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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
美人を正面切って論ずることには、こだわりというか、気恥ずかしさというか、何となくやましい感じがつきまとう。これは“面食い”という言葉の持つ、いささか侮蔑的のニュアンスでもうかがうことができる。。
また、美人、不美人を、実像で示そうとすると、差し障りを生ずる事もある。 しかしここでは勇を鼓して、まともに美人にフォーカスを当ててみよう。 赤ん坊を使った面白い実験がある。 アメリカの心理学者ラングロアは、まず色々な人種、性別、年齢の数百枚の顔写真を集め、魅力的な顔とそうでないものに区分けした。次にそれを、三カ月と六カ月の何人かの赤ん坊に見せたところ、赤ん坊たちは、魅力的な顔のほうを見つめる時間が長かったという。 顔の美醜の判断基準は、育つ過程で植え付けられるものではなく、生まれ付いたときから備わっている、生来的、つまり、遺伝子に組み込まれいるものだという主張に、しばしば使われる有名な実験である。 ただしこの実験でいう「魅力的な顔」とは誰が何を魅力的と判断するかも問題である。 これについては次のような調査が基礎になっている。 この数百枚の顔写真を、あらかじめ様々な階層の読者に見せて、魅力的なものを選んでもらった。その結果は意外にばらつきが少なかったという。勿論このような実験は限界がある。たとえば実物を見るのと違い、平面の顔写真であり、表情を含めた立体的なものではない。 それではどんな顔が魅力的とされたか。 まず対称性、バランス、といったことが大切だろう。 沢山の顔写真を重ね合わせ、コンピューターでその平均値の顔を描かせる。これが意外と、整った顔にになるという。しかも、インプットする顔写真が増えるほど、美人に近づくという。 つまり、平均値に近いほど美人であり、平均値を外れたものが不美人を言う結果になっている。 平均的な顔というのは、遺伝的な突然変異が少ないことを意味しているから、これを魅力的だと思うように進化したと説明されている。 しかし現実には、それだけではすまないで、一寸平均値を外したり、バランスを崩したり、叉、ある部分を逆に強調したりすると、魅力が出ることもあるので、顔の美醜は一筋縄では行かないものがある。
by n_shioya
| 2008-01-31 12:30
| コーヒーブレーク
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Comments(6)
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初めまして!魅力的な顔というのは、対称性やバランスが、
整っているかどうか、ということなんですね… 人の遺伝子や進化には、まだまだ私達が知らないような、 たくさんの不思議があるのかもしれません。 外見だけではなく、内面からも美人の魅力があふれる、 女性になれるように、努力したいと思います。
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「人は心」と言いつつ、実際は見た目の第一印象が最も残るので、「美人は得」というのは動かし難い事実のようです。が、長期的にはどうかと言えば、美人には男性が寄ってきて煩かったり、逆にあまりにも美人すぎて男性が寄りつかなかったりと難しい。やはり性格が悪ければ見捨てられるし、時間の経過と共に、美人もそれなりの人も、損得は平均値を目指すような気がしています。
それでもやっぱり、性格がよくて、美人だったりすると、すごーく得みたいでいいなぁ。こちらは天然の「外し技」が多いので、うらやましいです。
lotさん:
コメント有難ううございます。 コンピューターがはじき出したのは、魅力的な顔というよりは、整った顔というべきかもしれませんね。 容姿の問題はこれからしつっこく追いかけて行くつもりなので、今後もよろしくお願いします。 ![]()
おっしゃることに付け加えさせていただくと、日本人には、やたらと目鼻立ちやエラの張り方に気をとられて、美醜を判断する人が多いですけど、なんだかイマイチに見える顔は、頬骨の位置が低過ぎる場合が多いように思います。頬骨の始まりが低い所にあると、間が抜けて見えます。
IMOさん:
たしかに日本人の場合、頬骨が横に張ってばんびろな印象をあたえます。それが位置的にしたかどうか、調べてみたいと思います。 いずれにせよ、目、鼻と違って頬骨の容貌に与える影響については、目、鼻ほど類型化しにくいので、僕もこれからの課題として取り組むつもりのと箇所です。 コメント有難うございました。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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