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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今の若い人は鰹節など削ったことはないでしょう。
鰹節削りなどもはや見かけもしない。 安っぽいビニール袋に入った削り節を、さっと茹でたほうれん草にかければ事足りる。 だが、あの硬い焦げ茶色の塊を、カンナをひっくり返したような削り器に押し付けながらさ、さっと削っていくのは子供の頃は遊びみたいに楽しいものだった、時には自分の指までちょっぴりそいだりして。 配偶者がニューヨークの孫に送る七五三のお祝いを包んでいるのを見て、ふと誰だったか女流作家の言葉を思い出して、配偶者に伝えた。 “親はね、何時までたっても子供のために身を削ってしまうんですよ、ちょうど削り節みたいに”と、いくつになっても子供が気がかりで、つい手をかけてしまう自分を自嘲気味に書いていたと。 我が家でも、せっかく自分の着るものでも買うようにと配偶者にいくばくか渡しても、ついつい子供の軍資金か、孫へのプレゼントに化けてしまう。 “でもね、”と配偶者は答えた。 “鰹節をまわりから削って、削って小さくなると最後に何が残ると思う? それは、それは綺麗な透き通った芯なのよ。”と。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-09 21:58
| コーヒーブレーク
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ロゼッタストーンっての知ってるでしょう。
あの大英博物館の目玉、エジプト時代の大きな石で、象形文字、ヒエログラフがびっしり刻まれている。 誰かさんが一生懸命そのヒエログラフを解読したところ、なんと “今時の若いものは・・・”というのが書き出しだったというジョークを聞かされたことがある。 つまり世代間のギャップは今に始まったことではなく、古今東西を通じての課題で、むしろ“今時の・・・”というせりふを口にするよになれば、そろそろ己れも老化が始まったという自戒ととるべきであろう。 “そうはいっても今の奴らは、”と、昨夜の自由が丘クリニックの集まりでは、最近入局してくる若い医師たちの行状を、皆一様に慨嘆していた。 ガッツがないし、目先の利益しか考えない、モラルに欠けている等々。 集まったメンバーは皆僕が現役の頃のスタッフたちである。 が、よく話を聞くとあまりあの頃と変わりないような気もしてきたが、失礼に当たるので発言は控えておいた。 そもそも今時の若者が手本としてているのが、永田町や霞ヶ関の住人、そして企業のトップ連中ではないだろうか。 ただ確かに、医療を取り巻く環境の劣化で、医師の質や価値観が劣化してきているのは否めないようだ。 最近とみに医療崩壊が話題になるが、これが若い医師のやる気をなくして、安易な道へ走らせていることも間違いない。 その安易な道の落とし穴の一つが、今はやりの美容外科である。 がんじがらめの保険制度の中で、唯一自由診療が可能な科として、志望する医師も急増しているし、患者の関心も高まっている。 それをあおるかのように、このジャンルはワイドショウの餌食となり、タレントまがいの医師が続出してきたし、芸能プロダクションのお抱えになった医師もいるようだ。 嘆かわしいことである。 医師がプライドを捨てれば、怖いものはない。極端な言い方をすれば、医師免許という“殺しのライセンス”ともっているようなものだから。 もちろん僕は決してパブリシティを否定するものではない。 今はメディアの時代だ。むしろ正しい啓蒙は積極的に行うべきと思う。 “そのために我々は何をなすべきか、”というのも昨夜の自由が丘クリニックでの討議のテーマの一つであった。 ちなみに昨日のシンポジュームは、僕の期待通り「シンポジオン、饗宴」であって、クリニックの近くのスポーツクラブで、海鮮料理を賞味し、ワインを傾けながら激論が交わされた。 ブログ用のフォトも撮り忘れたくらい、熱心な討議であった。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-08 23:59
| コーヒーブレーク
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珍しく8時までぐっすり寝込んでしまった。
なんとなくもぞもぞとベッドのなかで夕べの余韻を楽しんでいる。 何かひどく満ち足りた感じである。 上海蟹尽くしのご馳走も良かった。 三山社長がライカの美女軍団全員を引き連れて、会を盛り上げてくださったのも嬉しかった。 なによりも皆で飲み食い語らうというのがこよなく楽しいということなのだろう。 ![]() シチめんどくさい引用で恐縮だが、気の合った友と食事を楽しむことこそ、人間の根源的な営みであることは、プラトンの対話編、「饗宴(シンポジオン)」に鮮やかに描かれている。 更に言わしてもらえば、学問の場でしばしば行われるシンポジュームも、このシンポジオンから来ている ところで昨夜のは、武田名誉教授が理事長をされている毛髪研究のNPO法人FMLの早めの忘年会であった。このところ毛髪研究の進展は目覚しいが、その先端を行くのがこのFMLである。 というわけで夕べは帰りが遅くなり、昨日のブログを今したためている。 今宵はまた、自由が丘クリニックのシンポジュームに参加する予定である、いやもっと楽しいシンポジオン(饗宴)の方であることを期待している。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-08 09:51
| QOL
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一週間の整備を終えて、愛車が戻ってきた。
その間、国産の代車に乗って別に不自由は感じなかったが、乗り比べれば、やはりベンツはベンツだと改めて感心した。 もう既に12万キロ走っているが、走行距離まだ3万キロの国産車よりはるかに足回りもボディの剛性も優れている。 しかもぼくのはSクラスなどの高級品ではなく、最も普及版のCクラスである。 4輪駆動のワゴンなので、山などに行くのにはもってこいだが、最近ハンドルを切ると、特にバックのときにコトン、コトンと異常音が出るようになった。 サービスの話では、ドライブシャフトのベアリングを交換し,前後のデフを解体?する結構な作業のようだったが、おかげで走りもハンドリングもすこぶる滑らかである。 この次は何時ミッションに来るかが問題だが、そのときは思い切って交換し、前のカブリオレと同じく30万キロまでは持たせたいと思っている。 ということはあと4,5年。 乗り手がそれまで持っての話だが、幸い今のところ昭和6年の年式にしては、エンジンもボディも好調である。 もちろん75年という年数なみのガタはきているのだろうが、ありがたいことに車と反対に燃費は年毎に向上している。 ということはすなわち、チョット気を許すとあのメタボリックシンドロームに陥るので気をつける必要がある。 結論:確かに10年ほど前から種類を増やし、モデルチェンジを頻繁に行う路線になってからベンツは変わったが、やはり他の車とは一味違う頑固さを維持している。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-06 22:41
| QOL
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“「年甲斐もない」は最高の褒め言葉である。”
イヤー、いいこといってくれますね、和田秀樹君。 老人医療、教育問題等々、いまや売れっ子のタレント医師だが、30年ほど後輩だから“君”付けで呼ばしてもらおう。 彼の同級には、堀江、秋下、吉村君など抗加齢医学のチャンピオンが続出している。 ![]() 感情の老化が、すべての老化の元凶、ということである。 昨今、アンチエイジングブームで、「健康」「脳の機能」「見た目」の三つが、国民の最大関心事になっているが、そのためにもっとも大事なのが実は「感情の老化」を防ぐことにある。 そして感情の老化は実は前頭葉の老化から始まるという。 そのための指数として最近、知能指数IQで測れない心の知能指数としてEQという言葉が使われているそうだ。 提唱者たちは、EQの要素を次のように提唱している。 ①自分の感情を知る ②自分の感情がコントロールできる ③自分を動機づける ④他人の感情を認識する ⑤人間関係をうまく処理する 個々の説明は御著書に任せるとして、IQは高齢になっても意外に落ちないが、EQは40台で最高になるがそれ以降はほっておくと衰えてしまうもののようだ。 その理由の一つは、40台から「前頭葉機能」が衰えてくるので、それに伴って感情をコントロールする能力が低下するからだという。 そして和田君は前頭葉機能を活性化する方法を縷々述べている。 たとえば 「反社会的なことでない限り、老後は好きなことをして遊んだほうがいい。おいしいものを食べ、おしゃれをしてボーイフレンド、ガールフレンドと遊び歩いて、“年寄りのくせに”と顰蹙を買うぐらいのほうがいいのだ、というのも、心を揺さぶるような刺激的で楽しい体験は、老化防止に繋がるからだ。」 と嬉しいことを言ってくれている。 年甲斐もなく、と何時もたしなめられてくれる配偶者にも読ませようかと思ったが、“何もそんなに張り切らなくっても今で充分でしょ、”とどやされそうなので遠慮することにした。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-05 22:00
| アンチエイジング
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最近美女軍団の露出が減ったが?
と熱烈なファンから問い合わせがあった。 決して消えたわけではなく、美女は美女を呼んで急増し、銀座の美女軍団はとても数枚のフォトには収まりきらなくなったのである。 というわけで今日はその半分がヒルトン小田原に集合したのでご披露する。 美女軍団の熱気でシャッターを押した若いウェイターのカメラが手ぶれをしたのはご勘弁いただきたい。 ここは元スパウザ小田原といって、悪名高き年金流用で立ち行かなくなった保養施設を、ヒルトンがリニューアルして、ドイツのバーデンバーデンにも負けないスパに変身したのである。 本場のカラカラテルメと同様、各種プール、ジャグジー、サウナ、エステ等すべて完備している。 ただバーデン・バーデンでは、サウナだけは男女が同室で生まれたままの姿でホットサウナを楽しむが、ここでは水着着用となっているのは無粋な限りである。 ![]() ▲
by n_shioya
| 2007-11-04 21:15
| 手術
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東京は不思議なところに不思議なものが見つかる面白い街である。
外苑から六本木に抜ける際、青山一丁目のツインタワーの裏手にビニール張りのカフェテラス様の店が張り出し、覗いてみたいと思いつつも、いつも横目にみながら車を走らせていた。 昨夜そのカフェ・246にデザイナーの卵たちが集結して大パーティがあり、何のご縁か僕もお招きを受けた。 ノルウェー大使館と(株)インターオーシャンの共催のノルウェーデザインフェアである。 ノルウェーに限らず北欧のデザインはシンプルで垢抜けている。森と湖の緑と青を秘めたた安らぎをもたらす。 この安らぎのデザイン性を病院のインテリアに持ち込めないかというのが、インターオーシャンの北村社長とその片腕、鈴木嬢(フォト)の狙いである。 明日までの一週間、東京ではスカンディナビアのデザインショウが都内各地で開かれている 。今日の“ノルウェーの夕べ”もその一環である。 夜八時。 デザイン関係者がカフェに群がってきた。嬉しいことに大半が若い女性である。 中は意外に広いが、数百人に及ぶ参加者は外まで溢れ、皆、サラミやソーセージなどすべてトナカイをメインにした料理の数々をつまみながら、フリードリンクで喉を潤している。 やがてノルウェーから来日した若いデザイナーたちのプレゼンが始まって、狭いホールに人垣が出来て、みな熱心に聴き始めた。 だが僕は、プレゼンよりも“花も団子も”と、人ごみを避けた部屋の片隅で、トナカイを賞味しながら、初対面の美女軍団(フォト)と親交を深めていた。 ![]() ▲
by n_shioya
| 2007-11-03 23:59
| QOL
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昼は関内の画廊で配偶者の友人の水彩画展を覗いて、夜はこれまた配偶者の友人たちと広尾のイタリアンで会食。
配偶者の友人の友人が4月にオープンした店で、キャジュアルだが、料理は本格的でなかなかよろしい。 久々にラムらしいラムにありついた。 夜2時までというのも土地柄か。 政局は波乱含みだが、我が家は平穏無事である。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-02 23:59
| QOL
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![]() これまでよくも北里柴三郎先生のことにこれほど無知でこられたものだと、我ながら恥ずかしくなった。 山崎光夫氏の力作「北里柴三郎・雷(ドンネル)と呼ばれた男」を読み終えたところである。 コッホの元での修行、伝染病研究所の設立、文部省・東大との確執、ノーベル委員会の偏見等々、野次馬をうならせるねたには事欠かない。 また登場人物も、森鴎外、青山胤通等役者も不足はない。 入念に調べ上げ、しかも臨場感溢れる傑作で一気に読みきってしまった。 今日は始めて白金の本館一階の、北里柴三郎記念室を訪れて往時をしのんだ。 ちなみに著者の山崎氏は、以前に氏が美容外科がらみの作品を書かれたときに、医療面でのご相談にあずかって以来の友人である。 僕の姉が直木賞を取ったときに、真っ先に知らせてくださり、僕を授賞式に誘ってくださったのも氏である。 氏のこれからのますますのご活躍を期待する。 ちなみに姉にとって僕は書くに値しない陳腐な弟として、作家生活の初期に作品の中で抹殺されてしまった。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-01 23:01
| QOL
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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