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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
“それで今は何をしてるの?”
大蔵省から某銀行の頭取を勤め上げ、今は自宅で悠々自適の身分のT は答えた。 “朝起きて、飯を食って、それから3時間ばかり本を読む。 今読んでるのはプルーストだ。原書で読んでいるので、日に数ページしか進まないが。” そういえば彼は旧制一高では文丙で、フランス語が第二外国語だった。 先週はカナダ大使館地下のシティクラブオブトウキョウに、昔のクラスメート6組が夫婦で集まって、恒例の忘年晩餐会を催したのである。 元外務省、元日銀、元大学教授など皆現役時代の肩書きはいかめしいが、今こうして集まると昔の悪餓鬼に戻り、ガールフレンドの取り合いの話や、酒の席での失敗談等に花が咲いた。 あの長編「失われたときを求めて」なら僕も挑戦したが、“例の出だしのマドレーヌの香ばしさのあたりで挫折したままだ。”と白状すると、T は言った。 “あれにはなかなかいい台詞が出てくるよ。” “例えば?” “「美しい女たちのことは、想像力がない男たちに任せておこう」、なんてのはどうだ。” 確かにあの頃旧制高校は全寮制度で、しかもその寮は女人禁制なので、想像力は無限に羽ばたいてくれた。 でもそうすると、実在の“美女軍団”を看板にしたブログで人気上昇中?の作者など、最も想像力に乏しい男ということになるのか。 どだいプルーストなど、厚くカーテンを閉め切った部屋に暗く生きていた変わり者で、そんな台詞はやせ我慢、僕にはやはり想像の産物よりも、“生身の美女”がありがたいよ、とまぜ返そうかと思ったがやめておいた。 せっかく彼が、“憧れ”のみが生きがいだった、今は懐かしい青春時代の回想に浸っているを妨げたくなかったからである。
by n_shioya
| 2007-12-15 23:02
| コーヒーブレーク
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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