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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 08月 20日 ( 1 )
「残照」
留学時代に知り合った仲間の一人で和辻哲郎の「風土」に心酔した男から、ぜひ読むよう勧められたことがある。
勿論その存在はしってはいたが読むチャンスを逸していただけである。
が、アメリカでは手に入らなかったので、帰国後すぐ入手して読み始めると、なるほどと感心させられた。

風土モンスーン(日本を含む)、砂漠牧場に分け、それぞれの風土と文化、思想の関連を追及した名著であることを実感した。
1920年代の短期のヨーロッパ留学で、これほどの鋭い分析ができるのは驚きだった。
また、彼の記す当時の日本人の思考形態、ライフスタイルが、僕が帰国した1964年の在り様と、本質的には何も差異がないのに、愕然となったのも記憶に新しい。

b0084241_9454267.jpgその留学時代の仲間が、“つまらん本を出したのでとりあえず・・・”と言って一冊送ってくれた。「残照」という題の半生記である。
これがなかなかの名作である。最近読んだ本の中では、群を抜いて読み応えがあったと言いたい。

“あとがき”にあるように、
「日ごろ、自分の周辺に起きていることの中で、自身に大きな影響を与えたと思われることを中心に書き連ねた。単なる自叙伝や自分史に陥るのを避けるため、できる限り普遍的な事項をとりあげ、それに私なりの考察を加えてまとめたつもりである」
という重厚な内容と文体である。

具体的な内容を別にすれば、和辻哲郎の未発表の自伝が発見されたといっても通用しそうな出来栄えである。
ちなみにその友人は帰国後母校の外科教室に戻り、やがてその主任教授として活躍、現在は名誉教授として悠々自適の生活?を送っている。

“単なる自叙伝や自分史”すら書き得ない、“軽薄短小”を旨とする男にとっては、“頂門の一針”でもあった。
by n_shioya | 2009-08-20 23:02 | コーヒーブレーク | Comments(3)




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