35 渡るべき多くの河

一九五五年に『アーゴシー』という雑誌に発表した短編ないしは中編を、著者のスティーヴ・フレイジーが長編へとアダプトしたものだという。スティーヴ・フレイジーは西部劇小説のペーパーバックでしばしばその名を目にしたひとりだ。あるとき古書店に大量に引きとってもらった西部劇小説のなかに、スティーヴ・フレイジーの作品もたくさんあっただろうと思う。まぎれ込んで残っていたものが何冊かあった。そのなかの一冊、『ランデヴー』も、表紙を写真に撮ってみた。この場合のランデヴーは、指定集合地、といった意味だ。この表紙もいい。絵は裏表紙までまわり込んでいる。だから表紙を左右に開いた様子も、写真に撮った。表紙の良さだけで選んだ西部劇小説を、売らずにとっておけばよかった、といまになって僕は後悔している。

by yoshio-kataoka
| 2006-09-11 11:16