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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
サイボーグへの道
今朝シャワーを浴び、目に入った水をタオルでぬぐいながらはたと思い出した。
そう、俺の目は人工レンズなんだ。
白内障で眼内レンズを入れたのが2年前。すっかり忘れていたのはそれだけ経過順調ということである。

術直後は、あまりにも明るく鮮明に見えるので驚かされたが、慣れとは恐ろしいものである。
かねがね老後の楽しみは読書と信じていたので、医学の進歩に改めて感謝している。
こうして人間は、徐々にサイボーグ化して生き延びて行くのだろう。

どこまで人工臓器が可能になったか、改めて検証してみると、臨床応用されているものは以外に少ない。

まずは人工関節。それも大腿骨が圧倒的に多い。
後は人工血管。これなしでは足を失ったり、大動脈瘤で死亡する人がかなりあるはずだ。
補聴器も一種の人工内耳と考えていいだろうか。
そして人工透析。これも体外の人工腎臓と考えられないことはない。
だが、可能なら腎移植のほうが日常生活には便利である。
心臓は難航している。やはり臓器移植に頼るしかないだろう、は人工でも間に合うようだが。
消化器、生殖器は皆無である。
そして今のところ脳や神経は論外とされている。
そうそれから皮膚も、人工皮膚は存在しない。これに関しては誤解があるので、別の機会に触れたい。

そこで他人の臓器移植が必要になってきて、脳死の判定や、臓器売買の問題まで生ずるようになった。
今行われているのは、まず、腎臓そして心臓、最近では肝移植も可能になった。
ただ他人の臓器は拒絶反応が起こるので、一生免疫抑制剤を使い続ける必要がある。
ここでも皮膚は不可能である。つまり一卵性双生児でない限り、完全に拒絶される。

なぜ、皮膚のような簡単なものが、と思われるかもしれないが、決して皮膚はただの一枚のシートではない。
体を包み込んで、そとからの外敵の侵襲を防ぎ、なかから体液が漏れるのを防ぐ。しかも毛髪や汗腺などの重要な付属器を供えている。
また、知覚神経が密に分布し重要な感覚器でもある。
何より、自己と他世界との境界面であり、これが他者を認識し拒絶しなければ防御壁の役をなさない。

このように人工臓器、臓器移植それぞれ難点を抱えているので、今再生医療が脚光を浴びている。
山中教授の万能細胞で、臓器を体外で作成しようという試みである。これならば自分の細胞なので拒絶されることはない。
これからの課題はいかにして万能細胞に、こちらの希望通りの臓器を作らせるかの作戦である。
by n_shioya | 2008-05-04 22:26 | 医療全般 | Comments(6)
Commented at 2008-05-05 04:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by みらきち at 2008-05-09 10:45 x
兄が循環器内科の医師なのですが、兄の影響からか、普通の主婦の私まで、このような医療の実状を知ることに、とても興味を持っています。今回のお話は、素人の私にもとてもわかりやすく、大変興味深く読みました。
Commented by n_shioya at 2008-05-10 09:43
山路さん:
確かに、感染症は抑えられ、人工臓器や臓器移植、がん治療など医学は進歩しています。
だが、耐性菌だの、新たな病気の増加など、何かいたちごっこの感がないではありません。
しかも人類総体としてのミセレーレ(悲哀というか苦難というか)が減少しているかと考えると、医師としての限界を感じることしばしばです。
Commented by n_shioya at 2008-05-10 09:45
みらきちさん:
衣料は医師だけのもので張りませんので、是非好奇心を働かして、医師側にもご意見を出していただければ幸いです。
Commented by みらきち at 2008-05-12 16:36 x
お返事、どうもありがとうございます。とても嬉しいです♪
これからも楽しく拝読させていただきます。
Commented at 2008-05-14 05:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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