吉原遊女の供養

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関東大震災で亡くなった吉原遊女の供養を99年から毎月させていただいています。ちょうどお盆に今月は重なりました。暑かったですが、観音様は時々、私に日陰と、爽やかな風をお与え下さいました。蝉が一生懸命鳴いてくれて、私のお経が負けるくらいです。土の上に蝉の脱け殻がたくさん転がっていました。来月1日は防災の日、関東大震災が1923年にあった日です。亡くなった遊女達には長く果てしない年月ですが、生きている私達にとって一年は、とても目まぐるしいです。まだまだ成仏していない遊女たちがいっぱいいます。一人一人、順番に成仏まで上げて行くのには、まだまだいっぱい時間がかかります。その時まで、私が無事にお役目を果たせますように。。ところで、ここで飼っていた亀が盗まれました。前の道を這っていて救出された亀三(かめぞう)ですが、町の皆さんに大切に育ててもらっていました。頭の薄いピンクのシャツを着た男性が、ビニール袋に入れて車に乗り込むとこが遠くから目撃されているのですが。。「この亀三を撫でてお店に出る
と、お茶を引かない」と、吉原のお姉さんたちの間で広まっていた縁起亀だったのです。

隅田川

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今夜の川辺りは冷えます。まるで秋です。9月のお彼岸のような風です。ちょうど満潮で、岸近くの高さまで隅田川の水が来ていました。夜の水って、ちょっと怖いところがありますが、水を見ると、すぐ水行をしたくなってしまいます。お盆なので、沢山の霊たちがうろうろしていて、私の周りに大勢寄ってきてしまったので疲れたのでしょう。行場ではないのですから、行で払うこともできないのに、せめて水のそばに体が行きたかったようです。夜景がとってもきれいです。水曜日は吉原遊女の供養、木曜日からは高野山の駐在法話のお務め。。仏様のための日々が続きます。

水行と月

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午前5時。水行を終え、行場を出てから、あまりに月が明るくて綺麗なので、撮影しました。昨夜の水行の時、台風と大潮と大波と満潮が重なり、これまでで最高の潮位の水行を経験したのですが、その時、月は南の山の後ろに見えていました。今朝、西の方向、その月が夜が開ける直前の空で、煌々と輝き行場を照らしていました。まるで、鳳凰が飛んでいるような明るさ。。昨夜の満潮の時の行で、こんなにたくさんの海水が、あと5時間で全部引けるの?と思っていた通り、いつもは水溜まりが少々あるだけまで引いた干潮になるのですが、今朝は引ききれなかったようで、干潮でも私の腰以上に海水が残っていました。ゴォーッと、畏れ(おそれ)を感じさせる海の音が続いていました。行の間、月は私を照らしていてくれました。月が出ていなければ、いつも夜の闇、夜の黒い海です。空から観音様が降りて来られたような温かな光を浴びながら、一心に般若心経を唱えていました。14日から高野山に駐在です。高野山と僧侶と本山布教師という大きな看板を背負い、5日間
お務めします。高野山に来られる大勢の方々を笑顔で真心込めてお迎えできますよう、今朝の水行で、真っ白な心にしていただきました。

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