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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ALSという業病
両親とも兄弟が多かったので、従兄弟の数も多く、子供の頃は年中行き来して遊んだものである。
やがて皆社会人となると忙しくなり、会うのは冠婚葬祭のときだけとなったが其の冠婚も減って、最近では従兄弟が顔をあわせるのは、葬祭のときだけとなった。
今日は母方の従兄弟の七周忌で、鶴見の総持寺に従兄弟や其の子供らが集まった。

其の従兄弟は、10年前、ALSと呼ばれる筋肉が萎縮する難病ににかかり、3年間の闘病生活の後亡くなった。

ウィキペデイアによれば
「筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)とは、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する。有効な治療法は確立されていない。
有名な患者ルー・ゲーリッグから、ルー・ゲーリッグ(ときにゲーリック)病 (Lou Gehrig's disease) とも呼ばれる。ICD-10ではG12.21。日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病である。」
とある。

つまり随意筋と言って自分の意思で動く筋肉が、徐々に麻痺して行く恐ろしい病気である。
しかも最後まで意識ははっきりしているが、眼球運動を含めすべての随意筋が麻痺するため、自分の意思表示が不可能になる。
いわゆる金縛りの状態が進行を続けると言えば、多少想像がつくかもしれない。
問題は、早晩呼吸麻痺が起こり、気管切開による人工呼吸が必要になることである。
それまでして延命を望むかどうか、本人の意思表示が可能なうちに、方針を決めるのが通例のようである。

従兄弟の場合は、急性肺炎をおこし、意思確認が不可能なまま、緊急措置として気管切開を行わざるをえなくなった。そして人工呼吸の生活が始まった。
幸い多少指が使えたので、ある期間はノートパソコンで意思疎通を図り、ある程度仕事もこなしたようである。

もし自分がALSになったら、と今思案している。
呼吸麻痺で死にたくはないが、一旦呼吸器を附けたら外してもらうことはできない。医師法違反の殺人罪になりうるからだ。

これこそ“業病”というべきだろう。広辞苑の定義では“業病”とは「悪行の報いでかかると考えられていた難病」とあるが、僕の考えでは「何でこのような病気を神はこの世に存在を許されたのか、と天を呪いたくなるような病気」だからである。
by n_shioya | 2008-08-17 20:34 | 老年病 | Comments(10)
Commented by 925 at 2008-08-18 00:53 x
医療の現場にいると終末期医療のあり方を考えさせられます。
本当に自分のしていることが、患者の為なのか、家族の為なのか。
目の前にいる患者を助けるのは医師として当然のことであり、その為の努力はやぶさかではないのですが・・・。
その行為が誰も望んでいないかもしれない?
医療費を無駄につかっているのでは?との疑問を感じてしまうのは事実なのです。

患者も家族も自分達の意思をしっかり持つべきです。
医師も同じですね。
Commented by きのこ組 at 2008-08-18 04:07 x
先生もご存知のとおりアメリカでは延命治療を望むか否かを入院の際あらかじめサインさせられ、私も否とサインし家族も合意しました。この書類は一回サインするとデータベースに入力されどの病院に入院ででも適応となるようです。犬猫子供の将来をちゃんと書類にまとめてあるので心残りはないです。
私はカトリックで神を信じますが、死については単に”塵に戻るだけ”だとも思うのでストイックに行きたいと思います。。
ちょっとカッコつけすぎでしょうか?
 

Commented by n_shioya at 2008-08-18 20:13
925 さん、きのこ組さん:
昔どこまで延命治療をすべきか悩んで神父さんに相談したことがあります。
其のときのお答えは“人間的に可能な限り”と言う幅のあるお答えで救われた覚えがあります。
そして最近では本人の意思確認も大切な要素になりました。
何時は塵なれば塵に帰るべし”
僕も好きな聖書の言葉で、灰の水曜日は人間の出自を自覚させてくれる僕にとっては大切な日です。
Commented by きのこ組 at 2008-08-19 01:54 x
ありがとうございます。 もう一度聖書を開いてみる気になりました。
先生にもうちょっと惚れ直しました。
Commented by n_shioya at 2008-08-19 23:44
きのこ組さん:
有難うございます。
医学の進歩で、可能であることとすべきこととのギャップが広がりすぎました。
これを埋めるのが、医の倫理というわけですが、何らかの信仰を避けて、この問題と取り組むことは不可能のように思えます。
Commented by 安永峰夫 at 2009-03-03 17:44 x
国へES細胞やiPS細胞などの研究費へ投資をお願いする署名を集めています。
様々な病気の研究がされるには多くの研究費が必要だと思います。
市民の力で後押し、応援したい署名活動です。
この研究には期待しています。
ご協力お願いします
Commented by n_shioya at 2009-03-03 22:25
安永峰夫さん:
具体的な協力法をお教えいただけますか。
Commented by JAM~社会人1年生♂~ at 2010-03-22 00:00 x
今日TVでALSという病気を初めて知り、もし自分や家族がALSに罹ったら…と真剣に考えさせられました。
意識があるのに真っ暗で意思の疎通ができないとなると、私の場合は耐えられそうにありません。
しかし、自分が死を望んでも親は子に天命を全うしてもらいたいと思うはずです。
延命か死か、シンプルで選択肢が少ないのにこれほど難しい問題はないと感じました。
Commented by n_shioya at 2010-03-22 22:27
JAM~社会人1年生さん:
医者にとっても最も苦しいディレンマですが、患者には本当に地獄の苦しみでしょう。
以前尊敬する神父さんにご相談した時、“人間として出来る限りを尽くせばそれで良しとせねば”と言われ、多少は割り切って考えることができるようになりました。
Humanly possible という言い方だったと思います。
Commented at 2012-05-20 16:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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