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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
奥本大三郎先生の「ファーブル昆虫記完訳」が売れに売れているそうだ。
中でも一番の人気は、スカラベ(糞虫)の部分だそうだ。 僕も小学校時代、夢中で愛読した下りである。 学名は「スカラベ・サクレ」。訳せば「聖なる黄金虫」。実態で言えば「糞転がし」である。 他の動物の糞を餌とし、それを独り占めにするために、球にして転がして巣に運びこみ大切に貯め込む。子供の餌にするという目的もあるようだが、しまった場所を忘れることもあるという。このあたりが本能の賢さと愚かしさとして、ファーブルに興味深く描かれていたように思う。 なぜ、今「糞転がし」なのか。 霞が関の住人の行動パターンに酷似しているからである。 ともかく税金をむしり取って、貯め込むことしかしない。使うとすればわが子ならぬ自分の保身出世のために族議員に捧げる。 しかも貯蓄量は絶対明かさない。その実態が最近、「埋蔵金」として暴かれ始めた。 それならもう一度糞虫の生態を勉強しなおそうと有隣堂に出かけたところ、別の面白そうな本を見つけた。 「脱藩官僚、霞が関に宣戦布告」である。 江田、高橋を含め、八人の「脱藩官僚」の同名の会の合作である。この中の高橋洋一氏こそ、埋蔵金を発掘した男として知られ、僕も以前に彼の「さらば財務省」を読んで、大いに納得したものである。 以前にも書いたが、40年のいわゆる廊下トンビとしての経験から、霞が関の糞虫たちの生態はある程度はしっているつもりだ。 あの、プライドも人間性もかなぐり捨てた哀れな姿は、必ずしも好きでやっているわけでないことも承知している。 「村の掟」が厳しいからだ。 だが、その「村の掟」が国家のそして国民の利益に優先していることが問題である。 糞虫を軽蔑してはいけない。 あの「糞の玉」で幼虫は育っていくのだから。 「埋蔵金」も、イザという時に国民を危機から救うためにあるのではなかろうか。 今、そのイザが来たという時に吐き出さなくて、なんで糞玉をため込んだ意味がある? 消費税引き上げに必要な危機感をあおるため、「埋蔵金」を隠し続けているのでは、と素人は勘繰りたくなる。
by n_shioya
| 2008-11-10 21:33
| コーヒーブレーク
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Comments(4)
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vicoprofen at 2008-11-10 22:43
スカラベは大好きな昆虫のひとつです。食料問題を考えた時に先進国の排泄物に含まれる余養分を再利用する方法があります。大学の食料問題チームや宇宙開発がこの分野を研究しているそうです。バイオを使ってタンパク質とメタンに分解し、タンパク質は食料に、メタンはエネルギーに再利用できます。霞ヶ関の連中はくだらん接待などで必要以上に栄養を摂取し、無駄な養分をたくさん排出しているので、彼らにはもう一回それを食べてもらうのがいいですね(笑)。
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n_shioya at 2008-11-10 23:03
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きのこ組
at 2008-11-11 05:10
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日本の政府は不思議です。
埋蔵金も意図的なものか、単に溜め込んだだけで忘れてしまったものなのか? 太平洋戦争時に、将来の日本の再建を想定して、エリート官吏の中の超エリート組を戦死させないために"主計将校”のポジションを設けたり、戦争に行かせなかったり。。。利口なのか、腐ってるのか? 先生、なんのカンの言っても、世界で日本はのらーりくらーりとバカを装って、甘い汁を吸う国であると思いたいのですが。。。いや、そうであってほしい。 じゃなきゃ、日本政府はただのバカ。
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n_shioya at 2008-11-11 22:45
きのこ組さん:
どうも唯の馬鹿じゃないかと思うようになってきました。 幸い日本人は自我が確立していないので、アメーバのように単細胞としても行動できず、ヒドラのような集合体として、行き当たりばったりのブラウン運動を続けているようです。 それも国境をもたない島国の有難さでしょうか。 投機マネーやテポドンには国境がないのに、能天気な話ですね。 ちなみに脳天気とも書くようですが、ヒドラには中枢神経がないようですので。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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