触れておきたい展覧会&DVD '06.Jul
『さよならナム・ジュン・パイク展』
『さよならナム・ジュン・パイク展』@ワタリウム美術館/開催中(10/9まで)
http://www.watarium.co.jp/
メディアといえば、いまやコンピュータやインターネット・サイトが最もはずせない代名詞で、デジタル社会における実体感のなさがますます加速している今日この頃。それでもほんの三、四十年前までは、メディア・アートといえばテレビやビデオ映像が定番で、その先駆的表現者が、韓国出身のナム・ジュン・パイクだった。2006年1月に亡くなった氏を追悼する展覧会を一巡し、あらためてテクノロジーの発展の早さと、根底にある人間の変わらなさについて思った。前衛音楽、美術、哲学に通じ、フルクサス運動に参加したパイクの代表作は、ビデオ映像を流し続けるテレビを積み上げたインスタレーションなどだ。それらがロボットや衛星放送、YouTube的リミックス映像やネット社会など、今の世の中を予見して、あえてローファイ手法で人を戯画化しているのに驚かされる。彼は文明を考え、瞑想する装置をつくろうとしていたのかもしれない。(宮村周子)
ボブ・ディラン『ノー・ディレクション・ホーム』
DVD ボブ・ディラン『ノー・ディレクション・ホーム』
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン/¥4,935(税込) 2枚組 発売中
音楽のみならず、その発言や行動が井上陽水やみうらじゅん等日本のアーティストにも多大な影響を与え続けるボブ・ディラン。その彼の人生を、映画『ラストワルツ』の監督としても知られる巨匠マーティン・スコセッシが映画化。公民権運動や反戦活動の起こった60年代の揺れ動くアメリカ社会を背景に、レア音源やライブ映像、貴重なインタビューを基に構成される本作は、ディランがいかにかっこよく、本物なのかということを、当時の彼を知らない現在の若い世代にもわかりやすく伝えてくれる。「君はどう思ってる?」 アコースティックからエレキギターに持ち替えファンから激しいブーイングを浴びた65年の伝説のライブ後、ツアーで訪れたヨーロッパ各地での記者会見の場で、まぬけな質問ばかりするインタビュアー達にそう聞き返す彼の姿が印象的である。(鈴木久美子)
『さよならナム・ジュン・パイク展』@ワタリウム美術館/開催中(10/9まで)
http://www.watarium.co.jp/
メディアといえば、いまやコンピュータやインターネット・サイトが最もはずせない代名詞で、デジタル社会における実体感のなさがますます加速している今日この頃。それでもほんの三、四十年前までは、メディア・アートといえばテレビやビデオ映像が定番で、その先駆的表現者が、韓国出身のナム・ジュン・パイクだった。2006年1月に亡くなった氏を追悼する展覧会を一巡し、あらためてテクノロジーの発展の早さと、根底にある人間の変わらなさについて思った。前衛音楽、美術、哲学に通じ、フルクサス運動に参加したパイクの代表作は、ビデオ映像を流し続けるテレビを積み上げたインスタレーションなどだ。それらがロボットや衛星放送、YouTube的リミックス映像やネット社会など、今の世の中を予見して、あえてローファイ手法で人を戯画化しているのに驚かされる。彼は文明を考え、瞑想する装置をつくろうとしていたのかもしれない。(宮村周子)
ボブ・ディラン『ノー・ディレクション・ホーム』
DVD ボブ・ディラン『ノー・ディレクション・ホーム』
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン/¥4,935(税込) 2枚組 発売中
音楽のみならず、その発言や行動が井上陽水やみうらじゅん等日本のアーティストにも多大な影響を与え続けるボブ・ディラン。その彼の人生を、映画『ラストワルツ』の監督としても知られる巨匠マーティン・スコセッシが映画化。公民権運動や反戦活動の起こった60年代の揺れ動くアメリカ社会を背景に、レア音源やライブ映像、貴重なインタビューを基に構成される本作は、ディランがいかにかっこよく、本物なのかということを、当時の彼を知らない現在の若い世代にもわかりやすく伝えてくれる。「君はどう思ってる?」 アコースティックからエレキギターに持ち替えファンから激しいブーイングを浴びた65年の伝説のライブ後、ツアーで訪れたヨーロッパ各地での記者会見の場で、まぬけな質問ばかりするインタビュアー達にそう聞き返す彼の姿が印象的である。(鈴木久美子)
by switch-art
| 2006-07-19 00:00