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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2007年 12月 18日 ( 1 )
形成外科の薦め
数日前、形成外科の若いレジデントから、次のような悩みを打ち明けられた。
 
「・・・・形成外科を続けていけるかどうか悩んだ最も大きな理由の一つは、患者さんが感じる身体的な痛み(特に術後)・精神的な痛みに対して、自分があまりにも鈍感である気がしてならなかったことが挙げられます。忙しさと疲れのためか、日々の包交を淡々と機械的にこなす自分を、いつしか恐ろしいと感じ、そして、こんな医者には自分が患者なら診てほしくないなと思い始めました。 形成外科。。。というより、医師としてやっていけるかだんだん不安になってきていたのです。・・・・」

僕はこうお答えしたい。
「素晴らしい悩みですね。僕などは鈍感なのか、ついぞ悩みも疑いもなくよくこれまで能天気にやってきたものだと反省させられました。

確かに昔、形成外科の啓蒙書の序文に,“手術とて人間のなせるわざです。最善を尽くしたつもりでも最良の結果を生むとは限りません。治療方針や結果に悩むときには、患者さんの心の痛みに支えられ、やがてその満足を無上の喜びと感ずるのが、形成外科医なのです。” 自分でこう書いたのを思い出します。
でもこれは3分の建前で、7分の本音のところでは、唯手術が面白くて自分の楽しみでやっていたと、今は白状します。

その後書いた美容外科の啓蒙書にも、“メスで心を癒す”など、大仰な副題をつけています。でもこれもあるべき姿、自戒としていっている面も多分にあったと思います。

すべてがオートメーションの時代、ダビンチなどというロボット手術が現実になった現代、シコシコと皮膚を手で縫っていく楽しさ。そして他の外科と違い、その仕上がりも嘆賞できる、反対に失敗すれば患者のほうがもっと敏感に察知してしまうという厳しさはありますが、素朴なこのアナクロニズムがなんともいえぬ魅力なのでしょう。一言で言えば、造形の醍醐味ということですか。

僕がアメリカでレジデントを終えたとき、アメリカにはまだ形成外科医のいない州が五つありました。
ワイオミング、北ダコタ、南ダコタ、モンタナ、アイダホというロッキーの北部で隣接した五つの州です。その山間で開業して、看護婦一人を相手に手術を楽しみ、僻地を小型飛行機で往診をするのが夢でした。

その後形成外科は貌しました、いい意味での飛躍です。マイクロ、クラニオ、そして培養皮膚に先導された再生医療等々。
自分の興味が基礎研究であれ、臨床であれ、また取り組む臓器が皮膚であれ、頭であれ、足であれ、だれでもがどこかに必ず自分が最も興味を感ずる分野が見出せるのが今の形成外科の魅力です。

迷わず頑張ってください、肉体労働は一時なものと耐えて。そして楽しんでください。それが患者の幸せに繋がるならそれもまた素晴らしい、と気楽に考えて。」
by n_shioya | 2007-12-18 22:39 | キズのケア | Comments(0)




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