□昨日、横浜国立大学2年生の課題の講評会に呼んでくださった建築家の藤原徹平さんと晩御飯を食べていて、FLATであるべきだと言う話になりました。
藤原さんは、ほんとFLATな方なんです。
でもここでいうFLATは決して人類すべて人類平等を意味するものではなくって、相手が誰であっても同じように接する意味でのFLATです。
僕は建築家の谷尻誠として仕事を頼まれる以前に、谷尻誠として建築を頼まれたいと、いつも考えています。
それは、できるだけお施主さん、工事に関わってくださる多くの方々、そして事務所のスタッフ、みんなとFLATでありたいからです。
ぼくは先生と言われるのが、少々苦手です。
出来る事なら、年上の方からは谷尻くんと呼ばれたいくらいです。
それくらい親近感を持って、一緒にものをつくりたいと、どこかで思っています。
そんな関わりが、良い環境を、そして良い建築をつくっていくんじゃないかと、心のどこかで信じているところがあるんです。
でももちろん、全部がFLATと言うわけにはいかない事も良く理解しているつもりです。
時には僕らが出しゃばらないと決まらない事があったり、時にはお施主さんの主張が良いアイデアに繋がったり、時には現場の大工さんの一言が全てを良い方向に導いたりするわけで、そんな色々な出来事に耳を傾けるたいという思いの表れとしてFLATでありたいのかも知れません。
レスポンスが早かったり遅かったり、待ち合わせの時間に間に合ったり遅れてしまったり、元気があったりなかったり、ぼくも人間なのでいろいろご迷惑を皆さんにかけているはずだけれども、それでもFLATでありたいとぼくは心の芯のところでは思っています。
建築家に仕事を頼むという事が、少々ハードルが高そうにみえている世の中ですが、そんなFLATな状況自体を設計していくことで、より多くの方のお役に立ちたいと思う今日この頃なのです。