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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
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かつて栄光学園にフォス先生という“名物校長”がいた。イエズス会の神父で学園の創設者でもある。
僕の長男が栄光でお世話になったので、何かとフォス先生のお話を聞く機会があった。 そのフォス先生が、僕のガールフレンドですよ、とよく冗談交じりに褒めちぎっておられたのが、岡山のノートルダム大学のシスター渡辺である。 シスターの場合は“名物”では失礼で、大変な“人気校長”と申し上げるべきだろう。 御著書も多く、愛読させていただいているが、お話を聞くのは昨日が初めてだった。 「キリストの香り」というテーマで、もう80才前後のはずなにに、立ちっぱなしで2時間近く山手教会のお御堂で話された。 優しいお声で、温かみのある話をされる。しかもすべてあたりまえのことだが、よくよく考えると内容は厳しい。 たとえば世の中に雑用というものはない、すべて与えられた仕事は相手のためを思い、心をこめてやれば、自分の幸せにもつながる。だが用を雑にすませば雑用になってしまうといったようなお話。 そして今日のお話の中心は “クリスチャンたるものはまず喜びを持ち、絶えず祈り、そして感謝の心を持つこと”というパウロのテモテ書の一節の引用であったが、ご自分の体験を中心に展開されるお話は、大変現実的かつ現代的であり、絶えず学生に接し、その生態に通じておられるからか、“ケータイ”、だの“出会い系サイト”などトレンディな言葉も連発され、古い信者さんなどはいささか面食らわれたのではないかと思う。 そう、エステだのプチ整形だの、こちらに関係のある言葉も飛び出してきた。 これは、女子学生が容姿のキレイさにこだわるのも悪いことではないが、同時に心を美しくする努力も、もっと大事だと教えるようにしています、というお話のときだったと思う。 形成外科医たるものも心すべきである。 特に僕の心に響いたのは、“時間を大事にしなさい。なにをするにもパウロの言葉を思い出して、三つの心得を実行なさい。 雑用と思って時間を無駄にすることは貴方の命を無駄にすることですよ。”というお言葉だった。 健康長寿を達成しても、それで得た時間をエゴのためだけに費やしていたら、何が生きがいなんだろう。 アンチエイジングに関わってきて、その命何のため?という問いかけに頭を悩ましていた身としては、なんとも耳の痛い話だった。 ところで表題の「キリストの香り」だが、クリスチャンたるもの、パウロの教えにのっとって魂を図り、仄かにでもキリストの香りが漂うようになってほしいというご趣旨だった。 絶えずクリスチャンらしからぬ異臭を漂わせている僕としては、これもまた耳の痛い話だった。 ▲
by n_shioya
| 2007-11-12 16:59
| QOL
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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