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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
「イスラム世界と日本」というテーマで、元文部大臣の遠山女史が講演されるという。
遠山敦子氏はトルコ大使も経験され、現在は新国立劇場の理事長である。 主催は日本国際医学協会、場所は神田の学士会館である。 今まさにハンチントンがその著書で予言したように、“文明の衝突”が起こっている。 これは聞かずばと、歯の治療直後の痛みをこらえ、大いに期待を持って出かけていった。 が、いささかがっかりした。 内容はご自分のトルコ大使のときの個人的な経験に終始し、イスラム文化の特殊性はほんの垣間見るに終わってしまった。 ![]() 30分という時間は短すぎてお気の毒だったたかも知れぬが、時間切れでご質問も出来なかったので、ここに僕の疑問点を列挙してみよう。 ①数から言えば全世界でイスラム教徒はキリスト教徒に匹敵するという。これを無視して、キリスト教国が今までどおり自分たちの価値観を押し付けていけるものなのか。 ②パックス・アメリカーナというおごりで、世界平和という大義のもと、憎しみの連鎖反応を惹起し、“文明の衝突”にまで発展させたのはアメリカの責任ではなかろうか。 ③そもそも民主主義といっても、アメリカのダブルスタンダードには皆うんざりしている。 しかもブッシュのような単細胞の男が、おそらく自分でも守ってないだろうキリスト教的使命感とオイル利権を合体させて、ごり押しをしてテロを自分で招き、世界をテロ戦争に巻き込もうとしている。 あの馬鹿は、イラク攻撃を十字軍にたとえ、9・11の直後に、反射的に復讐を誓っていることでも正体は暴露している。 ④ハンチントンは世界をいくつかの文化圏に分けているが、そのなかで日本だけは独立した一つの文化圏とされている。 その日本がこのキリスト教対イスラムの対立の解消に役立つことは寄与出来ないのか。 文明の衝突の悲劇は、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教をいった一神教同士の殺し合いにあるという感がするからである。 ⑤ロシアはプーチンのもと逆コースをたどり、中国という眠れる獅子はやっと目覚めて中華思想を開花させようと虎視眈々としている。 彼らがこのアングロサクソンとアラブとのせめぎあい、を自国の利益のためにどう利用しようとするか? ⑥いったいこの文明の衝突から抜け出る道はあるのだろうか。 など、など政治音痴の僕でも後から後から疑問が湧き出てくる。 ま、今回の講演はこの学会の伝統で、“感想”という形をとっていたのでやむをえなかったが、、いま少しこの出口の見えない危機感に触れて欲しかった、と感じたのは僕だけだったろうか。
by n_shioya
| 2007-11-16 22:55
| コーヒーブレーク
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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