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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2007年 12月 24日 ( 1 )
蛆虫療法
蛆虫を飼ってキズを治すというと皆、オェーと顔をしかめる。
バッチイ処ににバッチイ物をくっつけてと言いたげである。
だがこれが今話題の蛆虫療法、マゴットテラピー、である。

アメリカで形成外科の修行中、重症の熱傷患者の治療を受け持ったたときのこと、ある日教授の総回診で毛布を剥ぐと、全身ぐるぐる巻きの包帯の下から蛆虫がにょろりと這い出てきた。

ヤケドの範囲が広いときは、日にちをかけて少しずつ植皮をしていくのが当時のやり方で、後回しになった部分は当然包帯の下でヤケドした皮膚はどろどろに解けている。
それを一生懸命洗浄してキレイに保つのがレジデントの勤めであり、這い回る蛆虫を前に、僕は教授の雷を覚悟した。

すると意外なことに教授は“慌てるな”と言う。
昔は蛆虫腐った皮膚を食べさせて傷の上がりをよくしたものだ。
第二次大戦で軍医として戦傷者を多数治療した経験のある教授の説明だった。
“なら、無菌培養した蛆虫を治療に使ったらどうです?”と図に乗って提案したら“馬鹿なこと言わんで、しっかり包帯交換しなさい”と今度はたしなめられた。
50年前のことである。

それが今、蛆虫療法、マゴットテラピーとして復活し、無菌的?蛆虫が海外で販売されるようになった。
何も高い輸入物に頼らなくてもと、日本医大の再生医療チームマゴットテラピーベンチャービジネスに仕立て、国内に供給する体制を作ったということが報道されていた。
面白い試みといえる。

今考えられている蛆虫を使うメリットは三つほどある。
①死んだ組織、壊死組織というが、をメスでとると健常な部分も傷つけ、出血も覚悟しなければならない。だが、蛆虫は利巧で、腐ったものしか食べないので、健常な部分を損傷しない。
②蛆虫の分泌物には殺菌作用があるようだ
③分泌物には更に傷の直りを促進する物質が含まれているらしい。
というわけで、これまで治療に難航した下腿潰瘍に効果を発揮し、切断をまぬかれるようになった例も多々あるという。

下腿潰瘍とは、足に出来る治りの悪い皮膚の崩れで、原因としては糖尿病、動脈閉塞、静脈瘤などが主なもので、今までは日本人には少なかったが、ライフスタイルの変化でこのところ急増している。
詳しくは、創傷治癒センターのhomepageをご覧ください。
by n_shioya | 2007-12-24 14:50 | キズのケア | Comments(4)




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