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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 10月 20日 ( 1 )
「夜と霧」
b0084241_187422.jpgフランケルの「夜と霧」を読み終えた。
じつはこれが三冊目である、三回目ではない。
始めに買った二冊はどうしても読むことができなかった。あまりにも描かれている収容所生活が生々しかったからだろうか。 

霜山氏によって1956年に訳された旧版は、原著が1947年に刊行されている。
そして今回は、1977年に刊行された新版に基づいて、2002年に別の訳者が訳出したものである。
60年たってやっと読み切るだけの冷静さを僕が取り戻したということだろうか。

アンチエイジングを掘り下げて、QOL,生活の質にたどり着いた時、究極は生の意義、つまり生きることの意味を問い続ける以上、このフランケルの「夜と霧」を避けて通ることができなくなったともいえる。

それにしても強靭な精神の持ち主である。
勿論著者が精神医学者であるとしても、あれほど過酷な環境の中で、理性を保ち続けて、しかも自分を客観視でいるとは信じがたいほどである。
「心理学者、強制収容所を体験する」という原題ほど、ないようにふさわしいものはない。

それにしても、とまだこの戦争被害者意識から抜けられぬブログの著者は考える。我々の子供時代も、日本は収容所列島ではなかったろうかと。
神国日本の天皇の敷いた恐怖政治と、その手下どもの帝国軍人の野獣性と残虐行為は、程度に雲泥の差はあれ、強制収容所のナチの軍人の実態と何ら変わるところはない。
精神教育の名のもと、配属将校から理由もなくピンタを食らい、果てはお互いに向き合って2列に並ばされ、ピンタの打ち合いをさせられる。
一言でも理性的な言葉を発すれば、お前ら虫けらが何とぬかす、天皇陛下の為に死ぬことにしかお前らの命の価値はない、と足蹴にされた。
このような狂気の世界が、8月15日に解放されるまで続いた。

最初の訳者の霜山氏も同様に感じたようである。
彼の新訳者への言葉の一部を、いささか長くなるが引用する。
「・・・このような超国家主義の悲劇は、周知のように本邦にも存在し、多くの死と不幸を人々にもたらした。軍閥は相克しつつ堕落し、良識ある国民、特に知識階級に対しては、国家神道の強制、および治安維持法による(ナチスに負けない)残忍な逮捕、無期限な留置、拷問、懲役で「転向」を強制するのであった。
戦争の末期に至るや、「特攻作戦」と称して強制的な命令によって、あらゆる中古機、練習機、古い水上機等を主として、これを爆装して、陸海軍合わせて何と七千名の少年兵出身で、やっと操縦できる程度の低いパイロットをのせて、いわゆる「神風」の体当たり作戦に投じ、ほとんど全滅であった。この無法な作戦の上奏に対して、天皇が許可しなければそれまでであった。しかし彼は黙認してしまった。私には未だに血の逆流する思いが断ち切れない。・・」
by n_shioya | 2009-10-20 23:58 | コーヒーブレーク | Comments(8)




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