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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
美の基準を求めて
シラノの例で分かるように、欧米で鼻の悩みといえば大きすぎることで、ただ鼻の美容整形といえば、低く小さくすることを意味する。

そうしてアメリカで形成外科医として、鼻を削り、コンパクトにまとめることに日夜腐心して来た僕が、帰国して東大病院で出会った初めての患者さんは、若い二十歳の女子大生だった。

鼻を高くして欲しい”という。
とりわけの美人というわけではないが、色白の、可愛い感じである。
鼻はといえば、細からず、太からず、鼻尖部の大きさも程々で、卵型の顔にちょこんと乗っている。プロフィールは一寸そり気味で、これも理想的だ。

今ならばそれほどのギャップもなかったろうが、八年アメリカで、毎日鼻を低くすることに努力して来た身にとって、彼女の悩みはピンと来なかった。
“何でまたその可愛い鼻を、みっともなくしたいのですか。”
ついうっかり感じたまま、問いただしてしまった。
からかわれたと思ったのだろう、二十才の女子大生は、プッと診察室から飛び出してしまった。
こうして僕は、日本での最初の患者を失った。

僕は考え込んでしまった。
海の向こうでは、人はひたすら鼻を削って目立たなくしようとする。わが国では、もっと大きく、鷲鼻でも結構という感じだ。何故こうも違うのだろう。一体、美の基準とは何だろう、そんなものは存在しないのでは。

こうして僕の“美の基準探しの旅”は始まった。
by n_shioya | 2008-02-06 23:13 | コーヒーブレーク | Comments(3)
Commented by 山路純平 at 2008-02-08 02:40 x
確かに、海外と日本では、
ある程度の美に対する
違いがあるのかもしれませんね。

Commented by n_shioya at 2008-02-09 22:08
人は自分に欠けていることを求めるが故に、東洋人と西洋人はお互いに反対方向を志向するという面もあるかもしれませんね。
Commented by 山路純平 at 2008-02-10 01:39 x
お話しの通りですね。

恋愛もそう。
音楽もそう。
映画もそう。

でも、そうやってバランスが保たれているのかも
しれないですね。



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