フランスでの話。
電車で長距離の移動だったのだが、この電車がオリエントエクスプレスのように瀟洒な車両だった。
そろそろ目的地に到着するころ、どうしてもトイレに行きたくなった僕は、車両最後尾の景色の見えるトイレへ。なぜか和式(厳密にいうと、少し違う)なのだが、一面ガラス張りで田園ののどかな風景を見ながら用を足せるという、粋なトイレ。
これは気持ちがよさそうだ、とズボンを脱ぎ、いざ、と便器にまたがった瞬間だった。ふと顔をあげると、電車は駅に滑り込んでいくではないか。窓越しにホームの人々と目が合う。あらら。マジックミラー的な仕組みになっていることを願いつつ、とりあえずパンツをはき、発車するのを待とうと、その広いトイレの椅子に座ってみる。
なかなか発車しないねぇ。
駅名に見覚えがあるな。あれ、降りる駅って、、、外に書いてある駅名といっしょかも。。。。
やばい。
身支度もそこそこに、大急ぎでトイレを出る。乗っていた車両にもどると、みんなドアの脇で僕の荷物をもって待ってくれていた。すでにドアは閉まっていたが、手で押してみるとまだ開いたので、大急ぎで外に出る。
ほっと一安心。
と思ったのも束の間、鏡に映ったぼくは、Tシャツにパンツ一丁。靴も履いていない。あわてすぎたか。メンバーは意外と冷静で、まだ電車は止まっているから、取ってくれば、と。急いで例のトイレにもどり、ブラックジーンズを手に取る。しかし靴はない。発車のベルが鳴る。まあ靴はトランクにも入っている、と、あきらめた僕は、すでに走り出した電車から飛び降りた。
トランクを開けると、赤×黄のリーボックが。あれ、これしかない。なぜか赤×黄のスウェットだの、Tシャツだの、トランクの中は全て赤×黄。スーツも入っていない。やばい。リハの後にでも買いにに行かないと。
と、目が覚めると、いつもの自宅のベッド。
夢占い的には、どういう意味があるのだろう。
と思いながら、もう一度目を閉じた。