ペーパーバックの数が増えていく TEXT+PHOTO by 片岡義男

2 ベスト・テンの第十位に

b0071709_20184885.jpg おそらく一九八十年代の初め、名前をまるっきり覚えていない雑誌から、「アメリカのハードボイルド小説のベスト・テンをあげてください」というアンケートの依頼を僕は受けた。それぞれの作品に短い言葉を添えつつ、十冊をベスト・テンとして選ぶのだ。ベスト・テン、あるいは、自分にとってのこの一冊、といったアンケートないしはエッセイ原稿を、僕は不得意としている。しかしそのときはなぜか引き受け、僕なりのベスト・テンを作った。
 そのときに第十位にあげたのが、ウィリアム・R・スコットという作家の、『ハンガー・マウンテン』だった。一九五五年にデル・ブックスというペーパーバックの、書き下ろしシリーズで刊行された。僕が読んだのは二十歳くらいの頃ではなかったか。感銘を受けた僕は、これはとっておこう、ときめてそのとおりにした。だからいまでもある。

b0071709_201901.jpg 僕が読んだのを写真に撮ったあと、まだ小さいサイズだった頃のデル・ブックスの山のなかから、もう一冊、見つけた。だから二冊を重ねてもう一度、写真に撮ってみた。両方を掲載しておきたい。一冊と二冊とでは、雰囲気がかなり違ってくるはずだ、と思うから。
by yoshio-kataoka | 2006-05-02 10:05




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