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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2011年 05月 22日 ( 1 )
「いっしょに年をとろう!」
すべての機能は加齢とともに低下する。
丁度放物線のように、ピークに達っするとあとは速度の違いはあれ、下降線をたどる。
心肺機能と言った内臓の働きも、筋肉の力も、記憶力さえも。
だが、唯一つ、加齢と共に向上してよい機能がある。
それは“判断力”だ。これは経験の積み重ねだからだ。
大げさに言えば“叡智”と言ってもよい。
ピーター・ミルワード先生はそれを“精神的生命”と呼び、著書「英語の名句・名言」の中で、ロバート・ブラウニングの詩を引用している。

「いっしょに年をとろう!
 最上のものはまだ先にある。
 人生の最後、そのためにこそ最初は作られた。」

さすがは詩人、うまいことをいいますね。
これから僕もその“最上のもの”を収穫せねば・・・。
そしてその一つが“叡智”であって欲しい。

だが、そこに立ちはだかるのが、「認知症」の壁である。
以前にこのブログに登場した胸部外科の始祖、ザウエルブルッフの悲劇を想い出していただきたい。

「ザウエルブルッフは20期初頭のベルリン大学の外科の教授で、世界で始めて開胸術を行った胸部外科の先駆者で、その名のついた手術器具はいまだに使用されている。
ところが名声の絶頂期に、胃袋を切除してつなぎ忘れるという失態を犯した。今で言う認知症が既に始まっていたのである。
その頃のドイツでは教授の権力は絶対で、助手は教授の過ちを指摘することは許されなかった。日本の某大学の体質に似てますね。

そして患者は死亡した。
ベルリン大学はザウエルブルッフの教授の職を解き、事件は隠蔽された。これもわが国に似ています。
だがその後も世界中から患者が殺到し、彼は自分の家で手術を始め、アルゼンチンから訪れた甲状腺の患者を台所で手術して死亡させ、初めて事件は表ざたとなる。
外科医の腕は年と共に衰えるのは致し方ない、がそのピークがどの辺かは個人差もあり、又衰えの自覚は年と共に薄らぐのが外科医の浅ましさである。」

そしてこの問題は外科医に限らない。
いやむしろ、われわれが“最上のも”のを享受するための最大で最後の課題は、「認知症」の予防と其の対策ということは、アンチエイジングをご存じないブラウニングさんも同意してくださるでしょう。
by n_shioya | 2011-05-22 21:06 | アンチエイジング | Comments(4)




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