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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
シャガールの孫娘ベラの家に食事に呼ばれたのはもう何年前のことだろう。
ベラは病死したシャガールの最初の夫人の名前をもらっている。 僕の次女のまやがミシガン大学で美術を学んでいた頃だから、十数年は経つだろう。其の頃娘はベラのご主人の彫刻家、チャールズ・シモンズについて短期間の研修を受けていた。 彼らのアパートはマンハッタンの摩天楼の間にあり、居間の窓からはこれぞニューヨークと言う夜景が広がっていた。 手料理のラムも美味しかったが、シャガールの小品に囲まれて摂る晩餐は“夢の饗宴”であった。 手土産に持参した年代物のぶどう酒が、保存が悪かったのかコルク栓がボロボロで、とても飲めた代物でなく、がっかりもし、皆で大笑いしたのも、今は懐かしい思い出である。 僕は昔何かの本に引用されていた“詩人”についてのシャガールの言葉を披露した。 「・・・ここで私がいう詩人とは、別に言葉を操る人のことだけではない。手段が絵画であっても、音楽であっても、生活其のものでも、詩魂を持っている人のことだ・・・」 “そうね、いかにもおじいさんの言いそうなことね。”とベラは嬉しそうだった。 シャガールの絵はただ単にシュールだの幻想的だのと括るには、あまりにも深いものがある。 鮮やかだが深い色合い、其の高い精神性。 生い立ちかもしれないし天性もあるだろう。 日本でこれほど人気があるのも分かるような気がする。 実は先週末、また軽井沢の「メルシャン美術館」に行ってシャガールの「花束(ブーケ)の伝説」展を堪能してきたばかりなのだ。 ちなみにブーケはシャガールにとってベラ夫人への“愛の象徴”であったそうな。 皆さんもシャガールお好きですよね。
by n_shioya
| 2008-08-26 21:16
| 美について
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Comments(9)
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Clementina
at 2008-08-27 00:39
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塩谷先生、初めまして。
先生が、毎朝ご自分のブログのコメント欄をチェックなさるように、私も先生のブログを、朝のニュースとともに拝見させて頂いております。 私は南米チリに住んでおりますが、今年7月に里帰り致しました。 帰国前日からシャガール展が開催されるとの事で、スーツケースはほったらかして(!)チケット片手に熊本県立美術館へ向かいましたの。 そして「魚と恋人たち」の前で、動けなくなるほど感動し、タペストリーの毛糸を見てはため息が出、帰り道、絵画や美術品などは無理してでも時間を作って行くべきだと思いました。マルコ シャガール、素晴らしい詩人ですね。私も大好きです。 最後に、これからも更なるご活躍を期待しております。 時節柄、どうぞご自愛なさって下さいませ。
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at 2008-08-27 01:33
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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Doc.K
at 2008-08-27 09:30
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このブログから、我が家の居間に掛けてあるシャガールのリト「カルメン」と「魔笛」の由来が分かりました。何か美しさが増しました。娘が、オペラ修学中に譲ってくれたK先生に感謝です。ゾリンジャー先生、VAホスピタルの部長先生のお話し楽しめました。箱にはまって、いまだにもがいている自分が笑えます。ところで箱根は庭も完成しました。お近いので是非!
先生、お嬢さんのまやさん、お元気ですか?ヨコハマでのJaguar展示会にお越し頂いた時は、シャガール、じゃなかった、モディリアーニの美人画のモデルはこんな女性だったのでは、と想像してしまうほど美しい方だと思いました。どうぞ宜しくお伝えください。
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きのこ組
at 2008-08-27 11:13
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n_shioya at 2008-08-27 21:48
Clementina さん:
コメント有難うございます。 この世は素晴らしい美術や音楽に満ち溢れていますね。 我々のような後期高齢者の特権はそれらを存分に味わえることかもしれません、若い頃のひたすら夢中な感激とは多少異なりますが。 今後ともよろしくお願いします。
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n_shioya at 2008-08-27 21:49
Doc.K さん:
是非一度シャガールも別荘も拝見したいとおもってます。
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n_shioya at 2008-08-27 21:51
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n_shioya at 2008-08-27 21:53
きのこ組さん;
ジミー大西はお名前は存じておりますが・・・
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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