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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
そして今日はNPO法人「FML」の理事会。
正式には「フューチャー・メディカル・ラボラトリー」といい、毛に関する全て、分子生物学から,再生医療、発毛そしてヘアケアまでを網羅的に研究する団体である。 ![]() 思えば我々の毛の研究との関わりは古い。 30年ほど前,世界でも毛の専門家は10人ほど,我が国では全て掻き集めても5指に満たぬほどであった。 それがいまや,発毛,植毛の花盛りで,毛根の再生医療も今一歩のところまで来ている。 かつて若はげの根本的な治療法は二つある,といわれていた。 ①禿でない親を持つこと ②若いうちに去勢すること つまり治療は不可能と言う事を揶揄った言いである。 其れが今や ①は遺伝子解析が診断に使われるようになり ②については薬剤で男性ホルモンの働きを抑えることが可能になった。 最後の砦は「毛根培養」で自毛を増やすことである。 その先陣争いがもう始まっている。 FMLが勝者となるか、頑張りますぞ! ▲
by n_shioya
| 2015-06-03 21:44
| ヘアケア
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「薄毛の悩み」は男性の専売特許かと思っていたら、最近は女性にとっても深刻な問題になってきたと言う。
実際に薄毛が増加したのか、昔より問題視されるようになったのか、両方だろうがやはり増えてきたのは間違いないようだ。 何故? ストレス、不規則な生活、睡眠不足、無理なダイエット、ホルモンバランスの崩れ等々原因は色々挙げられるが、僕は不適切なヘアケアが最大の理由ではないかと思う。 しかも最近のブリーチとかヘアカラーとか洗い過ぎ等々、すべてやり過ぎが皮膚や毛根を痛めるのではないか、と思っている。 ![]() その適切なヘアケアと、医学的な育毛法、更に踏み込んでのアンチエイジングなライフスタイルの解説書が出版された。 「女性の為の頭髪外来〜髪・からだ・こゝろに効くトータルセラピー〜」である。 著者は僕が名誉院長を務めさせて頂いている「AACクリニック銀座」の浜中院長である。 実は出版と言ったが、電子版のみである。 ご興味のある方はアマゾンでお求めください。 ちなみに浜中院長は現代病とも言えるストレス対策の専門家でもあり、お悩みの方は御気軽に御相談ください。 ▲
by n_shioya
| 2015-03-12 21:51
| ヘアケア
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最近「再生医療」流行りで,「毛根再生」も夢ではなくなった感があるが、其の筋道をつけた一人が日本人であることはあまり知られていない。
再生医療は其の臓器の元となる「幹細胞」の発見から始まる。 稲葉先生が長年の腋臭の治療の経験から,皮脂腺の開口部の辺りに毛根の幹細胞がある事を突き止められたのは4〜50年も前のことだった。 だが日本の形成外科学会は冷たかった。 稲葉先生の投稿された論文は、学会誌の編集会議に懸けられた。 誰もまともに取り上げようとせず、アッサリと却下された。 当時の常識にそぐわないだけでなく,開業医ごときがというおきまりの大学サイドの偏見が大きかった。 ![]() だが,「稲場説」は海外で認められ,国際学会の場ではイナバ、イナバと賞賛されるまでになった。そして10数年前にはフランスのバランドン教授が発表した動物実験は「稲葉説」を裏付けるものとなった。これには聖マリアンナ医大の若手の形成外科医達が貢献している。 そして杉並にある「稲葉クリニック」は息子の稲葉義方先生の代になり,先代の築かれた「腋臭と其の周辺の治療」に励んでおられる。 当時の編集委員の一人として僕は今,改めて己が不明を恥じている。 ▲
by n_shioya
| 2014-11-19 21:37
| ヘアケア
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此の話は前にもしたかもしれない。そして此の絵もアップしたかもしれない。それも思い出せないのは寄る年波と言う事かもしれない。だが、検索機能を上手く使えないのでとりあえず、書く事にする。
というのは、今日学習院の秋の講座で、「髪の毛の悩みに答える」というテーマでお話しをしたからである。 ![]() 禿の悩みは深い、シーザーの月桂冠も実は禿を隠す為のものだったと言うイントロに続き、お示ししたスライドは 「禿の根本的対処法」であった。 ①剥げてない親を持つ事 ②早めに去勢する事 お分かりのようにどちらも実践不可能な事で、10年前このスライドを作った時は“禿の治療は無い”と言う当時の現実のパロディであった。 だがその後10年間の毛髪の研究は目覚ましく、先ず ①については禿に関わる遺伝子の解明が進んでいる。残念ながらまだすぐに治療に結びつくまでにはなってないが。 ②についてはご承知のように、男性ホルモンの作用をある程度制御する事で、発毛効果を得るところまで来た。「フィナステリド」という薬剤の普及である。 勿論、すぐフサフサになる訳ではないが、若はげに悩む方にとってはとてつもない「福音」といえる。 幸い今日の受講生には、「禿」という禁句を使っても差し障りのあるかたはおられなかったので、存分に「禿談義」を展開する事が出来た。 ▲
by n_shioya
| 2014-10-27 21:25
| ヘアケア
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お陰さまで体調も快復、今日は北里大学の天羽教授をお招きして、「毛根再生」の最新研究のお話を伺った。
![]() 再生医療の主役は「幹細胞」である。 これは臓器の元となる細胞で、骨髄や脂肪などに存在することが知られているが、毛根にも存在することを唱えられたのが天羽教授である。 実はこの毛根の再生能力を世界で最初に発表されたのは,今は亡き稲葉博士である。日本では黙殺されたが,その後の毛の研究の発展で海外で認められ、毛の研究者で“日本の稲葉”の名を知らないものは無い。 天羽教授の研究が進展すれば,毛の数を増やすことも可能になり◯◯の方の福音になるばかりでなく、神経など他の組織の再生医療も可能になるかもしれないという。 ▲
by n_shioya
| 2014-06-04 20:34
| ヘアケア
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かつて、
“禿の根本的解決策は二つある。一つは禿げてない親を持つこと。二つ目は、若いうちに去勢すること。“ つまり禿の実際的な治療がいかに難しいか、というジョークがあった。 ところで最近は禿は禁句となり、所謂若はげは「男性型脱毛、AGA」と呼ぶことになっている。 「男性型脱毛」については三つの要素があげられる。 まず、加齢による変化であるということ、ついで男性ホルモンが関与しているということ、三番目にある程度体質や、遺伝的な要素があるということがわかっている。 だから冒頭のジョークもあながち根拠のないことではない。 加齢による変化としては、「細胞活性の低下」と「頭皮の血流の不足」が考えられる。 これに対してはミノキシジルが有効とされている。 二番目の男性ホルモンだが、全身的にホルモンが過剰にあるということではなくて、最近の研究では、薄毛になる部分の毛の細胞が、男性ホルモンに対して敏感に反応して活性がおちる、つまり、ネガティブに反応してしまうと考えられている。 これに対しては最近、毛根での男性ホルモンの作用を押さえる薬が開発された。フィナステリドである。 フケも原因の一つのに挙げてよいであろう。フケや脂漏が毛穴をふさいで、毛根の活性を妨げるということは十分考えられる。叉、フケや脂漏がたまれば細菌感染も起こり起こりやすく、これも毛根に障害を与えるころになる。 そのほか、ビタミン、アミノ酸、その他もろもろの栄養素の不足も問題にされる。 ![]() このように「男性型脱毛」の治療は日進月歩である。 やがて遺伝子解析や治療によって、三番目の要素の対処も可能になれば“カツラよ、左様なら!”と言える日が来るかもしれない。 ▲
by n_shioya
| 2014-05-22 21:58
| ヘアケア
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なぜ我々はこれほど毛にこだわるのだろう。。
デスモンド モリスというイギリスの動物学者は人間は“裸の猿”だといっている。進化の頂点で人類が誕生したとき、猿は体毛を失って人間となり、同時に、どういうわけか、髪の毛だけは伸び続けるようになったという。 デスモンド モリスもいうように、直立した裸の猿が、頭髪だけを黒ぐろとなびかせて、森の中を飛び回るのは、動物界では異様な風景だったに違いない。 やがて人間が言葉を持つようになり、文明を誕生させたとき、人間自身も、この髪の毛に神性を感じたのではなかろうか。 それは各民族の伝承にも残され、やがてはそれぞれの文化の中で、宗教、権力、そしてファッションの担い手として、象徴的な役をはたすようになる。 ![]() 文明が発達しはじめて以来、少なくも男性の場合には、男性的である、また、力の象徴としてまた神聖なるものの属性として髪の毛が尊重されてきた。 伝説的の世界ではまず、バビロンのギルガメッシュ神話。 ギルガメッシュの力のもとはやはり毛であった。病気になって毛が抜けたら力がなくなり、負けてしまう。しかし、また毛が生えてきて、力を取り戻したということになっている。 また、「旧約聖書」のサムソンとデリラの話でも、サムソンの力のもとも毛であった。やはり毛を切られると、負けてしまうが、また毛が生えてきたら勝ったと記されている。 ローマの皇帝シーザーが実は禿げで、月桂冠はそれを隠すために使われたということは有名な話しである。 ![]() 一方女性の場合はかって西洋では、女の人がバサッと髪をバラバラにするということは、性的な解放といったものにつながるので好ましくない、髪はいつも束ねて、帽子を被ったりして隠すことが、たしなみとされてきた。 その意味で、たとえば絵画の世界では、ロゼッティの「黒髪の女」など、黒髪をわざとなびかせて、社会通念に挑戦しているのだ、という説明を聞いた覚えがる しかし日本の場合はまた違って、清少納言の「枕草子」に、 “ぬばたまの長き黒髪も手入れしなくては美しくない。洗い立ての烏の濡れ羽色の髪が美しい。髪ばかりでなく女性が最も美しく見えるときである云々” と書かれているように、日本では平安時代の昔から、黒髪をなびかせて、女性は描かれている。 つまり毛は、男にとっても女にとっても、まず、性のアイデンティティーを保つものであるといえる。 また、顔のフレームとして髪はある。、それがなくなるということは、自分のアイデンティティの喪失につながるということで、髪にこだわるんだということは見方もある。 これら諸々の習俗、思惑が髪に対するこだわりの源といえるのではないだろうか。 ▲
by n_shioya
| 2013-09-10 22:04
| ヘアケア
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昔こういうジョークがあった。
“男性のハゲの根本的な解決法は二つある。 まず第一は禿げてない親を持つこと。 二番目は去勢すること。“ どちらも不可能なことであり、だから根本的解決は無理だというわけだった。 だが最近の医学の進歩でこの二つにもメスが入る。 第一については北里大学名誉教授の川上先生の研究もその一つだが、ハゲに関る遺伝子が解明され、それに対する対処法も進みつつある。 二番目はハゲにおける男性ホルモンの影響を押さえるものであり、最近使われ始めたプロペシアは毛根部での男性ホルモンの働きを抑制し、その前から使われ始めたミノキシジルと併用して発毛に威力を発揮している。 ところでハゲと言うのは禁句だそうだ。 かつてNHKでハゲの話しを頼まれた時,事前の打ち合わせでディレクターに“ハゲは放送禁止用語ですので”と注意され “ならなんと言えば?” “そうですな、若くして毛が薄くなったとか・・” “そりゃもっと失礼では?” “でも先生がうっかり口を滑らすのまで我々は責任は持てませんが。” と言うの「NHK」的なヒントをくれたのを思い出している。 ちなみに最近では,「薄毛」とか「貧毛」とか言うそうだが余りしっくりこない。 何かいい呼称はないでしょうか? ![]() ところで何故ハゲはそんなに肩身が狭いのでしょう? ご覧ください、このショーン・コネリー。 それなりに,いや若い頃にもまして魅力的とは思いませんか。 ▲
by n_shioya
| 2013-07-10 21:12
| ヘアケア
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毛の悩みは深刻である。
まず、言葉で詰まってしまう。「禿」は差別用語になっているからだ。 何時だったかNHKの健康番組で、「禿の特集」に駆り出されたことがある。 その事前打ち合わせのとき、ディレクターから “先生、「禿」は禁句ですから。” と釘をさされた。 “それじゃなんと言えば?” “若くて毛の薄さに悩む方とか・・・” “しかしそのほうが返って失礼じゃない・・・” などやり取りのあったあとで、 “でも先生がうっかり口を滑らしてハゲとおっしゃっても、生放送ですからお止めは出来ませんけどね、”とディレクターがニャッとした。 なるほどこれがNHK流の解決法かと感心した。 もっと深刻なのは、本当にハゲの解決法はあるのかということであろう。 昔こういう冗談があった。 「禿の根本的な解決法は二つある。 まず第一は、はげてない親を持つこと 二番目は去勢すること。」 どちらも不可能とお思いでしょう、つまり根本的な解決はないということのジョークである。 ただ僕が副理事長を務める毛髪研究グループFMLの努力の甲斐もあって、やっと突破口が見え始めたようだ。 まず第一の遺伝の問題だが、理事のお一人、北里大学名誉教授の川上先生のご努力で、ハゲに関る遺伝子が見つかったようである。まだ、すぐに治療まではつながらないが、すべてが遺伝子操作の時代だ。いずれは究極の解決になるのではないだろうか。 第二の問題は若ハゲの原因としての男性ホルモンの役割である。 一般に思われているように、ハゲの人は男性ホルモン過剰ということではない。 血液検査をすれば、ホルモンレベルは正常人と同じである。 ただある部位の、特に前頭部とか頭頂部の毛根が男性ホルモンにネガティブに反応しやすいのが問題なのだ。 前立腺がんの治療で睾丸を取って、つまり去勢すると、多少ではあるが毛が生えてくるのは事実である。 ならば前立腺肥大に使われる「男性ホルモン抑制薬」を試したら、というのは当然の発想で、それが最近話題になっているプロペシアという薬剤である。 そのほか皆さんご承知のリアップ、これは学名はミノキシジルというが、元来は血圧の薬である。それが副作用として毛深くなるということで、発毛用の塗り薬として開発されたものだ。 このほか、サプリメント、ヘア・ケアさらには植毛術など、そしていずれはは再生医療も夢ではないなど、毛の未来は明るい。 ![]() わがFMLクリニック・グループは毛に関る悩みと総合的に取り組んでいるわが国唯一とは言わないが、最も評価の高いクリニック・グループとだけ自画自賛して、それ以上の事はクリニックのホームページにお任せすることにしよう。 ▲
by n_shioya
| 2013-04-05 20:16
| ヘアケア
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今日はグループのカンファランスで、大変好いお話を伺う事ができた。
講師は東京医科歯科大学の西村先生。 テーマは「白髪と17型コラーゲン」。 ![]() このところ、若はげ、つまり男性型脱毛症の原因はある程度解明され、治療法も開発されてきたが、考えてみると白髪の研究はあまり聞くことがなかった。 先生によると、白髪の原因には17型のコラーゲンの不足が関与していると言う。 その詳しいお話は、分子生物学の最先端の知識が必要で、僕の理解の範囲を超えていたが、治療対象となる白髪があるうちに、早くこの知見が実用化される事を切望する次第。 ![]() 研究会の後は、例の銀座のアジトで懇親会。 西村先生、ご苦労様でした。 ▲
by n_shioya
| 2012-09-21 22:34
| ヘアケア
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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