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聴いておきたいディスク6枚 '06.Jun

山崎まさよし『ADDRESS』

聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17455959.jpg山崎にとって10年とは、その才能と裏腹に七転八倒を絵に描いたような時間であり、アルバムにはいつも彼の悩みと迷いが無防備なまでに表れていた。そして11年目の幕を開けるこの新作でも、山崎は悩んで迷っている。しかしその筆致は、ギターは、明らかに昔と異なる。もっと言えば他者への眼差しも、物語の語り口も、である。有り体な言い方でも、やはりその正体は10年で彼が培った表現者としての腕力だ。だからこのアルバムには鳥もさえずれば清々しい風もそよいでいる。変わらない男は、しかし確実に熟れはじめている。そんな彼の近況がこの新作を鳴らしている。(内田正樹)
UPCH 1497/ユニバーサル ¥3,059(tax in)






クラムボン『LOVER ALBUM』


聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17463375.jpg前作『てん 、』では同内容のモノラルミックスとステレオミックスの2枚組という、メジャーではあり得ないようなこだわりを突き通した「ロック」バンド、クラムボン。新作はコンピレーション等で発表したカバー曲に新録曲を合わせた初のカバーアルバムとなった。ビートルズから矢野顕子、フィッシュマンズ、真心ブラザースにソフト・マシーンなど全くとりとめのない選曲だが、故に彼らがそれぞれの楽曲に込めた愛の深さが感じられる。もともと音楽的な基礎体力は相当備えているだけに、好きな曲を好きなように演る、というなんのヒネリもないシンプルな発想が活きた快作。(菅原 豪)
COCP-50924/トライアド ¥2,940(tax in)





小谷美紗子『CATCH』

聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17465758.jpg永遠のピアノ・ガール小谷美紗子が辣腕リズム隊と出会い、ノリノリで作ったことが伝わってくるアルバム。楽しくて仕方がない、という気分が歌声の端々から漏れてきて、聴いている方もアップする。これまで彼女一人で背負ってきたものをトリオで受け止め、束ねた矢のごとき力強さを発揮。当然、曲づくりからこれまでとは違う。弾き語りが完成型だった情念系のものからバンドサウンドを意識した乾いたサウンドへと変貌を遂げた。と同時に歌詞の温度も急速冷却。それにチャーミングな声。フィオナ・アップル好きは是非聴いて欲しい。日本にもこんなにスゴい女性シンガーがいる。(東屋雅美)
HLMCD-003/HIP LAND MUSIC ¥2,205(tax in)





豊田道倫『The 東京の恋人 LIVE』

聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17472680.jpgずいぶん豊田道倫のライブを観ていないなと、このライブ盤を聴いて思った。豊田の一度聴いたら忘れられない独特の歌声、人の心の奥深い部分に刺さる残酷で美しい歌詞、それを纏う濃いねっとりとした空気、ライブならではの実験心、ノイズ、繊細な音の連なり、そこに響く豊田の叫び。東京の片隅のライブハウスで、聴いている観客もみな一人一人が黙り込んで、心で聴く、都市で生きる人間の日々の歌を。このライブ、バンドメンバーの豪華さも聴き所のひとつだが、それよりも何よりも、豊田道倫のライブを観たいと思った。あの、空間は、他の音楽家にはとても作れない。(川口美保)
WEATHER 076/WEATHER (HEADZ) ¥3,500(tax in)






コリーヌ・ベイリー・レイ『コリーヌ・ベイリー・レイ』

聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17474642.jpgオーガニックなサウンド、フェミニンな女性ボーカルのUKソウル……とくれば、ふと思い出すのは、日本ではフリーソウルの文脈で再発見されたリンダ・ルイスだ。そして、リース出身の新人シンガーソングライター、コリーヌ・ベイリー・レイもまた、アメリカ産のR&B、あるいはニュークラシックソウルとも一定の距離感を持って、オリジナルなスタイルを築いている。このコリーヌ嬢、ソロになる前にはヴェルーカ・ソルトやL7などに影響を受けてロックバンドをやっていたという。なるほど、"どっぷりブラック"でないセンスは、そういうキャリアからくるものなのかも。(猪野 辰)
TOCP-66600/東芝EMI ¥1,980(tax in)





トム・ヨーク『ジ・イレイザー』

聴いておきたいディスク6枚 \'06.Jun_b0071696_17482348.jpg突如発表されたレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークによる初ソロ作。試聴前は硬質でマシーナリーな実験心溢れたものを想像していたが、収録されていたのはいかにも「ソロ作」らしい、トム・ヨークという人間のパーソナルな部分に触れたような生々しさが感じられるものだった。ほとんどエフェクターがかかっていない、素に近いトムのボーカルを全9曲フルで聴けるというだけで充分満足だが、楽曲的にもかつての『KID A』を彷彿とさせつつ、ボイスパーカッションをフィーチャーした曲やジョイ・ディヴィジョン風の曲など、聴いていて思わず頬が緩んでしまう。素晴らしい。(菅原 豪)
WPCB-10001/Beggars Japan ¥2,580(tax in)
by switch-music | 2006-06-19 00:00




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