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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
こでまりさんから以下のコメントを頂いた。
「早朝庭先に出たら、ほのかな秋のにおいが!たまらなく幸せ気分になりました。若いころにはなかった感覚です。。。ところで昨日、渋谷文化村で「画家と庭師とカンパーニュ」を観ました。前に先生が薦めてくださった仏映画です。ありがとうございました。こころにズシンと響きました。清らかな心もちになれたような気がします。」 有難うございます。 あの映画の良さ、一体なんだろう?分析しても始まらないが、2,3感ずることがあるので書き連ねてみる。 一言で言えばフランス文化の魅力であろうか。 由来アメリカ人はフランスに対して野蛮人的コンプレックスがあり、フランコファイル(フランスかぶれ)と言う人種も少なくない。 僕もアメリカ生活が長かったせいか、そのコンプレックスまで背負い込んでいる気味がある。 生活の楽しみ方の天才、金がなくても、むしろ金がないゆえの人情の機微とエスプリ。 また、フランス女性のさりげない女性としての魅力の発露の仕方。これは男性側からの相互作用もあるかもしれないが。 そして子供のときから身に着けたお洒落の感覚。 以前、フランス生活の長い日本女性にこんなことを聞いた。 それは彼女がフランス家庭にステイしていたときのこと、着替えなどしていると、其の家の幼女から、其のストッキングはドレスと合わないとか、いっぱしのアドバイスをもらったと言う。 一緒になって人生の楽しみを作り出すスタンス。 なかなか一朝一夕でまねのできる文化ではなさそうだ。 今ひとつあの映画で想起したのは、そう、昔は病気で素直に死んで行くことができたという安らぎである。 決して皮肉で言ってるのではない。 映画のエンディングで庭師のほうが、“腹を開けたがもう手遅れだそうだ”と餓鬼の頃からの親友の画家につげる。 “そうか”と憮然と画家は答える。 そして数ヶ月もせずに庭師は世を去る。 ただそれだけである。 大手術もなければ、放射線もないし、化学療法もでてこない。 ああ、昔はこうして死ねたんだ。そして、何故か心が和む。 医者ともあろうものが、と言われそうですね。 だが僕は今、レマルクの晩年の名作の題名、“愛する時と死する時”を思い出しているのです。
by n_shioya
| 2008-08-22 21:58
| コーヒーブレーク
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Comments(4)
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きのこ組
at 2008-08-23 03:10
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愛する時と死する時をgooグってあらすじを読んだのですが、どうも心が晴れません。ハッピーエンド主流のアメリカ映画ばかり観ていた付けでしょう。
そういえば先生、ハイドロキノンの効果は? そろそろ次のexperimentのモルモットになるころでは? 楽しみにしてます。ふふ
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aseamoon at 2008-08-23 03:41
あめりかではWeight Lossの手術をするときはPsychological evaluation をしますが、アメリカではPlastic Surgeryの前後にそういうことはしないのですか?また日本では形成手術や整形手術の前後ではそういうことはしないのですか?自分で調べればいいのですが…教えてください。 アヤメ
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n_shioya at 2008-08-23 09:46
きのこ組さん:
実は小説のストリーはすっかり忘れてしまって、題名だけが頭に残っていたのです。 それでちょっとあやふやだけド、「題名」と断って乗せたつもりです。 其の題名も聖書の中の引用だったような気もしますが、それも定かではありません。 主人公がアルプス越えをしてスイスのサナトリュームにいいる恋人を訪ねていくのが出だしで、雪模様になったので峠でタイヤを履き替えようかどうかと言うあたりがなぜか印象深く脳裏に残存してます。 主人公がレースドライバーだったような気がしますが、其のあたりから、クロードルルーシュのテーマ音楽で人気のあった「男と女」と混線してしまうのです。 昔本気でモンテカルロラリーにでたいと思っていた時もありますので、へ、へ。
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n_shioya at 2008-08-23 10:38
aseamoonさん:
僕が現役のときは、北里大学では脂肪吸引に限らず、すべての美容外他にはまったくなかったし、今もないと思います。 他施設でできなかったのは ①精神科が面倒くさがるのと、心理療法士に正規の資格でがなく病院として雇用できず、また診療報酬につながらないこと。 ②開業医の場合、なんでも強引に手術に持っていきたいので、余計なことをすると患者に逃げられマイナスになるということ。 などで後に続く施設が現れなかったのです。 脂肪吸引の場合は、肥満治療の一環として、内科的診断と術前術後のカウンセリングは必須と考えています、ことに術後のファローが。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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