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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2008年 09月 02日 ( 1 )
六十の手習い
白洲正子がこう書いている。

「昔、私の友人が、こういうことをいったのを覚えている。
――――六十の手習いとは、六十歳に達して、新しくものをはじめることではない。若いときから手がけてきたことを、老年になって、最初からやり直すことをいうのだと。
まだ若かった私は、そんなものかと聞き流していたが、この頃になってしきりに憶い出される。幼いときから親しんだ百人一首について、改めて考える気になったのもその為だ・・云々」
というのが、「私の百人一首」の序文の書き出しである。

確かにアンチエイジングの立場からは、新しいものへの挑戦が強調されるが、まっさらなことをはじめるのも良いが、昔手がけたことを見直し、再生させるのも、効率よく充実感を得ることのできる方法であろう。

それにしても、百人一首とは上手いところに目をつけたものである。

確かに昔の子は、百人一首はほとんどすべて、上の句、下の句、元旦のカルタ会でそらんじるようになったものだ。
だが、大概の句は小学生に意味するところがわかるはずはない。また、本当の意味を子供に聞かれたら親は返答に窮したろう。
だが、60を過ぎて読み返せば、これほど味のある世界はない。僕のクラスメートの耳鼻科の教授だったのが、退官後、百人一首にのめりこんで、教養課程で講義を始めた気持ちもわからぬではない。
アンチエイジングには各人各様の手法があるものだ。

ところで子供時代は、本来の和歌の意味するところはあまりピンと来ず、かえって替え歌のほうがすぐ頭に入るものだった。
たとえば西行
「心なき身にもあはれは知られけり
 鴫たつ沢の秋の夕暮れ」
よりは
「菜のなき膳にあわれは知られけり
 鴫焼き茄子の秋の夕暮れ」
のほうがピンと来たものである。
と言っても、“鴫焼き茄子”は僕の大好物だったのでお間違いのないように。

実はこれで失敗したことがある。
姉が新婚早々、旦那と一緒に夕食に呼んでくれた。一日かけてご馳走を用意してくれてた筈だ。
そしてちゃぶ台に“鴫焼き茄子”が運ばれてきた。
スッカリ嬉しくなって、僕は件の替え歌を披露したものである。
姉夫婦がどんな顔をしたか覚えていない。ただ、なぜか一瞬気まずい空気が漂ったような覚えがあり、いまだに思い出すたびに己がオッチョコチョイさ加減に自責の念を覚える。
by n_shioya | 2008-09-02 20:36 | アンチエイジング | Comments(4)




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