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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 11月 02日 ( 1 )
「ウィタ・セクスアリス」
アンチエイジングに関わるようになってから、改めて読み返したい本が二冊あった。
一つは昨日取り上げた「海からの贈り物」で、今一つは、森鴎外の「ウィタ・セクスアリス」である。

改めて読み返すと、よくあの時代にしかも鴎外のような立場の男が、あれほど赤裸々に自分の性生活を、小説とはいえ暴露出来たものと感心させられる。

この中で主人公の金井博士に次のように言わせている。
「自分は無能力者ではない。Impotent ではない。世間の人は性欲の虎を放し飼いにして、どうかすると、その背に騎って、滅亡の谷に落ちる。自分は性欲の虎を馴らしておさえている。・・・」

年をとればそのも、ひとりでに大人しくなってくる。
最近はどういう統計かわからないが、日本人が世界で一番“性”に淡白であると、あたかも怠慢であるかのごとく強調されているが、なんでわざわざ寝た虎を起こす必要があるのか疑わしい。

白人との付き合いも長く、彼らの赤裸々な生態に接していると、あまりにもに振り回され、振り落とされるものが多いので嘆かわしくなる。
しかもアメリカのアンチエイジングの専門学会では露骨にセックスの問題が中心課題として強調されている。
ポンコツ車のエンジンだけ馬力をあげて、無理やりスピードだけを出させるような試みは滑稽でさえある。

海からの贈り物」では、人生の各ステージにふさわしいライフスタイルが、貝殻になぞらえて展開する。
勿論僕も高齢者の性の問題をないがしろにしていいとは思わない。
有吉佐和子もその問題は重々承知し、「恍惚の人」を発表した際、高齢者の性の問題はあまりにも大きな問題で、それだけで一つの作品とすべきなので、「恍惚の人」からはあえてその問題をはずして書いた、と述べているほどである。

かといって僕がアンチエイジングネットワークの五カ条の一つに「いくつになっても男と女」をあげたのは、決して無理して「失楽園」に励めということでは毛頭ない。
高齢者でも、その立場と価値観に応じ、異性を意識したライフスタイルの重要性を取り上げただけである。
そしてその異性との関わりについては、その存在に恵まれている場合は、改めて配偶者と向き合うことが最優先課題となることは、「海からの贈り物」の後半でも鋭い考察がなされているとおりである。
by n_shioya | 2009-11-02 22:59 | アンチエイジング | Comments(5)




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