art

触れておきたい展覧会2本 '06.Dec

帰ってきた日本のサブ・カルチャー:ボロボロドロドロ展

触れておきたい展覧会2本 \'06.Dec_b0071700_15444440.jpg帰ってきた日本のサブ・カルチャー:ボロボロドロドロ展@ワタリウム美術館/開催中(1/28まで)月曜休館
www.watarium.co.jp

なにしろタイトルに惹かれる展覧会。ニューヨーク在住の河井美咲とテイラー・マッキメンスという二人の若手作家の心象風景には、確実に日本のカルチャーが根づいていて、アメリカ育ちのマッキメンスにとっての日本とはすなわちマンガなのだという。日本人顔負けにマンガに通じる彼は、敬愛するマンガ・アーティストを招いたドローイング・パーティも企画した。子供の落書き&工作風の「ボロボロ」した河井の作品に対し、マッキメンスは文字通りドロドロと頭の解けるオリジナル・キャラを描く。マンガという世界言語を持ち出すまでもなく、今やお馴染みとなったドローイングで自然に表現できる作家達が、こうも国境に関係なくごたまぜになっている事態が、面白い。思えば、欧米偏重型だったほんの十年前までのアートシーンからは考えられない状況で、感慨深い。(宮村周子)




「シアター・プロダクツの現場」展

触れておきたい展覧会2本 \'06.Dec_b0071700_15445390.jpg「シアター・プロダクツの現場」展@パルコ・ミュージアム/1/12〜1/29 会期中無休
www.parco-art.com

5周年を迎えたファッション・ブランド、シアター・プロダクツが、コレクションのアーカイブをはじめ、撮りおろしのファッション写真やインスタレーションを展開する。とはいえ、コレクション毎に音楽、コンテンポラリー・ダンスなどさまざまなジャンルの表現とのコラボレーションで人々を楽しませてきた彼ららしい、一筋縄ではいかない創意溢れる趣向が用意されている。たとえば、シアター・プロダクツの仕事現場をそのままステージにあげてしまう試み。つまり会場内に電話やファックスを引き、デザイナーが毎朝出社してデザインし、プレスはスタイリストのリース受付や打ち合わせをする……という、まさに「劇場型」のドキュメンタリーを敢行する模様。また、これまでの活動の記録を余すことなく収録した書籍(リトルモア刊)も、本展の開催にあわせて刊行される。(猪野 辰)
by switch-art | 2006-12-19 00:00




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