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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
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先日、ハーバードのサンデル教授の「白熱教室」をNHKの教育テレビで見て、衝撃を受けた。
内容もだが、学生たちとのディベイトの運びのテクニックの素晴らしさである。 政治哲学がサンデル教授の専門で、メインテーマは『正義について』である。 著書も最近のベストセラーで、又この春、テレビでも紹介されているから馴染みのある方も多いことと思う。 ![]() 学生の講義から離れて長いが、あのような白熱した授業が行えれたらどんなに楽しかったろうし、又学生の刺激にもなったかもしれない。 今でも、いろいろな形での講演や、カルチャースクールを担当してをり、何時も両方通行の討論を醸しだしたいと思っても、昔の癖でこちらがしゃべりたいことを喋りまくる一方通行になってしまう。 勿論彼の講義も、一見自由闊達な白熱した議論ではあるが、結局は単純化された彼の持論に旨くはめられてしまう感がないでもないが。 ただ学ぶべきことは、 ①討議すべきターゲットは明確にすること ②しかし導入にあたっては、一見無関係な卑近な問題を取り上げること。 ③問いかけはできるだけシンプルに、イエス・ノーで手を挙げさせる。 ④そして手を挙げたそれぞれの立場のものに、その理由を説明させる。 ⑤その説明をさらに追及して、矛盾点や問題点を浮き彫りにしながら、学生と共にターゲットと取り組む。 ⑥結論は必ずしも重要ではないし、出せない場合もある。むしろ価値の多様性を認識させるのも一つの重要な目的と考えているようだ。 これをアンチエイジングのレクチャーに持ち込むと、ターゲットは幾らでもある。 ①アンチエイジングとは何か? ②何も目的とするか? ③どんな手段が適当か? ④自分なら何を実行する? だが、これをカルチャースクールで試すには、こちら側の相当の準備と、柔軟な対応が求められる。又、ある程度の参加者の意識レベルも。 さもないと支離滅裂な議論になるか、唯皆押し黙ってしまうであろう。 どちらかというと、新米「白熱教師」には後者が恐ろしい。 丁度落語家の悪夢が、“落ち“で誰からも笑いが出ないような。 ▲
by n_shioya
| 2010-09-30 21:41
| コーヒーブレーク
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Comments(4)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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