MUSIC [THEME REVIEW]

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USの“美メロ師”によるR&Bスィート・タイム

Donell Jones/Journey Of A Gemini 【NEW RELEASE】

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2006.6.16
¥1,924(税込)
Arista/LaFACE
8287652138



美しいメロディとボーカル。ソウル/R&Bの基本とも言える本物の歌を聴かせるドネル・ジョーンズの3年ぶりのリリースとなる4thアルバム。現在のUSブラック・ミュージック界において、“美メロ師”と評される彼の新作には、1996年にリリースされたデビュー作から、変わらずのクオリティの高いメロディとスィートなボーカルで構成されている。本当のブラック・ミュージック、ソウルとは何かを教えてくれる高いベーシックが中心となった作品だ。もちろん今作には、全米No.1を獲得した「U Know What's Up」や「You Know That I Love You」なども収録。サンプリング・サウンドに、スティヴィー・ワンダーなどのソウル・ミュージックでよく聴かれる、ローズなどの鍵盤楽器を中心とした生楽器を程よくミックスした音作りでボーカルを浮き立たせ、またそれが巧みなコーラスワークとシンクロしして、甘く、切なく、美しいサウンドに仕上がった1枚だ。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:25 | NEW RELEASE

1980年代をリスペクトした今風テクノ・パンクで大人の遊び心を学べ!

InK/C-46<初回限定仕様> 【J-POP】

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2006.4.26
¥3,059(税込)
キューン レコード
KSCL-976X



昨年は電気グルーヴとしてスチャダラパーとユニットを組み、テクノとヒップホップの見事な融合作を作った電気の石野卓球が、今年4月にスチャと並び1990年代ヒップホップ・サウンドを作り上げた功労者Tokyo No1 Soul SetのDJ川辺ヒロシとユニットを組んで作ったのがこの作品。共に1980年代に青春(!)を過ごした2人だけに、過の時代の音源が飛び出す4つ打ちテクノを始め、思わずニヤリとさせられる音の数々をあざとくも使いつつも、そこは現在進行形で活躍するアーティストだけあって、全体的には今風テクノ・パンク。そして、ここで忘れてはいけないのが、サウンド・クリエーターでもありDJでもあり、最近は日本最大のテクノイベントWIREのオーガナイザーとしての存在が大きく取り上げられている石野卓球の声。彼はもちろん電気のボーカルでもある。去年、先に書いたユニットのライブを見て実感させられたのだが、とても良い声をしている。甘い存在感のあるポップなボーカル。電子音と不思議な取り合わせを聴かせ、それがこのアルバムのオリジナル感を引き出させている。対して川辺ヒロシもSOUL SETでは、見せないもうひとつの彼のサウンドを、このユニットで思う存分表現した感がある。互いにスタイルを確立した“結構イイ大人”な2人が作り上げた遊び心ある真剣作!大人になるためのひとつの指針になるカッコ良さです。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:20 | J-POP

女性アーティストの新たなるスタイルを作り上げた名曲たち

Cyndi Lauper/シーズ・ソー・アンユージュアル 【POP/ROCK】

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200.2.21
¥1,785(税込)
ソニー
ESCA-7858



女性初の全米4曲連続チャートTOP5内を獲得したアーティスト……。このアルバムは1983年のリリース。そのころまで、アメリカでも女性アーティストはあまり台等していなかった事が伺える。彼女がパイオニアだ。日本で彼女の名前が知られた曲「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」は「ハイスクールはダンステリア」という邦題が付けられていた。当時を知っている人はこっちの方がなじみがあるだろが、シンディ本人はこの邦題を後に知り、怒ったらしく、以後曲名表記が変えられた。この曲は元祖女の子から女の子への頑張れソング。キュートに元気に楽しく踊りながら歌うシンディの姿は、女性の自由の象徴のようなものだった気がする。同じく大ヒットしたバラード「タイム・アフター・タイム」は、彼女の楽曲の中で、一番多くのアーティストにカバーされている曲。マイルス・ディビスなどもそうだし、シンディの歌でなくとも誰かのバージョンは、皆耳にしていると思う。そうそう、当時のライブ映像で、この曲を歌う彼女に応え、客席が一斉にペンライト(今はやんないか)を灯した大変美しいシーンを思い出し、胸がジーンとするものです。彼女の活躍のすぐ後にマドンナも現れ、アメリカの音楽シーンは一挙に女性アーティストが活躍する時代に突入する。それも、彼女が女性の新しいスタイルを生み出し、本当の歌を聴かせたからだ。それにしても今作を聴くと、多くの人に支持された名曲はやはり何年たっても名曲なのだと、改めて実感させられます。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:15 | POP/ROCK

デトロイト・テクノの始まりを告げる合図

Derrick May/イノベイター 【R&B/HIP HOP/CLUB】

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1996.4.21
¥3,568(税込)
ソニー
SRCS-7980


川を挟んで向こうはカナダ……そんなアメリカの北東に位置する街デトロイト。そもそも自動車製造産業を中心とした重工業地帯。鉄骨音と機械の作動音しかなったこの街に、1980年代になって新たな音を鳴らし始めた男がいた。デリック・メイだ。彼はこの街の工場で働いている多くの黒人中の一人になるはずであった。ところが高校生のときに友人から進められ聴いたクラフトワークやYMOが人生を変える。ブラック・ミュージックのビート乗せシンセサイザーを駆使して音楽を作り始めたのだ。そのサウンドは、当時イギリスで音楽シーンの新たなる形成を見せていたクラバー、DJの耳に届きヒットとなる。その曲が「ストリングス・オブ・ザ・ストリングス・オブ・ライフ」。高揚感を与えながら感情を吐き出させるそのサウンドは、後に“デトロイト・テクノ”と呼ばれた。そして同時期に活躍していた、彼にレコードを貸した友人、ホアン・アトキンスらによって、そのスタイルは確立された。今作はその彼の2枚組みベスト盤。ただ足跡をたどるだけではなく、未発表音源やケンイシイ、ホアン・アトキンスによるリミックスも収録。世界に初めて鳴り響いたデトロイト・テクノ。全てはここから始まったといえる作品だ。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:10 | SOUL/HIP HOP/CLUB

世界を魅了したフランス発“女”の魅力を知る1枚

Vanessa Paradis/ビー・マイ・ベイビー 【WORLD/JAZZ】

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2000.10.18
¥2,243(税込)
リマーク
UICY-3008


ヨーロッパの男性に一番人気が高いのはフランス人女性なんだとか。理由は“キュートであり自立していて洗礼されているから”。そんなフランス女性の現代の代表アーティストといえばやはりバネッサ・パラディ、この人。5オクターブのとろけそうなロリータ・ボイスで、2ndアルバムでは、フランス・ポップス界のドン、セルジュ・ゲンスブールによる詞の世界を見事に表現して本国を中心に大ヒット。その後、レニー・グラビッツをプロデューサーに迎えて、全詞英語でアメリカ進出を図り、リリースされたのがこのアルバムだ。このころ20歳だった彼女とレニーのロマンスも当時話題だったが、今作を聴くとレニーが彼女になぜ夢中になったかが分かる気がする。ブラック・サウンドにもポップス・サウンドにもあの特徴のある声を巧みに使い分け、見事なボーカルを聴かせてくれるし、フランス訛りの英語が、またタマらない! 小悪魔的ルックスとぴったりはまり、魅力100倍増くらい。最近は女優としての活動が中心。俳優ジョニー・ディップとの間に2児を儲け(籍は入れていない。パラディ=天国という意味の彼女のファースト・ネームをジョニー・ディップが変えたくないからだとか)母となった彼女は、ますます女に磨きをかけている模様。ぜひ、世界中を魅了した彼女の、このアルバムを聴いて“女”を学んでみてください。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:05 | JAZZ/WORLD

ロマン派最後の巨匠が紡ぐシューマンの音世界

クラウディオ・アラウ/シューマン:子供の情景、クライスレリアーナ、森の情景【CLASSICAL】

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2005.6.22
¥1,000(税込)
フィリップス
UCCP-7052


シューマンは、1810年ドイツのツィッカウという街で生まれた前期ロマン派の作曲家です。今作に収められている3つの作品集の内もっともメジャーな「子供の情景」は、一般的に子供に対しての音楽と思われがちなのですが、多くはシューマンの妻であり、10歳以上も年下の恩師の娘、クララとの恋愛中に彼女へ向けて書かれたとされています。2人が出会ったのは、彼が20歳過ぎクララは10歳にも満たなかったころ。彼は恩師の娘として彼女の成長を見守ってきました。そして年を重ねていく中でも、子供のような純真な心を持ち続けているクララに対して“あなたはいつまでも子供のような人だ”と言って捧げられたのが名曲と名高い「トロイメライ」。その優しい思いが伝わってくる1曲です。またその他にも同時期に、今作に収録の「クライレリアーナ」など数々の名曲を生み出しています。そんなシューマンの作品をピアノで奏でるのは“ロマン派最後の巨匠”と呼ばれたクラウディオ・アウラ。多数のロマン派作曲家の名演を聴かせる彼の70歳前後のときの演奏を録音したものですが、若さだけは表現できない、愛情などの人として大切な心情を十分に熟知した上での、美しき音の世界を展開させています。ドイツの森の情景を思い浮かべる繊細な旋律を輝くような音色で奏でる。しっとりとした思いを馳せながら聴いて欲しい1枚です。

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by switch-theme | 2006-06-27 00:00 | CLASSIC

新宿から生まれた日本のロックシーンを語る150曲!

Various Artists/ROCK is LOFT 【NEW RELEASE】

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2006.6.14
¥3,000(税込)
東芝EMI
TOCT-26069/ 他4タイトル



西新宿の片隅にあったライブ・ハウス、新宿LOFT。1976年の開店から今日まで、数え切れないほどのバンドがステージに登場し、ライブを行ってきた(1995年区画整理のため店の場所を移動し、店名もLOFT/PLUS ONELOFTに変更)。そんな活動30周年を迎えた2006年、5つのレーベルから、それぞれ新宿LOFTに馴染みのあるアーティストの楽曲30曲づつ(2枚組み)をセレクトしたコンピレーション・アルバムが発売された。その数、計150曲。とにかく驚くべきなのは収録曲だ。日本のロックシーンを知っている人は、感嘆を挙げずにいられない。一部のニュー・フェイスを除き、日本のロックシーンを硬派に作り上げてきた、いずれも劣らぬツワモノばかり。特にこのライブハウスは、1981年BOOWYが初ライブを行い、その後もホームグラウンドにしていたことが、彼らのブレイク後に世間に知れ渡り、折のバンドブームと共にその存在はメジャーになった。1980年代以降においては、アマチュア・ロック・バンドにとって憧れであり、またその後、メジャーなシーンで活躍するアーティストになっても、幾度となくライブに戻ってくる。いわばロックの聖地と呼ぶに値する場所だ。その理由は、このコンピを聴けば理解できるだろう。日本のロック・ヒストリー。推して知るべし。

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by switch-theme | 2006-06-19 15:25 | NEW RELEASE

ジャンルレス・・ハードコアバンドの新旗手が生み出したニュー・ノイズ!

Struggle For Pride/ユー・バーク・ウィ・バイト<通常盤> 【J-POP】

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2006.5.17
¥2,500(税込)
tearbridge records
NFCD-27018



かねてより、ロック界のみならずクラブ界隈でも話題になっていたジャンル・レス・バンド、Struggle for Pride。ハードコア、HIPHOP、ハウス、テクノを全てノイズでブレンドした圧縮サウンドを聴かせる彼らは、現在までライブを中心に活動。音源リリースはスプリット盤などしかなく、フル音源の完成が待たれていた。そんな中、とうとうリリースされたのがこの1stアルバムだ。轟音でありながらも、音に身を任せ、ずっぽりと沈み込んでいく感が、かなり心地よい。それは“動の中の静”とでも言おうか。BOREDOMSなどのサウンドで聴いて取れる、ある一定の音圧ラインになると、轟音が静になるというサウンド。そのポイントを見極めた音作りと言っていい。これには、エンジニアを務めたIllicit Tsuboiのさじ加減も大きいように思う。また、今作にはカヒミ・カリィを始め漢&麻暴from MSC、ABRAHAM CROSS、S-ONE THE GANGSTA(SCRAMBLE CROSSING)、TERA-P & D.O(えん突ENTERTAINMENT)ら多彩なゲストも参加。余すところ無く敷き詰めれたノイズに時折からむ彼らのボイスとボーカル今里の叫びに、一挙覚醒され飛んでいくもよし! 聴き入るもよし!

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by switch-theme | 2006-06-19 00:20 | J-POP

パンクって何だ!? そんな疑問に対してのLAからの確信的回答

The Germs/M.I.A.: The Complete Anthology 【POP/ROCK】

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2000.10.17
¥2,290(税込)
Slash
79954



現代のアメリカのパンクシーンには、さまざまなジャンルの音楽がミックスされている。“ギターは絶対スラッシュだよね”とか“テクノ好きだよね”といった具合だ。では、そもそもパンクとは何なのか? そんな事はどうでも良いとは言うなかれ。足し算が出来なきゃ、お金の管理もできない。そんな足し算の様なバンドが、1970年代後半、LAを中心に活動したこのバンド、The Germsだ。当時のロックアイコンには、演奏の上手さなんて大した問題ではなかった。そこに必要なのは音と人の“カッコ良さ”。さて、人のかっこよさ=破天荒で生き急ぐ、といった風潮が当時の基本。ドラック漬けで早死、パンクと言えばそういうもので、その不安定さ(もっと言えば駄目さ加減)が当時の若者を熱狂させた。それを地でやったのは、ボーカルのダービー・クラッシュ。1980年に22歳の若さでドラックの過剰摂取による自殺してしまった。彼を追っての自殺者も出現する程の伝説を生み出した。さて、音の方。早口でガナリ立てながら“歌とメロディ”を生み出すボーカルに、荒々しくアーシーなギターが常に鳴り響く。これでOKだ。後にニルヴァーナへの参加で知られるパット・スミアの初期ギターはまさにソレ。そうやって、LAパンクのレジェンドとなり映画にもなった。このアルバムは、そんな彼らのベスト・アルバム。短く太く生きたThe Germsの生き様をダイジェストで体験できる(ライブ音源もあり、当時の空気感も感じとれる)。また今年、25年ぶりにボーカルを除く3人のオリジナル・メンバーで再結成を発表。先に紹介した映画で、ダービー役を務めたシェーン・ウエストをボーカルに迎え、アメリカ縦断パンク・サーキット・ツアー“WARPED TOUR 2006”に参加するという。今再び彼らの存在を再確認する時がきたようだ。

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by switch-theme | 2006-06-19 00:15 | POP/ROCK

世界NO1であり、ONLY 1である所以を学ぶ1枚

Michael Jackson/Thriller[Remaster] 【R&B/HIP HOP/CLUB】

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2001.10.16
¥2,405(税込)
Epic
66073


先日の突然の来日騒動で、レッドカーペットの上を歩いている姿やおもちゃ屋で買い物している姿をテレビで見た人も多いだろう。このアルバムは今から24年前の1982年にリリース、5,100万枚という世界一の売上を記録してグラミー賞で史上最多8部門を受賞した。ここで画期的だったのは、奇抜なビジュアルによるダンス・テクニックを映像により紹介するという手法で音楽業界に革命を起こしたこと。プロモーション・ビデオ全盛時代の幕開だ。しかし、そういったトピックス的要素を抜きにしてもこのモンスター・アルバムを聴き直すとマイケルの本当の魅力を確認できる。プロデューサーのクインシー・ジョーンズと共に作り上げた、ブラック・ミュージックを基調とした卓越したメロディとリズムワーク、驚異的なピッチを持つボーカル……。近年では、音楽活動より奇怪な行動が何かと話題になってしまった感があり、その彼の一連の不可解な行動に“普通の人はこんなことしませんよね”と否定的な意見を言っている常識人もいるが、10歳でJACSON5としてデビュー、すぐさまアーティストとしてブレイク。その後も世界のスーパースターとしてブラック・ミュージック界にのみならず、音楽の世界に新たなる時代を作り上げた人に“普通”はない。彼と同じような人生を歩んだ人は、この世に一人もいないのだから。“NO1でありONLY 1”という言葉の本当の意味をじっくりと学べる作品だ。

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by switch-theme | 2006-06-19 00:10 | SOUL/HIP HOP/CLUB




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