作品なんだな。

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by switch-theme | 2006-10-19 19:25 | NEW RELEASE

AI/What’s goin’ on A.I.

今最高にノッてるアーティストのキラメキがまぶしい
AI/What’s goin’ on A.I. 【J-POP】


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2006.9.27
¥3,059(税込)
アイランド
UPCI-1049


現在、J-R&B界の牽引者、何かと活躍を見せるパワフル姉ちゃん、AI。LA生まれの彼女は、完璧なバイリンガル、加えてゴルペルで鍛えた歌唱力とダンス・スクールで学んだというリズム感という、全てにおいて日本のR&B/HIP HOP界でダントツのスキルを持っている。しかし、ディーヴァ・ブームが沸き起こっていた1999年、彼女はデビューが、当時のセールスは順風満帆というわけには行かなかった。彼女はひたすらステージに立ち、本気で歌を聴かせ、じんわりとフアンを増やしていったのだ。なんといってもパワフルでありながら、女らしい艶もある彼女の歌声は、多くのアーティストにも大変好まれているようで、フィーチャリング、ゲスト、競演……などなど、参加した作品は数限りない。最近TVなんかにも登場して周知のこととなっている、そのピースプルなサバサバしたキャラクターも、皆に愛される理由のひとつだろうけど。さて、そして本作は今年9月にリリースされたばかりの新作。韓国のスーパースターRain(ピ)、全米No.1アーティストShaggyやトルコNo.1アーティストYalinなど世界中のトップ・アーティストが参加している。そして、作られた強力なトラック陣にのるAIのヴォーカルにはキラメキがたっぷり。今最高に輝いているアーティストだからこそ、生まれたコラボの数々も比べようもないほどの勢いを感じさせる。今の世で、全てにおいてGreat!な作品の誕生だ。

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by switch-theme | 2006-10-19 19:23 | J-POP

The White Stripes/ゲット・ビハインド・ミー・サタン

人を惑わす魅惑の兄弟が照らす黒と白、そして……赤いサーチライト
The White Stripes/ゲット・ビハインド・ミー・サタン 【POP/ROCK】


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2005.6.1
¥2,520(税込)
V2レコーズ
V2CP-220


“黒は怒り、白はピュアネス、黒と白の中間として赤は無を表現する”といって、ファッション、ギター、ドラムまですべて黒、白、赤で統一。特に“無なくして良い音楽は完成しない”というポリシーのため、彼らのビジュアル・イメージには、“赤”が多用される。それだけでも、十分に妖しげ。さらに、ジャックとメグというホワイト兄妹でやっているんだから、いったい実家はどんなんだと、下世話な想像を掻き立てずにはいられないが……。そんなことはさておき、2001年リリースされた3rdアルバム『ホワイト・ブラッド・セルズ』が世界中で大ブレークしてから、ますますその存在感は異彩を放つ。大体メグのたたくドラムが異様だ!聴きなれたリズムによる感覚を狂わし、妖しさ倍増。さらにメンバーは2人だけだから、自分の楽器を全部ちゃんと全曲演奏することも、する気もさらさらなく、ピアノもギターもバコバコなだれ込ませる。分からない……どんな法則で曲が作れているか。細部を上げるとそんな感じなのに、なぜにどの曲の全ての音はシンクロしている。今作では、アメリカンなカントリー・ナンバーも赤いサーチライトに照らしてしまった。ジャックは「史上最高のギタリスト トップ20」に選ばれたというが、それは人を惑わすということなのか? げに恐ろしくも怪しげな音を轟かせているのだ。

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by switch-theme | 2006-10-19 19:22 | POP/ROCK

Barry White/アルティメイト・コレクション

深く愛に溺れる2人への究極のラブ・ソング
Barry White/アルティメイト・コレクション 【R&B/HIP HOP】


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2003.11.5
¥2,548(税込)
マーキュリー
UICY-1212


愛の伝道師……とかいうと、宗教家か占い師、若しくは人生相談を受けるどこかの小説家のような気もしますが、彼がそう呼ばれたのはモチロンのその音楽による。1970年代、アメリカのディスコ・ブームの中でも、特にムーディなサウンドとあま~いバリトン・ヴォイスで、ヒットを飛ばし続けたバリー・ホワイト。軽快なスゥイング・ナンバーから、ノリノリなディスコ・サウンド、はたまたソウルフルなバラードまでを、もちろん詩の内容も情熱的な愛の歌を多く歌い上げています。そしてそれは甘い=スウィートではなく、包み込むようなディープな甘さであり、“陶酔”という言葉が一番近いような気がします。そんな彼の惜しまれつつ2003年にこの世を去った後に、発売された追悼的コンピレーション・アルバムが今作です。収録の代表曲18曲のうち、なんと8曲のタイトルに“愛”“恋”という文字が使われています(そのほかのタイトルもほとんどが恋愛を想像させますが)。そう、愛の歌がズラリ。深く愛に溺れる2人に捧げます。

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by switch-theme | 2006-10-19 19:21 | SOUL/HIP HOP/CLUB




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