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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
マドレーヌを紅茶に浸して口にした時、其の「匂い」が昔の子供の頃の想い出を呼び起こし、「失われた時を求めて」プルーストの自伝的長編小説の旅は始まる。
匂いはそれほど原始的な感覚なのだ。 ![]() 嗅覚を司る神経は、大脳から其の枝直接鼻腔天井に出張しているから、最も脳と直結した感覚器だと、学生時代の講義で教わった覚えがある。 其の割に、日常では等閑視されることが多い。 外つ国を訪れて、時差ぼけでウロンな脳が先ず感じるのは其の街の、其の人々の「匂い」ではなかろうか。 これは、事前にガイドブックなどには記されてない、又考えもしない異文化の洗礼といえる。 マーケットの「生活臭」、又、ホテルの絨毯からのだろうか、「ほのかな香り」。 あ、此の「匂い!」とリピーターはかつての「旅愁」を想い起こす。 我が国には古来から「香」の文化がある。だのに何故「香水文化」はないのだろう。 パルファムも香しいパリジェンヌは強調した。“私たちにとって香水をつけずに外出するのは、裸で人前にでるようなものよ。” “なら、ランジェリーは外してもかまわない、香水さえつけてれば?”と言いたくなったのですが・・・ 「容貌のメッセージ性」など、柄にもないことに首を突っ込んで、改めてメッセージとは何かと考える時、「匂い」こそが、“香しさ”から“強烈さ”まで、最もダイレクトに人に働きかける「メッセージ」ではと考えている。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-31 19:18
| コーヒーブレーク
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このところヒーヒーいいながら2週間先に迫った第二回「塩谷塾」の準備に悪戦苦闘している。
テーマを“眼は口ほどにものを言い”としたのは、眼と口がどちらが「顔の美醜」により寄与しているかと言う問題提起のつもりである。屁理屈でも何でも、活発な御議論を期待している。 ![]() 其のきっかけは先日も触れた「マスク効果」と「サングラス効果」である。 入院時に気付いたことだが、マスクをすると看護師さんが皆美人に見えること。そして誰でもサングラスをかけると、余り口元に関係なく、なぜか格好良くなること。 これは顔の造作では、パーツより其の組み合わせやバランスがものを言うと言うことなのか、又サングラスの場合はそのファッション性と言うことか、など寝ながら考えていたからである。 ま、それはそれとして、眼や口元、それぞれが発するメッセージの比較分析が主眼ではあるが。 そして勿論それぞれの加齢による変化と其の対策も取り上げねばならない。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-30 21:45
| 美について
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公開講座、研究会と続くなか、今日は「アンチエイジング・ネットワーク」の理事会が京王プラザで開かれた。
![]() 主な議題は今年の「公開シンポジューム」。 結論を言おう。 開催日時:11月12日 テーマ:「食」 オーソモレキュラー医学の権威、「溝口先生」にアンチエイジングな栄養学の基本をお話しいただき、其の理論に則って、料理の専門家「堀知佐子先生」が調理されたアンチエイジング料理を賞味して頂くと言う趣向。 医食同源の言葉どおり,「食」はアンチエイジングの基本ですぞ。 なお今回は実演の都合上,調理の施設の整った小さめの会場を使いますので,参加人数に制限があり、ご興味のある方は日にちだけは今から明けておいてください。 詳細は追って僕のブログやフェースブック、そしてアンチエイジング・ネットワークのHPでお知らせします。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-29 22:57
| アンチエイジング
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抗加齢医学会総会まで余すところ一月。今日は堀江会長のプレス向けの発表会があった。
まことに盛りだくさんの,しかも楽しげなプログラムである。 抗加齢医学の最新情報だけでなく、柔軟で幅広幅広い会長の豊かなアイデアがちりばめられている。 ![]() 其の一端をご紹介すると、 特別講演としては ① 「サクセスフルエイジング再考」 演者:福原義春 資生堂名誉会長 ② 「世界は変わる、どこへ向かうか」演者:黒川清 政策研究大学院 又特別企画のシンポジュームとしては ① 「アグロメディカルサイエンス」 ② 「男性こそアンチエイジング」 ③ 「ふるさとアンチエイジング」 など。 そしてユニークなのは アンチエイジングトークとして 「島耕作のアンチエイジング」 対談:浩兼憲史×堀江重郎 である。 その他市民講座も予定されているが,学術集会も会員以外の方もそして一般の方も参加可能と聞いているので,是非ご参加のほどを! 場所は横浜パシフィコ。 詳しくは http://www.anti-aging.gr.jp まで ▲
by n_shioya
| 2013-05-28 21:46
| アンチエイジング
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今日は学習院のアンチエイジング講座の第2回を無事終えた。
テーマは『老化の原因と其の対策』 ![]() 最近の考えとしては老化の原因として次の六つが主なものとされている。 ①細胞時計説:テロメア、老化の遺伝子、長寿の遺伝子。 ②染色体の損傷説:分裂時の複製ミス、活性酸素等の影響など。 ③ホルモン低下説:確かにホルモンは低下するが、因果関係は不明なところがある。 ④免疫能低下説:免疫細胞の数は減らないが、其の機能が低下するようだ。 ⑤活性酸素説:端的に言えば細胞や組織の錆び。 ⑥糖化説:いわゆるAGEが溜る身体のキャラメリゼーション。 これでは一寸解りづらいかもしれないので、それぞれについては追々ご説明をすることとするが、全体的に問題が二つある。 先ず、それぞれ原因に対してのそれなりの対処法は追求されているが、すぐ応用可能な手法は未だ非常に限られていると言うことである。 次にもっと根本的な問題は、此の六つの原因は必ずしも別々の課題でなく、緊密に絡み合っていると言うことだ。詰まり人間の身体は本来は一つで、此のように臓器別,系別に分けるのはこちらの都合に過ぎないとも言えるからだ。 とすると,個別のことにこだわるより、総括的かつ基本的な「老化対策」として先ず心がけなければならないのは、そして可能なことは、 ①適度な運動 ②バランスの取れた食事 つまり「ライフスタイルの改善」である。 これは最も簡単なことの筈だが,実行が最も難しいのが凡人の浅ましさである。 さて,如何したものでしょう。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-27 21:03
| アンチエイジング
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ラファエル展を見てきた。
一寸期待はずれだった。何を期待したのだろう?感動? 何か「甘い」というか、「希薄」というか。そう「気迫」が足りない。同時代のダビンチ、ミケランジェロから受けるあの「気迫」が。 それがラファエロの魅力と言うか、限界というか。 そもそもラファエロに「気迫」を期待するのはお門違いと言われそうだが。 ![]() 一つには複製を見慣れすぎたせいかもしれない。 丁度、広重や北斎の風景が、子供の時から海苔の缶の包装で新鮮味を失ったように。 昔、スイスの友人の医師にセガンティーニを褒め称えたとき、“いやぁあれは我々にとっては陳腐になりすぎて”と頭をかいていたのを思い出す。 とするとラファエルは世界規模の「海苔の包装紙」と言うことになるだろうか。 と失礼おば述べたてましたが、皆様のご感想は? モーツァルトの名曲を“何処を切っても同じ顔”の「金太郎飴」になぞらえた男の言うことですのでご勘弁下さい。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-26 21:55
| 美について
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![]() 今日発売の科学雑誌「ニュートン」に“キズの治り方”の記事が掲載されている。 僕も取材を受けたので其の内容をご紹介すると、 『要はキズを治すのは人体に備わった“自然の治癒能力”で、それを手助けするのが、最近普及してきた、かさぶたを造らずに治す「湿潤療法」である。』 ![]() 其の為には特別な被覆剤の使用が望ましい。これを「モダーンドレッシング」と呼んでいるが、2、30年ほど前から、医療用には様々な製品が開発されてきた。 最近は、同じ素材で家庭用の救急絆創膏も出回っており、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「キズパワーパッド」も其の一つで、使われた方もあるかもしれない。 ![]() 実は20年ほど前、プリンストンにあるジョンソン・エンド・ジョンソンの研究所を訪れた際、湿潤療法に適したバンドエイドタイプの救急絆創膏を開発中で、色々とアドバイスを求められた。 やがてそれが「キズパワーパッド」として発売され日本に導入が検討されたとき、僕は其の製造元であるデンマークのコロプラスト社を訪れた。製造工場はコペンハーゲンから海岸沿いに、一時間ほど北に行ったところにあった。其の製造工程と品質管理をツブサに見学し、これならば安全と納得して帰った覚えがある。 「キズパワーパッド」の使用法について一言付け加えると、 ①先ず家庭で扱える程度のキズであること。(これを具体的に定義することは難しいが、ま、常識的にバンドエイドで済ます程度のキズとしますか) ②新鮮なキズであること。(日にちが経ってから使うと感染誘発の恐れあり) ③傷口は水道水で洗い流す(よほど汚いキズでない限り、消毒剤の必要はない) ④ガーゼなどで圧迫して止血を確かめ(出血が続くようならクリニックへ) ⑤そしてキズパワーパッドを貼る 詳しくは「使用上の注意」をお読みいただきたいが、数日間は貼りっぱなしでよく、カサブタで治すよりも早くキレイに治り、又痛みも軽減するのがメリットとされている。 勿論、何か心配な場合は医師の治療を受けることは前提であるが。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-25 20:50
| キズのケア
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此の話しは前にも書いたような気がするが・・・
![]() 定時にデトロイト空港を飛び立ったノースウェストのジャンボ機が巡航高度に達したとき、突然医者を呼び出す「機内放送」が流れた。 しょうがない、と覚悟を決めてスチューワデスに案内されファーストクラスに行くと、青ざめた顔の若い女の子が毛布に包まって寝かされていた。 脈も血圧もかろうじて正常範囲である。 離陸後まもなく突然に性器出血が起こり、タンポンを詰めて止血を試みたところだという。 今はやっと落ち着いているようだ。 “すぐ戻ろう”、僕はスチューワデスに言った。 スチューワデスは答えた。 “離陸直後に引き返すのは、燃料タンクが満タンのためいささか危険ですが。” しかもその子は別の問題を抱えていた。 日本に留学中のアメリカの女の子だが、夏休みでデトロイトの実家に戻っている間に、家族に内緒で妊娠中絶の手術を受けた。 術後日も浅く、まだ出血の恐れがあるのでフライトを延期するよう医師に言われたが、新学期を明日に控え、学校に戻らないと家族にばれるので無理して予定の便に乗った以上、絶対デトロイトには戻れないと泣きながら懇願する。 スチューワデスの案内で僕はコックピットに入った。 パイロットはチャートを広げ、航路を説明してくれた。 アンカレッジまではカナダの海岸沿いに飛ぶので、いざとなればいつでも緊急着陸はできる。だが、できれば設備の点でアンカレジまでは飛びたい、という。 だがその先は、太平洋の上だ。再出血したら、お手上げである。 僕たちはともかくアンカレッジを目指すことで合意した。 女の子の説得はスチューワデスに任せた。 アンカレッジの上空に来ると,機長はこれから「ダンピング」を始めますとアナウンスした。 安全のため、着陸前に燃料タンクを空にする必要があるという。実はその為に主翼の両端に燃料の吐き出し口が設けられているのをその時初めて知った。 ジャンボ機は緩やかに旋回しながら、霧のように空中に燃料を散布して行く。 やがて無事着陸して、患者を救急車に搬送し、再給油して2時間後にジャンボは離陸した。 ノースウェストの成田便は、東南アジア各地への乗り継ぎ便が成田で待っている。その大部分に間に合わず、乗客は成田で一泊を余儀なくされ、そのホテル代は航行会社の負担となる。 これほどの大事(おおごと)と知っていたら、アレほど気軽に機長に緊急着陸を命ずることができたろうか、改めて背筋がぞっとなった。 ところでこの苦悩の決断に対する医師への謝礼は、其の時もノースウェストからの赤ワイン一本だった。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-24 21:47
| コーヒーブレーク
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“何かあったの?”
家に入るなり配偶者に聞かれた。 晴れたり、嵐になったり、雷が鳴ったり、今日の天気と同じようにめまぐるしい一日だった。 思いがけぬ進展もあった代わりに、調整に走り回ったり、やっと落ち着いたと思ったらまたひっくり返ったり、よかったとも悪かったともいえない複雑な一日が顔に出ていたらしい。 配偶者は敏感である。 50年連れ添っていたのだから当たり前かもしれないが、たとえばニヤリと僕が思い出し笑いをすると、背中を向けていているはずなのに、“今なに笑ったの?”、とすぐ聞いてくる。 そこで僕は彼女を「背中に目がある女」、と密かに呼んでいる。 だから今みたいな複雑な顔をしていれば、一瞬にして一日の葛藤は見抜かれてしまう。 別に隠したいわけでもないので、“つまりね”と順を追って話し始めたが、たわいもないことがあまりにも複雑に入り組んでいるので、説明するほどに話がややこしくなって、“もういい、要するにこういう一日だったんだ”と放り出してしまった。 ![]() 何が問題だったのかさっぱり分からない? ま、でも皆さんも経験おありでしょう、こんな絡まった毛糸玉みたいにこんぐらがった、或る日の経験というものを。 ▲
by n_shioya
| 2013-05-23 22:16
| コーヒーブレーク
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[学習院講座」のお薦め
塩谷塾も無事スタートし、来週の「学習院講座』第二回の準備に追われている。塩谷塾は満員だが、こちらは未だいくらか余裕があるので、ご興味のある方は是非。途中からの参加も可能です。 『身近なアンチエイジング〜若々しく健康に生きるために〜』 講座スケジュール 回 実施日 時間 講座内容 1 4/22(月) 13:15~14:45 「お若いですね」と言わせよう 2 5/27(月) 13:15~14:45 老化の原因とその対策 3 6/24(月) 13:15~14:45 見た目のアンチエイジングと肌の若返り 4 7/22(月) 13:15~14:45 メタボ対策と体型を整える お電話での受講申込み取扱時間は次のとおりです。 電話 03−5992−1040 ▲
by n_shioya
| 2013-05-22 23:59
| アンチエイジング
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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