□展覧会によせて書きました。
自分に何ができるのか?
26才の時、まわりの事など何もわからないまま事務所を始めました。
有名なアトリエを経験したわけでもないので、正直なところ最初はどう建築をつくっていけば良いのかさえ、わかりませんでした。
ただ、わからない事が多いからこそ、自分のスタイルや、考え方が決まっていなかったため、スタイルのない事をスタイルにしたいと、おぼろげに考えていたように思います。
初めての敷地、初めて会うクライアント、初めての条件、様々な新しさに、つねに建築は触れるのですから、様々なデザインや機能を、プロジェクトごとに考えた結果をここでは展示させて頂きました。
斜面や、変形地、狭小地、またなにも特徴のなさそうな土地など、多くの敷地に出会って来ましたが、必ずその場所に潜む魅力を見つけ続けてきた結果がここでは、ほんの少しですがご覧頂けるのではないかと思います。
どんなものにでも、必ず魅力はあります。
人間でも長所のない人なんていないように、様々な長所を、これからもみつけるべき立場として建築に向き合っていきたいと考えています。
今回、この様な機会を頂いたおかげで、自分自身を振り返ることが出来ました。
振り返ってみれば、自分が悩んでいた、つくりかたなんてものは本当はなくて見つけていくものだと言うことが、今なら自信を持って言えるようになりました。
これからも、決めないことを決めて、自分の経験が自らを閉じこめることなく常にその場所にとって、そのクライアントにとってのベーシックを追い続けていきたい思います。
この様な貴重な機会を与えて下さった二宮夫妻、大変な作業を支えてくれたスタッフ、工務店の方々に心から感謝申し上げます。
2008年1月13日 suppose design office 谷尻誠