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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2013年 05月 19日 ( 1 )
ドクターコール
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新幹線で急病人が発生してドクターコールしても、応答がないことが多いという。
ある時,学会の帰りで一車両殆どが医者仲間のことがあった。
“お医者様は!”と言うアナウンスが突如あったが,皆顔を見合わせるだけで立とうとはしない。
最寄りの駅に救急車を手配してくれた方が、と言う横着な判断もあったとおもう。
だが国際線ではそうはいかない。

或る時のフライトで。
シートベルト着用サインが消え、ドリンクサービス、ディナーに続いて映画が始まった。イヤフォーンを耳に付ける。
何の映画だったか、心臓発作で主人公が倒れ、医者はどこだと皆が右往左往する。やがてサイレンと主に救急車で搬送される。ところが医師の診察が始まったのに、まだ医者はいないかと響いてくる。ひょっと気がついてイヤフォーンをはずすと、それは機内放送であった。

すぐアテンダントの誘導で患者の席に駆けつけた。
こういうときにアメリカの医師は絶対立ち上がらない。その理由はあとで触れるが。
実は僕は外科医なので、大量出血ならびくともしないが、心臓発作だとお手上げで、こっちの心臓がおかしくなる。だがそうは言ってられない。
幸いもうすでに一人の医師が、聴診器を当てて診察を始めていた。ブロンドで大柄な、北欧系と思える男だった。
幸いすぐに血圧も持ち直して、顔色も回復してきた。

この患者もそうだったが、直前まで仕事に追われ,過労のまま乗り込み、機内サービスのワインをぐいとひっかけ、睡眠剤でぐっすりと思ったら、血圧が急降下しまったというのが、よくあるパターンである。
スウェーデンから来たという医者仲間に言った。
“お前がいてくれてよかったよ、俺は形成外科医なんだ。”
“いや、俺も産婦人科であまりこういうのは得意でないんだ。”
二人で顔を見合わせて、にやりとした。

なぜアメリカ人の医師は立たないか。
訴訟を恐れるからである。
機内には聴診器以外、応急処置に必要なものはほとんどおかれていない。
その昔、スチューワデスに看護婦の資格が必要だった頃は、応急セットは完備していたという。

アメリカは訴訟天国である。
機内とかこれは路上でも同じだが、何もないところで、十分な処置が出来ず、また、処置に関係なくも、何かあとで問題が起こったとき、医療過誤で訴えられれば、善意が仇となり医師は敗訴するからである。

ところでこういうとき、航空会社はどんな御礼をすると思います?
座席に空きがあれば、上のクラスにアップグレード。それからワインの一本とか。
僕はワインがあまり飲めないので、マイレージバンクのポイントでも、ボーナスしてくれたほうが有難いのだが。
こんな経験はこれまでに三度ほどあったろうか。 
by n_shioya | 2013-05-19 20:47 | 医療全般 | Comments(4)




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