ウーマンエキサイト ガルボ Exciteホーム | Woman.excite | Garboトップ | Womanサイトマップ
ガルボウーマンエキサイト
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
フルブライト留学・・・その3
ここで最近わが国でもよく耳にするレジデント制度とは、一体なんなのか説明を試みることにする。

一言で言えば、専門医になるための修業中の身分である。つまり、いわゆる医局員の下っ端と思えばよい

わが国でもレジデントという呼称だけはつかわれても、中身は雲泥の差がある。その理由は彼我の医療制度の違いにある。
まず、アメリカでは、ほとんどの病院がいわゆるオープンシステムである。
患者は入院料を病院に払い、治療費は医師に直接払う仕組みになっている。又、日本流の大学付属病院はほとんど無く、ほとんどが市中の一般病院で、大学と提携しているだけである。しかも大学教授はほとんどが開業医である。自分でオフィスを構え、月給を大学からもらわず、直接患者から受け取る治療費が収入である。そして大学から称号をもらい、その見返りに学生を教える。

大学は傘下に多数の連携教育病院を持ち、教授、スタッフは、その病院に患者を送る権利をもらう
スタッフはそれぞれの患者の希望、病状に応じて傘下の病院から選んで、入院先を決めて送り込む。
自分の患者は常時数個所の病院形成外に分散してはいっているわけで、毎日、それぞれの病院を回診し、パートナーがいれば手分けして手術を行う。。
つまり教授は一つの病院に何時もいるわけではない。それぞれの病院に常駐して、日夜患者の世話をするのが、インターンであり、レジデントである。

教授、助教授というのは、称号であって命令系統を意味しない。それぞれが独立して行動する医師である。その間にパートナーシップが結ばれて初めて、上下関係が生ずる。

レジデントを終えて、スタッフ、これをアテンディングというが、になれば平等である。
そして収入も、一桁も二ケタも違ってくる。
つまり、レジデントとアテンディングの間には、このようなはっきりした差があり、厳とした一線が引かれている。

わが国のように、教授が人事権を持ち、オールマイティであれば、助教授以下すべて、レジデントと余り変わることがない。

今一つレジデント制度の特徴は、専門医制度を前提にしていることである。一定期間に、規定の症例をこなし、専門医試験受験の資格を得て、専門医試験を通って、初めて専門医の資格が与えられる。

外科の場合、4年から5年のレジデントが必要とされている。外科と言っても、広い意味の一般外科であり、腹部の外科のほか、整形外科、脳外科、婦人科、泌尿器、心臓外科すべて幅広いロテーションが要求される。

僕も最初の二年で、骨折の手術も遣れば、子宮摘出、前立腺、そして開頭術まで経験した。その中には勿論、形成外科の三カ月もあった。
どのかも回れば、面白くなる。始めは心臓外科を志していた僕も、新しくロテートするたびに、迷いが生じた。

なかでも魅力を感じたのが形成外科だった。
外科の魅力の一つは自分で診断を確かめられることにあるが、今一つは手で細工をする楽しみにある。
しかも形成外科では、造形を楽しみ、その仕上がりを確認する喜びがある。
皮膚を採取し、引っ張ったりつまんだりして、癌や外傷で失われた、耳や鼻を造る。
ま、お針子じゃないか、といわれればそれまでだが。
すべてが機械化し、ロボットが手術もしようという時代、しこしこと手作りにいそしむ、アナクロニズムの極致といえる。

だが、男一匹、一生の仕事とするには、というためらいがあった。
そんなある日,図書室でふと目にとまった本があった.
緑の背表紙で,濃い,グレーの変形?版の二冊組みで,タイトルは「Art and Principle of Plastic Surgery」 とあった.
著者はギリエスミラード. 豊富な写真と洒落たカートゥーンに引きずりこまれて, ぱらぱらぺージをめくるとこれが実に面白い.教科書風ではなく, 二人の著者の形成外科との関わりが、時代の流れとともに、真にユウモラスな筆致で描かれている.

後で判ったのだが, ギリエスはニュージーランド生まれのイギリス人で, 近代形成外科の始祖であり, 一世代後のミラードはアメリカ育ちだが, ギリエスに傾倒しと言うか, 肝胆合い照らした 二人の合作がこの名著であった.

夢中に読みふけって二週間. 大部の二巻を読み終えた時, 僕の気持ちはも決まっていた。
形成外科の教授、マカンバーに弟子入りをお願いしたのはその翌日である。
by n_shioya | 2008-04-10 23:59 | 医療全般 | Comments(3)
Commented at 2008-04-11 21:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2008-04-11 23:32
ホテルのワイヤレスが不調で格闘しているところ。
日にちは間違い。
訂正します。
Commented at 2008-04-12 06:04 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


<< オルバニーの街 フルブライト留学・・・その2 >>


woman.excite TOPへ Copyright © Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - 会社概要 - ヘルプ | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム