MUSIC [THEME REVIEW]

カテゴリ:JAZZ/WORLD( 39 )

Johnny Pacheco/A Man And His Music: El Maestro

ラテン・ミュージックが世界に羽ばたいた記念碑
Johnny Pacheco/A Man And His Music: El Maestro【WORLD】


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2006.10.24
¥2,720(税込)
Fania (USA)
130 007


1960年代、モータウンというレーベルが黒人解放運動を相俟って、ブラック・ミュージックを一挙にメジャーにした。それに対するかのように、ラテン・ポップスを、世に知らしめ、アメリカにて一世を風靡したレーベル“FANIA”の創始者であるジョニー・パチェーコがいる。彼がいなければ、今日のようなサルサなどの音楽を身近に感じることはできなかったかも知れない。当時のレーベルの勢いは、日本のような独占禁止法という法律があれば違反してしまうほどの席捲ぶりであったとか。現在私達が認識しているサルサを始めとするラテン・ミュージックの基礎には、キューバの民族音楽といえるホーン・セッションを含むサウンドに、ドミニカ人からアメリカに渡った移民であるジョニー・パチェーコとそのグループであるファニア・オール・スターズが独自の感性で、様々なラテン・ミュージックを融合させ、プエルト・リコ人からの支持も得て作り上げたものと言ってよい。今作は、そんな彼の上げた功績の活動50周年を記念してリリースされた2枚組みベスト盤の全曲リマスタリング作。これにて、近年のサルサ・ミュージックの根っ子が濃縮されているといえる大切な1枚なのだ。

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by switch-theme | 2007-03-05 21:03 | JAZZ/WORLD

Charlie Parker/ジャズ・アット・マッセイ・ホール

近代的ジャズの創世記を綴った記念碑
Charlie Parker/ジャズ・アット・マッセイ・ホール【JAZZ】


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2006.6.21
¥1,800(税込)
デビュー
VICJ-41561


今僕らが“ジャズって何?”って尋ねられた時に、真っ先に思い浮かべる音って多分“モダン・ジャズ”という分類の音なんじゃないかな、って思う。じゃ“モダン・ジャズって何?”ってことなんだけど、一言で“アドリブ・ミュージック”と表現することができる。すなわち“演奏するその場の雰囲気やアーティストのその時の心境によって、インプロヴィゼーション(即興)で作られる音楽”がそれ。もちろんジャズ誕生と同時にこのスタイルが生まれた訳では無く、完成まで色んな紆余曲折を繰り返した訳で。モダン・ジャズが生まれるまでのトラディショナルは所謂“ビッグバンド・サウンド”というもので、基本的には各楽器、各パート毎に楽譜があってその通りに演奏するものだったのだけれど、1950年代、ある黒人プレイヤーがそうした型にはまったバンド・スタイルに飽き飽きして演奏途中に突然楽譜を自分流にアレンジして演奏し始めた。バンド・マスターはカンカンに怒ってその男を即刻クビにしたんだけど、男はその方法がとても気に入ってそれ以来即興で演奏するスタイルを模索し始めた。それが“モダン・ジャズ”の創世であり、そのアーティストこそがここに紹介するチャーリー・パーカーなのです。もちろん新時代の音楽を創る作業をたった一人の人間で為し得る訳も無く、同時多発的に同じような感覚をもったアーティストが現れたからこそなんだけど、このアルバムはそのパイオニア達が一堂に介し歴史的価値のある演奏を録音したモダン・ジャズ史を語る上で決して忘れることは出来ないアルバムなんだ。ある意味モダン・ジャズ誕生を記したアニバーサリー・アルバムといっても過言ではない作品なのです。

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by switch-theme | 2007-02-23 14:01 | JAZZ/WORLD

Mariana Baltar/ウマ・ダマ・タンベン・ケル・シ・ヂヴェルチール

春の訪れが待ち遠しくなる今注目のボッサ
Mariana Baltar/ウマ・ダマ・タンベン・ケル・シ・ヂヴェルチール【WORLD】


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2007.1.22
¥2,625(税込)
Rip Curl Recordings
RCIP-0103


男性より圧倒的に女が存在感を放つ、女性的なサウンドの代表、ボサノヴァ。ソフィスケイトされたアコースティック・ギターの音は、つぶやくようなポルトガル語と慰めてくてるような優しい女性の声が良く合う。さらに、南米の女性はなんて、美しい人が多いのでしょうか?きれいなお姉さんが、優しく(時に激しく)愛を囁く……。女性でも微笑んでしまいます。さて、そんな両方を兼ね添えた今ブラジルで大注目のアーティストが彼女、のマリアーナ・バルタール。日本でリリースされたばかりのこのデビュー・アルバムは、サンバの大名曲から、ジョアン・ボスコの「Bala com bala」、ジョルジ・ベンジョールの「Zumbi」まで幅広くカヴァーしたもの。さらに、参加ミュージシャンが、本国や、その筋がお好きな人なら必ず一度は耳にしているだろう、本格派ミュージシャンで固められています。そんな中、圧倒的な存在感を見せ付ける、柔らかでコケティッシュなヴォーカル。これから、春が待ち遠しくなるような、温かみのある1枚です。

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by switch-theme | 2007-02-05 12:36 | JAZZ/WORLD

Norah Jones/Not Too Late

幅広い音楽性の底辺に横たわる女性的な感性
Norah Jones/Not Too Late【JAZZ】


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2007.1.24
¥2,500(税込)
東芝EMI
TOCP-70170


2003年第45回グラミー賞では主要4部門を含む8部門を受賞、受賞後発売された2ndアルバム「フィールズ・ライク・ホーム」は全世界で1,000万枚を超えるセールスを記録。今やジャズだけで無くポピュラー・ミュージック・シーン全般で知らぬ者はいないほどの知名度を誇るノラ・ジョーンズ。ジャズだけでなくカントリー、フォークなど牧歌的なアメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにした幅広い音楽性が彼女の魅力ではあるが、その音楽の底辺に横たわる女性的な感性、瑞々しく柔軟で、優しく軽やかなノラ・ジョーンズという女性そのものを全投影したサウンドこそその魅力の本質であることは誰もが認めることだろう。さて、そのノラ・ジョーンズ、デビューから約5年を経てまた大きな成長ぶりを窺わせる最高傑作が遂に完成。リチャード・ジュリアンらと結成したバンド=リトル・ウィリーズの活動で培われた新しい音楽的アプローチも取り入れ、また全曲レベルで彼女自身が作曲に関与し並々ならぬ気合が窺える。尚、プロデュースを担当するのはリトル・ウィリーズのメンバーでもあるベーシスト、リー・アレクサンダー。

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by switch-theme | 2007-01-25 10:34 | JAZZ/WORLD

Shin Seung Hun/The Romanticist:Shin Seung Hun Vol.10

バラードの帝王が贈る究極の“ロマンテック”
Shin Seung Hun/The Romanticist:Shin Seung Hun Vol.10【WORLD】


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2006.10.12
¥1,924(税込)
Seoul Records
SRCD3918


韓流ブームもまだまだ覚めやらぬ今日この頃……やはりこの人を忘れてはいけないでしょう! 韓国でバラードの帝王といわれるシン・ソンフォン。日本では映画『猟奇的な彼女』の主題歌でヒットを飛ばし、多くのファンに聴き入れられることになりましたが、韓国ではデビュー16周年を迎えた国民的ベテラン・アーティスト。そんな彼の2006年10月10日にリリースされた10枚目のアルバムが今作。元々ミディアム・テンポのスィート・ソングを甘く歌い上げるのがお得意な彼なのに、さらに今作はコンセプトが“ロマンテック”。ちょっとエスニックな曲からピアノ・バラード、アコーステック・ギターで歌い上げるフォーキーな楽曲などなど、どこを聴いても、日本人の琴線に触れる楽曲ばかり。さらに韓国のアーティストは、往々にして日本よりリズム感がものすごく良い。だから今作もバラード主体なんだけどやはり、リズムが立っていて、音楽にとても身が任せやすいのです。メロディとリズムがピッタリと合い、優しさと切なさが伝わってくる感じ。それにしてもこの声は、“語り”だけのポエトリー・リーディングなんかだけでも、超ゾクゾクものだと思います。

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by switch-theme | 2007-01-12 11:23 | JAZZ/WORLD

Louis Armstrong/この素晴らしき世界

ありとあらゆる愛に溢れたこの壮大なるラヴ・ソング
Louis Armstrong/この素晴らしき世界【JAZZ】


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2003.4.23
¥1,995(税込)
デッカ
UCCU-5027


もはやラヴ・ソングとは“恋愛讃歌”というのが定番というか一般常識化した感もある昨今。でも、そうじゃなく、もっと広義な意味での“愛”のメッセージを伝える楽曲も間違いなくラヴ・ソングですよね?ということで、ここではジャズ界屈指のエンターテイナーであるトランペッター&ヴォーカリスト“サッチモ”ことルイ・アームストロングの代表作“What A Wonderful World”をご紹介。“この世の中は素晴らしいかい?”という若者の問いにサッチモはこう答える“君達が思うほど世界はそんなに悪くはないと思うよ。世界を素晴らしくするのは……そう愛だよ。僕たちがもっと愛しあえば世界は素敵に変わるんだ”。そして眼前に広がるありきたりの日常の風景を語り始める。今のこの世の中、“何かが足りない”と思っている人はきっと大勢いるはず。それは“愛”だということに気付いていても気恥ずかしくてなかなか言葉に出来ずにいる。そんな時こそ音楽の力を借りてみよう。人生讃歌であり、自然讃歌であり、ありとあらゆる愛に溢れたこの壮大なるラヴ・ソングに耳を傾けてみませんか?そして感じてみませんか?“この素晴らしき世界”を。


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by switch-theme | 2007-01-05 14:56 | JAZZ/WORLD

Julio Iglesias/ロマンティック・クラシックス

ヨーロッパ映画の主人公気分な極甘な大人のヒミツ
Julio Iglesias/ロマンティック・クラシックス【WORLD】


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2006.9.20
¥2,520(税込)
ソニーレコード
SICP-1147


“世界の恋人”と称され、現代屈指のプレイボーイとしても名高いフリオ・イグレシアス。スペインのガリシア州出身のラテンの男です。郷ひろみがカバーした「黒い瞳のナタリー」のオリジナル・アーティストであるといえば、そのサウンドはご理解いただけるでしょう。その本家本元による、曲冒頭の“ナタリィ~”は、名前呼んだだけなのに、彼がナタリーに恋をしているのが分かります。愛を語るに相応しいそんな歌声を持つ彼が、ポップ、ロック、カントリーの名曲の数々を、英語で歌うカバー・アルバムがこれ。プロデューサーにアルバート・ハモンドとロバート・ブキャナンを迎え、ロサンゼルスとプンタ・カナでレコーディングされた今作は、どこを聴いてもタイトル通りの“ロマンティック・クラシックス ”。日本ではムード歌謡のカテゴライズされがちですが、今作はワム!の「ケアレス・ウィスパー」をカバーしたりと、本来の彼のサウンドよりグッとポップス寄りになっています。けれども、あのラテン男特有の絡みつくようなしっとり、ねっとり感をやっぱり感じずにはいられないこのサウンドは、個人的には昼でも夜でも海辺の少し潮を含んだ風に吹かれながら聴いて欲しい。船の上とかのデートにぴったりきそう。スカーフを巻いてヨーロッパ映画の主人公になってみましょう。

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by switch-theme | 2006-12-29 11:19 | JAZZ/WORLD

L.A. WORK SHOP/ノルウェイの森

忘れていた純愛の切なく苦しい気持ちを喚起させてくれる
L.A. WORK SHOP/ノルウェイの森【JAZZ】


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2006.09.27
¥2,500(税込)
コロムビア
COCP-50949


ラヴ・ソングを挙げたらきりが無いのがジャズの世界、ジャズの楽曲ですが、ここに紹介する作品は視点を変えて純愛小説をモチーフにそこに登場する音楽を小説の持つ世界観を損なわずに再現してしまったというコンセプト・アルバム。モチーフは作品タイトル通り村上春樹の中期代表作となった1987年書き下ろし作「ノルウェイの森」。作品の中で主人公の恋人とされる少女が入所していた治療施設の同居人レイコさんがギターで奏でていた楽曲を、LAとNYを代表する実力派ジャズ・ミュージシャンが完全再現したもの。小説の大ヒットにあわせ、スティーヴ・ルカサー、リー・リトナー、リチャード・ティー、ジェフ・ポーカロ、ジョー・サンプル等の参加も大きな話題を集め発売時には10万枚以上の大ヒットを記録。“And I Love Her”“Yesterday”“Michelle”etc・・・小説「ノルウェイの森」さながらに奏でられるビートルズの名曲は小説の世界観をいやが上にも思い出させ、大人になって忘れていた純愛の切なく苦しい気持ちを喚起させてくれるでしょう。このアルバムを聴きながら小説を読み返したらきっと貴方も純愛をもう一度なんて思うに違いありません。ちなみにタイトル曲「ノルウェイの森」は、この作品の続編に収録されています。そちらも併せてどうぞ。

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by switch-theme | 2006-12-19 18:38 | JAZZ/WORLD

Bebeto Castilho/アメンドエイラ(アーモンド)

余裕のある素敵な大人に甘えたい……
Bebeto Castilho/アメンドエイラ(アーモンド) 【WORLD】


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2006.9.20
¥2,625(税込)
NRT
DDCN-3004


のっけからテンポのよいエレピの音が、ものすごく心地いい!軽いリズムとヴォカールが絡むように奏でられるボッサ・サウンド。ジョアン・ジルベルトも賛辞を寄せた少しスモーキー・ヴォイスのベベート・カスリーチョは、自分の声にぴったりの音を分かっていらっしゃる。今作は、ナイキのCMで使用された「マシュ・ケ・ナーダ」でも知られるタンバ・トリオのリード・ヴォーカル、ベース、フルート奏者の彼による30年ぶりのソロ作です。彼の甥でもあるリオの人気バンド、ロス・エルマーノスのマルセロ・カメーロと、今のブラジルを代表するカシンをプロデューサーに迎えた今作は、彼等の書き下ろし楽曲に加え、ボサノヴァのルーツにあたる1940~50年代の小粋なサンバを中心に構成されている。1音1音選び抜かれたであろう楽器音で、ジャズ・ボサやサンバをさり気にミックス。どこから聴いても洒落た大人の心意気を感じさせます。本当の大人にしか出せない余裕。素敵な大人に優しく癒されたいとか思っているアナタ!遠慮しなくてもいいのです。思い切り甘えてみてください、このサウンドに。

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by switch-theme | 2006-12-11 13:39 | JAZZ/WORLD

鈴木正人/UNFIXED MUSIC

何度も楽しめる頭のリザクゼーション
鈴木正人/UNFIXED MUSIC 【JAZZ】


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2006.11.22
¥2,600(税込)
intoxicate records
INTD-1010


これは難解な……。リトル・クリーチャーズのベーシストであり、数々のアーティストを手がけるプロデューサー/アレンジャーであり、キーボディストとしての腕前も披露する鈴木正人が、キャリア16年目にして初めてソロ作をリリースしました。独特の井出達と語り口調、マイペースに不動のスタイルを守りつつ、どこかつかみどころがない。そんな彼を知る人ならば、この難解なサウンドに“らしい”といった感想を漏らしそうです。一見人当たりのよさそうな感触の音を、複雑怪奇に組み合わせするあたり、まさに“らしい”じゃないですか。さらにバークリー音楽院に留学してジャズを学んだ彼なのですが、その基本理論がどういった形で今作に昇華されているのかもひどく難解。こう書くと、どこが身体にいいのか?と突っ込まれそうですが、この立体的に組み合わされた音の深みを聴き入ると、眉間にシワをよらせて硬くなったストレス頭が、静かに解けていくような気がしてきます。多分、凡人には一筋縄では解読できない秘密が、このアルバムに隠されているんじゃないでしょうか?その謎解きには、一度素直に聴き入り力が抜けた頭でリフレッシュしてから挑戦してみてください。そうやって、何度も楽しめる作品です。

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by switch-theme | 2006-12-04 11:48 | JAZZ/WORLD




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