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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2010年 11月 29日 ( 1 )
「耄碌寸前」
こんなセリフはどうです。

“私はある種の老人のように青年たちから理解されようとも思わない。又青年たちに人生教訓を授けようとも思わない。ただ人生を茫漠たる一場の夢と感じて死にたいのだ。そして人生を模糊たる霞の中にぼかし去るには耄碌状態が一番良い。というのはあまりにも意識化され、輪郭の明らかすぎる人生は死を迎えるにふさわしくない。活動的な大脳が生み出す鮮烈な意識の中に突如として訪れる死はあまりにも唐突すぎ、悲惨である。そこには人を恐怖におとしいれる深淵と断絶がある。人は完全なる暗闇に入る前に薄明の中に身を置く必要があるのだ。そこでは現実と夢がないまぜになり、現実はその特徴であるあくどさとなまぐささを失い、いっさいの忘却である死をなつかしみ愛撫しはじめる。”

「耄碌寸前」_b0084241_22541970.jpg森於菟の「耄碌寸前」の一節である。
彼は森鴎外の長男であり、ある時期まではひたすら医学の道を進むが、やはり血筋か、晩年には珠玉の随筆を紡ぎ出す。
耄碌寸前」は71歳の時の作品だ。

アンチエイジングとは加齢とあらがうことでなく、老化といかに折り合いをつけるかだと僕は思う。
諦念ではなく、耄碌を死へのプレリュードとして、ユーモアを失わず受容する心境、まさにアンチエイジングの極致と言えるのではなかろうか。
by n_shioya | 2010-11-29 22:55 | アンチエイジング | Comments(2)




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