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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 10月 09日 ( 1 )
寺田寅彦は忘れたころにやってくる。
b0084241_20513811.gif学会の合間に本屋に立ち寄ると、「寺田寅彦は忘れたころにやってくる」と言う新書が目につき、買い求めてしばらく読みふけった。

天災は忘れたころにやってくる」という格言は知らない人はないと思うが、それを言ったのが寺田寅彦だということを知っている人はまだどれほど生きているだろうか?
ましてその寺田寅彦が有名な物理学者で且つ随筆家としてもっと名が通っていたということを知っている人が。

昔の中学の教科書には、いくつかの代表作が載っていた。
高校時代には岩波文庫の随筆集を夢中で読んだものである。
自由な発想が魅力だったが、晩年の作品はあまりにも突飛な思いつきでついていけなかった覚えがある。
吉村冬彦というペンネームの作品もあり、また弟子には雪の研究家で随筆の名手の中谷宇吉郎がいた。

まだ読み始めたばかりだが、教育に関したわが意を得た一文があるので引用する。

「子供から青年までの教育機関はあっても中年、老年の教育機関が一向にととのっていない。しかし、人間二五,六歳まで教育を受ければそれで十分だという理屈はどこにもない。死ぬまで受けられる限りの教育を受けてこそ、この世に生まれてきた甲斐があるのではないかと思われる。現在ある限りの学校を卒業したところで、それ添えで一人前になれるはずがない。」

ごもっともである。寺田寅彦がこの文章を発表した昭和九年はいざ知らず、現在では生涯学習という言葉も定着し、また放送大学と言うまことにありがたい機関も成長している。しかし、寺田寅彦の発想はじつに自由であり、次のような言葉をつけ加えている。(この部分新書より)

「中年学校、老年学校を設置して中年、老年の生徒を収容し、その教授、助教授には最も現代的な模範的ボーイやガールを任命するのも一案である。
子供を教育するばかりが親の義務でなくて、子供に教育されることもまた親の義務かもしれないのである。」

さて、そうなると僕の息子や娘は親父に何を教えようとするだろうか?いささか気になるところである。
by n_shioya | 2009-10-09 23:21 | コーヒーブレーク | Comments(11)




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