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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2008年 03月 17日 ( 1 )
グッド・サマリタン法
国際線に乗っていると、“お医者さん居られませんか!”という突然の機内放送で夢を破られることがある。

こういうときにアメリカの医師は絶対に立とうとはしない。後難を恐れるからだ。
機内には医療設備は無いに等しい。もし好意的に治療して結果が悪かった場合、訴えられれば敗訴するからだ。
かつてスチューワデス看護師の資格が必要とされた頃は、救急箱は整っていたという。
今は、血圧計があるだけで、薬は一切用意されてない。

このような場合思うように治療ができなくても、医師は免訴してもらえるという法律がニューヨークの議会に上程されたことがある。
世にいうグッド・サマリタン(良きサマリヤ人)法である。これが否決されたとき、医師側はそれなら路上で怪我人や、急病人を見かけても見殺しにするのもやむをえないということになったのを覚えている。

だから機内での救急コールに答えて立ち上がるのは、大概日本の医師である。
およそ聴診器と縁の薄い形成外科医の僕でも、誰も応じなければ、こちらの心臓をどきつかせながら、恐る恐る席を立つことにしている。
外科医の僕は、どんな大出血でもびくともしないが、ちょっとでも脈の乱れた患者を前にすると、こちらの心臓が止まりそうになるからだ。

そんなあるとき、呼び出しに応じてわざとゆっくり駆けつけてみると、幸いにもう金髪の若い医師がその場に到着していた。
、足を挙上して寝かされた患者は、血色も戻り血圧も落ち着いてきた。
聴診器をぶら下げた若い医師に、“君がいてくれて助かったよ、俺は形成外科医だから”というと、
“俺だって、精神科なんだ”とニヤリと小声で答えた。彼はやはりアメリカ人ではなく、フィンランドの医師だった。

その後の経験で分かったが、ほとんどの場合は、忙しいビジネスマンが寝不足のまま搭乗し、睡眠剤をアルコールで煽って寝込んで起こる、一過性の貧血である。今のように寝かせて足を挙げればほとんど回復する。

もっと遥かに深刻な事態で、ジャンボ機をアラスカに緊急着陸させた経験や、そもそも「グッド・サマリタン法」とは何であるか、別の機会に譲ることとしよう。
by n_shioya | 2008-03-17 22:22 | 医療全般 | Comments(3)




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