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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
石井桃子さんが亡くなった。
![]() 「くまのプーさん」を訳された功績は大だが、僕は「ノンちゃん雲に乗る」が大好きだった。 筋は覚えていないが、主人公の感じ方に類似点がり、また僕のあだ名がノーちゃんでノンちゃんとも呼ばれたりする事があって、主人公に親しみを覚えたのでもある。 50年以上前の話で記憶も定かでなく、その類似点を確認に有隣堂に行ったが、あいにく売り切れだった。 「くまのプーさん」の訳本が出たのは1940年だから、太平洋戦争の勃発の前年のはずだ。 もう物資が欠乏して、ボロボロの一冊を皆でまわし読みをして、ピグレットやイーよーといったキャラクターに魅せられ、“ハチミチ”だの何だのといったプ-語に笑いこけたのも懐かしい思い出である。 そもそもは一つ年上の姉が見つけてきた。 その姉は、ヨハンナ・シュピリや松田恵子(?)に傾倒し、児童文学の道を歩み始めたが、やがて直木賞作家として、いささか倒錯した世界にのめりこんでいって、今に至る。 そういえば亡くなった弟も、高島屋に勤める傍ら物書きを志したが、テーマはもっぱらSFであった。 肉親の書いたものはそのモデルや背景が分かっているだけに、虚心に作品として読むことが難しい。 しかも、善良な人間は小説にならないので、ことさら恥部をえぐるようにして、憎らしい人物像を作り上げる。 そうして小説の上で好きなように痛めつけられた母親は、亡くなるまで姉とは和解できなかったようである。 僕などはごく早い時期に、書くに値しない陳腐な弟として消されてしまい、以後は幸いに姉の小説にモデルとして登場したことは無い。 弟の小説では、冷酷無比の兄が弟をカプセルに詰めて宇宙のかなたに噴射するという場面で登場した覚えがある。 姉と弟に文才を剥ぎ取られた僕は、いまだかつて原稿用紙の升目を埋めた経験がなく、三年前からこうして、パソコンのキーを叩きながら、たどたどしくブログをつづり物書きの真似事を始めているのも血筋かもしれない。
by n_shioya
| 2008-04-05 22:30
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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