33 モーターサイクルとモビー・ディック
「モーターサイクルとは主として知的な現象である」とこのベストセラーの著者は言う。正しく機能するようにメインテナンスされた一台のモーターサイクルは、燃料と電気それにオイルさえあれば、その内部に推進力という力を持つ。そしてその力は、モーターサイクルという機械を作り上げた、理性そのものなのだ。だからモーターサイクルという機械を、正しい態度で正しくメインテナンスするなら、その人はモーターサイクルという理性の過程の一部分となり、そのことをとおして心の平静さに到達し、そこに真の自分を見ることが出来る。自分を見つける男の話を、モビー・ディックのアナロジーとして、このような一冊の本へと書き上げることもまた、著者にとっては自分の発見だったのだろう。僕が持っているバンタム・ブックスの、一九七六年第十五版の表紙はつまらないデザインなので、裏表紙にある絵を写真に撮ってみた。自己発見の旅というものをわかりやすい絵にするなら、こうもなるだろう。
by yoshio-kataoka
| 2006-08-28 13:39



