触れておきたい展覧会2本 '06.Jun

『アフリカリミックス』展
『アフリカリミックス』展@森美術館/開催中(8/31まで)
東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階
http://www.mori.art.museum
日本の80倍も面積のあるアフリカ大陸から、じつに25か国、84名が参加するアフリカ現代美術展。絵画あり、映像、インスタレーションあり、彫刻も写真も音楽も家具もあり、とにかく会場いっぱいに作品がぎっしり並ぶそのボリューム感と個々のエネルギーに圧倒される。アフリカの抱える歴史性や現代の社会問題を、ストレートに伝えるものが目立つが、そうした多様性を表現する作品の視覚言語が、欧米やアジアの現代美術とほとんど共通のものであることに、あたりまえのことながらあらためて驚かされる。参加者には、欧米諸国で活躍中の出身アーティストも多数含まれている。「第三世界」のアートを初めて包括的に取り上げた、1989年、ポンピドゥ・センターでの「大地の魔術師」展以来、世界的にも最大規模のものとして注目されるアフリカ展。(宮村周子)
渚ようこ『ゴールデンリサイタル』

TEBQ-38001/テイチクエンタテインメント/3,800 (tax in)/発売中
平成の世に生きながらも、歌謡歌手を標榜する女、渚ようこ。彼女が、地元新宿で行ったリサイタルの模様を収録したのが本DVDだ。都内で最も古いグランドキャバレーは、渚ようこにベストフィット。いつかは立ってみたい夢のステージ、コマ劇場の隣というのも得点が高い。渚ようこの最大の武器は、歌謡曲を愛する力だ。さらに、彼女が愛するのは歌謡曲だけではない。昭和の映画、昭和の写真、昭和の風俗を一度自分の中に取り込み、独自に並び替えてストックしている。そして、それが歌を歌う時に、声と共にキラキラとこぼれ落ちるから、彼女の歌には無理がないのだ。それは、収められた全22曲の中の、彼女のために書き下ろされた曲と昭和のヒット曲の間にギャップが感じられないことで証明される。彼女の言う「現在進行形の歌謡曲」がここにある。(東屋雅美)
by switch-art
| 2006-06-19 00:00