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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2010年 11月 12日 ( 1 )
ゴッホ展
子供の頃に読んだので記憶は定かではないが、確かマーク・トウエンの短編で、次のような話だったと思う。
「ある男が汽車で旅をしていた。たまたま同席の男と会話がはずみ、相手が身の上話を始めた。
“画家を志し、仲間たちと画業に励むが、誰の絵も一向に売れない。
そこで仲間の一人が提案した。
画家は死ぬと急に名声があがることがある。この中でくじ引きして、当たった奴が死んだことになってこの世から姿を消したらどうだろう。
そこでくじを引いたら私が当たってしまったのです。幸い私の絵が売れ始め、仲間が分け前をよこしてくれます。
だが私はもうこの世にはいないことになっています。
あ、駅に着きましたな。私はここで下車します。
詰らぬ話をお聞かせしましたが・・・わたしの名ですか。
ミレーと申します。”」

ゴッホ展_b0084241_22452216.jpgこんな話を想いだしたのは、今日、新国立美術館でゴッホ展を観ながらである。
最近よくそうするのだが、音声ガイドで作品を見て回った。
昔は馬鹿にしていたが、作家の生い立ちや、作品のバックグラウンド、そしてまた、見どころなどが分かり、慣れると便利なものだ。
だが、最後のところで
“そうしてゴッホは36歳で自分で命を絶ちましたが、それまでに売れた絵は一枚だけでした。”
というナレーションが入りちょっと不安になった。
それは泰西名画を観るときに、しばしば感ずる不安である。

ゴッホ展_b0084241_22462791.jpg我々世代は、現物に接する前に複製や解説書で手ほどきを受けている。丁度音声ガイドが教えてくれるように。
だから、名画を見て感動しても、解説書に書かれた感動をなぞっているだけではないかという不安である。
もし予備知識なしで、骨董屋のがらくたの中に埋もれているゴッホを見た時、果たして名作として認識するだけの眼力があるだろうか、という不安である。

かといってもう、ゴーギャンの自画像を見てゲーッと思い、ピカソの泣く女を見せられてケタケタ笑った子供時代からやりなすことができない。これは実物抜きで解説を水先案内に、西洋芸術に慣れ親しんだ者の悲哀ともいえる。ゴッホ展_b0084241_224707.jpg
by n_shioya | 2010-11-12 22:50 | 美について | Comments(6)




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