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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 07月 30日 ( 1 )
医師の心得
これはすでに書いているかもしれないが、患者中心の医療が叫ばれている今、医師の卵にとっては大切な心掛けだと思うので、改めて記す。

アメリカでは医学部の教授は基本的には開業医で、大学から月給が出るわけでなく、肩書だけをもらう。収入は患者からの上りに頼るので、患者を大切にする。
そういう教授の診療態度から、レジデントは自然に患者中心の医療、平たく言えば開業術を学ぶことができる。

そうして僕が学んだレッスンの中で僕が研修医に繰り返し教えてきたことが三つある。

まず、回診のときは、ベッドサイドの椅子に座り、立ったままで話さない。こうして患者の話をじっくり聞きますよ、という安心感を与える。さもないと患者は医師がすぐ次のベッドへ移るのではときがかりで、十分聞きたいこと、訴えたいことも口に出せなくなってしまうからだと教えられた。
また寝ていて立ってる医師を見上げると、威圧感を感じて言いたいことも言えない、ということは僕自身の入院経験で思い知った。

次は予約。再来の予約はたとえ半年先でも、何月何日の何時と決めること。再診が大事だと認識するからだ。半年したらまたおいででは、患者がつい忘れてしまうことも多い。
どんな病気であれ、患者は癌を恐れていると思い、がんでなければそう告げること。
およそ癌と無関係の病気の場合、医師の念頭には癌のことなどまったくないので、改めて癌ではないと告げることなど思いつかないで診察を済ますと、ああ、やっぱり癌だったのか、だから医師はそれを話題にせず隠したのではないかと思い込んでしまうことが多々ある。

薬を処方するときは、服用方法を具体的にすること。
とりあえず日に2,3回飲んで、などと言うのは決してよくない。日に三回なら三回、それも食前か食後。はっきりと指導する。
そのほうが薬の効果も上がるというものだ。
薬の目的とその副作用について十分説明することは言うまでもないが。

このようなきめ細かい配慮は、残念ながら日本の大学病院ではあまり教えられてこなかったし、患者を「」づけで呼ぶよりもはるかに大事だと言える。

ちなみ我が国の保険制度では、診療報酬は一律で、経験や技術は完全に無視される。
医師免許取り立てであろうと、ベテランの医師であろうと、治療費は一銭の違いもない。
もちろん学会認定の専門医であろうとその分野の素人医師であろうと、まったく関係はない。医師なら原則として医療行為すべておこなえるのが現在の医師法である。
それが医療訴訟となると、突然、経験が問題にされる。

このような矛盾だらけの保険制度のもとで、よい医師が育つはずもなかろう。
by n_shioya | 2009-07-30 22:26 | 医療全般 | Comments(13)




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