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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
老化を自然現象として受け入れたとき、アンチエイジングの役目は何であろう?
一言で言えば“メインテナンス”と言うことになるのではないか。 車で言えば「定期整備」であろう。 ただ、人間の体は上手くできていて、車と違いストレスや劣化に対してある程度までは修復能力が内在していることである。 そのために若いうちは意識しせずとも、からだが自分で修復もし、バランスも取ってくれる。 たとえば車をこすってフェンダーをへこました場合、ひとりでに凹みが治り、塗装がカバーされることはありえない。 だが人間の場合は、本人の知らないうちに、ある程度の破損はキレイに治って行く。 この生体に備わった自然に治る力を総称して“個体維持”と呼び、これには次の四つの主だった働きがあるが、どれも残念ながら老化によって衰えてくる。 ①まず、外傷に対する修復作用。これは広い意味での創傷治癒であり、皮膚に限らずすべての臓器で行われる。しかしこれが機能するのははある程度の障害までで、完全に臓器が失われれば下等動物と違い再生することはなく、臓器移植が必要になる。 ②外敵、主として細菌、ビールスだが、に対する防御反応。 この主体が免疫機構である。 ③自浄能力 平たく言えば解毒作用。排泄、発汗などが其の主役である。 ④復元力 実際に関わっているのは神経系と内分泌系であるが、実は今僕が一番こだわっているのはこの分野だ。 すべての外的情報は脳に集まる、それが視床下部に集約され、主として自律神経系と副腎皮質を中心とした内分泌系を通じて全身にメッセージが送られ、体のバランスが保たれる。 ちょうどヨットが強風にあおられてもバランスを崩さないようなもので、これを僕は復元力と呼ぶことにしている。 別の見方をして空港を例に取れば視床下部は、管制センターのような役目をしていると僕は考えているが、この視点からの研究は皆無に近い。 と言うわけで僕は今、四つ目の“復元力”に焦点を絞って、「視床下部」の働きと其の若返りをターゲットに格闘し始めているが、神経系にも内分泌系にもド素人の一介の形成外科医にとってはなかなか手ごわい相手である。
by n_shioya
| 2008-08-16 23:00
| アンチエイジング
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Comments(2)
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
酒井直彦さん:
先生を引き止めて置けないとは、相模原も落ちたものですね。 でも、開業医として納得の行く医療に励むのも大事です。頑張ってください。 9月からはまた平日は毎日銀座ですから、是非一度お立ち寄りください。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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