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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
創立当時の北里大学を振り返って
このごろ北里大学を訪れる機会が多く、改めて現役時代の北里、特に創立の理念を思い返している。

半世紀前、医学部卒後教育の改善要求に端を発した大学紛争は挫折して、すべては元の鞘に納まり、医学教育ひいては医療改革の機を逸してしまったことは繰り返し書いてきた。
その時、既存の医学部の改善には限度があるとし、新たな理念と構想で立ち上げられたのが、北里大学である。

学部教育のなかにベッドサイド・ティーチングを導入し、レジデント制度による徹底した臨床医の養成、そして講座と医局制度の否定が主なテーゼであった。

こうして新星北里では、黒川清氏が指摘している問題点は、すべて配慮されたはずであるが、根本的なところで彼我の違いがあり、徐々に変質し、結局は挫折してしまった。

その原因は色々あるが、
①まず、医者に限らず日本の社会の閉鎖性である。
開かれた人事交流の前提には、縦社会から横社会への変革を意味する。いくら一つの大学が横に開かれた人事を唱えても、他がすべて縦割りを堅持すれば、横の交流は成り立たない。
②医学部と病院は分離した形態をとったが、教授が科長をかねている以上、従来型の付属病院にならざるを得なかった。
③一番の問題は、教授に人事権が集中し、教授を頂点としたヒエラルキーが温存され、レジデントを終えて専門医になっても、講師、助教授は教授の指揮系統に組み込まれ、医局制度を否定しながらも、実質は講座性をとっていた。
オープンシステムでないため、開業医は診療、教育に参加できなかった。

今、黒川氏が大学病院革命の第一歩として推進している2年の研修制度が、今問題の医局制度の崩壊をもたらし、ひいては医療崩壊の最大原因であると非難されている。

何時もいうように医局制度芸者の置屋のようなものである。
置屋制度の弊害に焦点を当てれば、医局崩壊は改善の第一歩といえるが、スクラップの先のビルドのビジョンが見えない。
反対に、競争原理をさけ、馴れ合い、談合を是とすれば、医局制度はわが国の風土にあった制度であるといえる。だがこれは本家のドイツでも過去の遺物となっている。
一番の問題は、医学校と病院との関係がそのなりたちにおいて、欧米とわが国では180度異なることにあるという黒川氏の指摘は本質を突いていると思う。

何かわけのわからぬことを羅列してしまったが、黒川氏の著書に触発され、この50年を振り返った断章である。
by n_shioya | 2008-04-28 23:03 | 医療崩壊 | Comments(1)
Commented at 2008-04-30 00:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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