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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2008年 03月 15日 ( 1 )
親父崩壊
今度ほどアンチエイジングという掛け声にむなしさを感じたことは無かった。

若いときから玄米菜食
ゴルフはシングルで、93歳で三回目のエイジシューティング
自ら編み出した呼吸法の普及に全国行脚。
俺は120歳まで生きて見せると言った親父が、夕べ106才マイナス10日で息を引き取った。
十分に生きたと思う。
だが、ピンピンコロリではなく、最後の6年間は寝たきり生活がつづいた。

100歳のとき、今一度エイジシューティングに挑戦すると頑張りすぎて、体調を崩し寝込んだのである。
ある晩、マンションのエレベーターの中で倒れているのが見つかった。
大腿骨折脳梗塞の併発。どちらが先か、また同時かも分からない。
取り合えず、大腿骨骨折の手術を行った。だが、覚悟してはいたがその後認知症となり、意思疎通もママならなくなった。
その後ケアホテルでリハビリを続け、数年後特養に移り、一月前肺炎を併発し、三井記念病院に搬送。手厚い看護もむなしく、急速に衰弱が進み血圧が下がり、脈もかすかになり、やがて呼吸も止まった。

この6年というもの、自分の親が崩壊して行くのも見続けるのは辛いものがあった。
百歳までのかくしゃくたる姿が印象的だっただけに、“俺はな、120歳になったら、バイ、バイと皆に手を振って霊界に行くからな、心配するな。”と大言していただけに、うつろな、やせこけた親父を見るのは情けなかった。
特に最後の入院期間はかすかな希望と医療のむなしさとが入り乱れた、複雑な思いの一月だった。

わが国の医療制度と介護の矛盾をまざまざと体験させられた一月でもあった。

だが何よりも、アンチエイジングとは何のためと反省させられた。
ピンピンは結構。だがコロリの代わりにだらだらと要介護の期間が延びるとしたら。

何も無理してアンチエイジングと称して一部の生物機能だけ奇形的に強化することになにほどの意味があろうか?
ある一部の機能だけが老化が進み、全体の足を引っ張っているならその部分の補強は意味があるだろう。
また、もし全身の機能の衰えバランスよく改善できるのならそれに越したことは無い。
だが、アメリカのようにホルモンでタダ筋肉もりもりをつくり、またバイアグラの力で盛りのついたオスを目指すのは、虚構の世界ではなかろうか。

配偶者はしみじみ言う“人間、自然が一番よ”

人体とその運命人知の及ばぬ世界である。
いくら手法としてのアンチエイジングが発達しても、一部の機能の若返りが可能になっても、それで自分の寿命を操作することができると思ったら、それは思い上がりというもので、何らかの形で手ひどいしっぺ返しを食らうのではなかろうか。

ちなみに今回は子供たちだけで親父を見送ることにしましたので、お許しください。
by n_shioya | 2008-03-15 23:04 | アンチエイジング | Comments(17)




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